Fundsを支える審査の話#4 予定利回りはどうやって決めているの?

2025/04/23コラム
Fundsを支える審査の話#4 予定利回りはどうやって決めているの?

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固定利回り投資「Funds」は2019年1月からのサービス開始以来、累計募集金額は870億円を突破、公開ファンド数は500件を超えますが、これまで「元本割れゼロ」を継続させてきました。それにより、全ての投資家の方々の資産を増やすお手伝いをしてきました。

その“扇の要”となるのがファンズの審査部です。第1回目、第2回目ではFundsが「元本割れ」を引き起こさないための裏側を、第3回目では企業がFundsを通じてお金を調達する理由について紹介してきました。今回、第4回目としてFundsにおける予定利回りがどのようにして決まるのかについて、ファンズの審査部にインタビューします。

※ 本コラムは2025年4月1日時点の情報に基づいています。
※ Fundsの実績に言及した箇所がありますが、将来について保証するものではありません。

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.pngFundsの予定利回りはどのようにして決めているの?

_ver2.pngまず前提として、Fundsで販売しているファンドはそれぞれ予定利回りが異なっています。これは各ファンドのリスクを考慮したリターンに加えて、借り手企業にとって知名度向上のPR費用という観点を加味して予定利回りを設定しているからなんですね。では、各ファンドのリスクについて、どのように評価しているのかということですが、実は予定利回りというのは以下のように要素を分けることができるんです。

Funds-1.png.png予定利回りと一言で言っても、こんなにいくつも要素があるのかぁ。それぞれどういうところを見ているの?

_ver2.pngまず「市場の金利」ですが、こちらは一般的な銀行借入時の基準金利を期間毎に参照しています。少し専門的になりますが、「短期プライムレート」や「TIBOR(タイボー)」「スワップレート」等の指標がどのように推移しているかを見ていますね。
一般的な企業が借入をするときの金利や、銀行間での資金を融通する金利が上がれば、その後に公開されるFundsの予定利回りも引き上げるよう調整を図ります。

※ Fundsにおける予定利回りは、ファンドの運用開始時点で固定されます。そのため、「市場の金利」の上昇によって過去に公開して既に運用中となっているファンドの予定利回りを引き上げるものではありません。

.pngなるほど。たしかに経済全体で金利が上がればFundsの予定利回りにも反映されるのはいいね。他にはどんな観点を見ているの?

_ver2.png2つ目の「借り手企業の業績」ですが、業績が好調で貸したお金を高い確率で返済してくれそうな借り手企業の場合、貸し倒れや返済遅延のリスクが低くなるため、そのファンドの予定利回りは低くなりますし、逆もまた然りです。リターンとしての利回りと、貸し倒れ・返済遅延のリスクは表裏一体ということですね。ただし、業績が悪い、または悪化している借り手企業については、返済の可能性をある程度見積もることができなければ審査の結果、ファンドの組成をお断りすることになります。したがって、現時点ではFundsにおいて利回りが年率10%のようなファンドは募集していません。

-.png※ 上図のうちFunds以外の金融商品について、当社では取扱いをしていません。

2.png予定利回りは高い方がリターンはいいけど、それはリスクとの見合いで考えられているということなんだね。

_ver2.pngその通りです。これは3つ目の「担保・保証の有無」に関わりますが、例えば業績だけではFundsで提供しているファンドに比べてリスクが過大になると判断される場合、不動産などの担保であったり、親会社などによる保証を差し入れてもらうケースもあります。それによって貸したお金が返ってこないリスクを引き下げることができ、Fundsの投資家の皆さんにご提供できるリスク・リターンとして設計できる場合、担保・保証付きのファンドとして募集を実施します。
ただし、基本的にはFundsのファンドは無担保・無保証であることが多いため、「担保や保証が付くこともある」というのが実態です。

4.png担保や保証が付いている場合はそこも見ておくのがいいんだね。4つ目の「情報開示の透明性」は?

_ver2.png「情報開示の透明性」について、Fundsにおいては「借り手企業が上場企業なのか非上場企業なのか」という観点に置き換えることができます。というのも、借り手企業の業績や事業内容をFundsのファンド詳細ページでもなるべく公開していますが、随時新しい情報が幅広く取得できる企業の方が投資判断をしていただきやすいという側面があるからですね。上場企業の場合はHP上で直近の決算情報など投資家向けの説明資料が充実しています。非上場企業の場合でも情報開示が充実しているケースももちろんありますが、一般的には上場企業との比較でアクセスできる情報が限られるケースが多いため、その場合は予定利回りの算定でも考慮に入れることになります。

2.pngたしかに投資するか判断するときに情報がたくさんあるかは大事だね。あとは予定運用期間も重要なんだっけ?

_ver2.pngその通りです。簡単に説明すると、同じ借り手企業であったとしても予定運用期間が長いほど予定利回りは高くなる構造にあります。理由としては、将来のことになるほど見通しが難しく、リスクが上がるからということですね。具体的には、借り手企業の業績は1年後のものより、2年後、3年後と将来になるほど予測が難しくなり、貸したお金が返ってこないリスクも上がることになります。

2.png利回りが高いファンドに投資したくなるけど、運用期間も見ながら検討しないといけないんだね。

_ver2.pngそうですね。例えば、予定利回り2.5%・予定運用期間12ヶ月のファンドと、同じ借り手企業でも予定利回り3.0%・予定運用期間24ヶ月のファンドがあった場合、どちらに投資するかは借り手企業の業績であったり、その資金を12ヶ月や24ヶ月の間、運用に回しても問題ないかなど資金計画を考慮して検討いただくことになりますね。「予定運用期間が12ヶ月以内のファンドにしか投資しない。そのかわり予定利回りは低くてもいい」という方もいらっしゃいますし、「予定運用期間がバラバラのファンドに分散して投資して、リスクを減らしながらポートフォリオ全体で予定利回りを上げたい」という方もいらっしゃいます。

.png4.pngなるほど!ところで、予定利回りってファンズが自由に決められるものなの?

_ver2.pngいい質問ですね。ファンズとしては上記のように複数の要素を検討して予定利回りの水準を決めていきますが、実際にファンドとして提供するにはもう1つ工程があります。それは借り手企業との交渉ですね。Fundsの投資家さんに納得いただけるような利回りで、かつ借り手企業もコストが見合う水準の利回りを見つけてファンドを募集していきます。

.png2.png投資家と借り手企業の双方が納得できる利回り水準を見繕って条件を決めているんだね。いろんな要因で予定利回りが時期によって変わることがよくわかったよ。

_ver2.png仰るとおり、予定利回りというのは主に先ほどご紹介した5つの要素を総合的に検討し、最終的に借り手企業にもご納得いただく水準で決めています。
2024年3月には日本銀行が17年ぶりに利上げを実施しました。それ以降も複数回の利上げが行われ、1つ目の要素として挙げた「市場の金利」が2024年を通じて上昇しましたね。Fundsでもこの日本銀行の利上げを踏まえて予定利回りに反映するようにしています。もちろん借り手企業との交渉ごとではありますが、ファンズには銀行出身者も所属しているため、その経験も踏まえて貸付金利の引き上げを丁寧にご説明しながら予定利回りに反映できるように尽力しています。
借り手企業からはFundsで調達した資金を成長性のある事業に投下していきたいというニーズをいただいていますし、実際にFundsを活用してから業績が伸びたというお声もいただく事例もあり、嬉しい限りです。

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4.png投資する立場から見ても、自分が投じた資金が企業の成長に繋がるのはなんだか嬉しいなぁ。

_ver2.pngそうですね。ファンズとしてもそのような機会を一層提供していきたいです。
ここまででファンズがどのように予定利回りを決めているか、ある程度ご理解いただけたかと思います。一方で、審査基準についてはこれまでと変わらないため、従来から比べて返済遅延や元本割れのリスクが高い借り手企業のファンドを増やしているわけではありません。ファンズの審査部としては引き続き従来の融資基準をもとに融資可否を決定していますので、これからも可能な限り元本割れゼロを継続しながら、サービスを運営していければと考えています。

4.pngFundsの予定利回りはどのようにして決まっているのか、詳しく知ることができたなぁ。これでファンドを選ぶのも今まで以上に楽しめそうな気がしてきたよ!


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まとめ

  • Fundsの予定利回りは主に5つの要素で決定されている

  • 5つの要素とは、市場の金利、借り手企業の業績、担保・保証の有無、情報開示の透明性、予定運用期間

  • 2024年以降、日銀の利上げの影響が予定利回りにも反映され始めたが、審査基準は変わらない

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▼#1・#2・#3はこちら

Fundsを支える審査の話#1 「元本割れゼロ」とは?

Fundsを支える審査の話#2 「元本割れゼロ」の為にこんなことをしています

Fundsを支える審査の話#3 企業がFundsを通じてお金を調達する理由


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※固定利回りとは、ファンドの利回りが募集時に定められていることを意味しており、利回りを確約するものではありません。

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