マンションの売り出し価格は、希望価格にどれぐらい上乗せして設定したらよいのでしょうか。
「高く売りたい」「でも高すぎると売れない」とジレンマに陥っている方もいるかもしれません。
この記事では、マンションを売却する方のために、値下げを考えるべきタイミングや価格交渉の流れ、希望価格で売るコツを解説します。
値下げするときの注意点や、売れないときの対処法も紹介しますのでぜひ参考にしてください。
マンション売却で値下げするタイミング

マンションの値下げを検討するのは、一般的にはどのようなときでしょうか。この章では、代表的ともいえるタイミングを5つ紹介します。
購入希望者から値下げ交渉されたとき
購入希望者から値下げ交渉を受けたときは、まず不動産会社を通じて届く購入申込書(買付証明書)の内容を確認しましょう。
提示された金額が想定範囲内であれば、柔軟に値下げに応じるのが一般的です。
一方で、売出し直後に大幅な値下げを求められた場合は、すぐに応じず様子を見ても問題ありません。
いずれの場合も、不動産会社の担当者と相談しながら、今後の交渉方針や返答の仕方を慎重に検討しましょう。
売り出して3か月経っても売れないとき
売り出しから3か月経っても売れない場合、相場価格よりも高い可能性があります。
スムーズに成約しているマンションは、3か月以内で成約に至っていることが多いため、3か月を一つの区切りと考えて値下げを検討しましょう。
また媒介契約書は3か月以内の期間を定めて契約するため、更新のタイミングで不動産会社から値下げを提案されることがあります。

買い替え先が見つかったとき
住み替えを予定している場合は、買いたい新居が見つかったタイミングで値下げして、早めに売却できるようにするのも方法の一つです。
新居を買い先行で購入できるとしても、自宅マンションに住宅ローンの残債がある場合は、ダブルローンになってしまいます。
また、残債がない場合でも固定資産は二重にかかるので、資金計画に無理がないように計画して進めましょう。

築年数帯が上がるとき
マンションの築年数が節目を迎えるタイミングは、値下げを検討すべき重要なポイントです。
築10年・20年・30年といった区切りを超えると、検索結果の表示に影響し、買い手に発見されにくくなります。
築年数が上がる前に売却できなかった場合は、価格を見直して検索結果が変わっても購入を検討してもらえる価格帯に再設定することが効果的です。
同じエリアの売出し物件と比較しながら、市場の相場に合わせて柔軟に対応しましょう。
内覧希望者が少ないとき
売出しから一定期間が経過しても内覧希望がほとんど入らない場合は、価格設定が市場相場より高い可能性があります。
まずは、周辺の同条件の物件と価格を比較し、適正価格より割高になっていないか確認しましょう。
アクセス数や問い合わせ数が少ない場合は、100万円単位など目に留まりやすい金額で値下げするのも一つの方法です。
価格を調整すれば検索結果に再掲載され、再び購入希望者の目に留まりやすくなります。
マンション売却で値下げするときの注意点

マンションの値下げをするときに、後悔しないために注意すべきポイントを5つ紹介します。
閑散期に値下げしない
7~8月は不動産の閑散期ともいわれ、マンションを探す人が少なくなります。
したがって問い合わせ数や内覧希望者が減るため、値下げをしてもそれほど反響を得られない可能性があります。
もしタイミング的に問題がなければ、9月以降の需要が増える時期に値下げを検討しましょう。
内覧希望者が多いときは様子を見る
内覧希望者が多いときは値下げせず、少し様子をみるようにしましょう。
内覧してすぐに購入申込書が提示されることもありますが、いくつかのマンションを内覧して、比較検討してから申込することもあります。
一度価格を下げてしまうと、基本的には値上げできません。
値下げした価格に対し、さらに指値交渉(買主による希望購入価格の提示・交渉)が入るおそれがあります。
値下げするのであれば、ある程度内覧希望者が途絶えたタイミングにしましょう。

少額ではなくまとまった金額を値下げする
もし早期に売却したいときなど、売り出し価格を見直す場合は、ある程度まとまった金額を値下げするようにしましょう。
数十万円程度の値下げは印象が薄く、効果が感じられないかもしれません。
マンションの価格にもよりますが、数百万単位の値下げを検討しましょう。
ローン残債を確認しておく
値下げを検討する前に、まず住宅ローンの残債額を正確に把握しておきましょう。
売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」状態になると、抵当権が抹消できず売却できません。
残債がいくらで、いくらまでなら値下げできるのかを事前に整理しておけば、売却できなくなるというトラブルを防げます。
必要に応じて、金融機関に売り出す前にはローン残債を確認しましょう。
値下げする時期を事前に決めておく
なんとなくの感覚で値下げを判断すると、結果的に売却期間が長引くことがあります。
そのため、売出し前の段階で「〇か月経っても反響がなければ〇万円下げる」といった基準を決めておくと安心です。
時期を決めておくことで、相場や反応を見ながら計画的に価格調整ができ、売却チャンスを逃しにくくなります。
不動産会社と相談し、売却活動の反応を見ながら柔軟にスケジュールを見直すことも大切です。
マンション売却で値下げを迷ったらファンズ不動産へ相談
マンション売却では、値下げの判断が売却スピードや最終的な手取り額に大きく影響します。
値下げをすべきか、それとももう少し様子を見るべきかは、エリアの需要や競合物件の状況によって大きく変わるため、一人で判断するのは難しいものです。
こうした売却価格の悩みが出てきたときは、ファンズ不動産へご相談ください。豊富な事例に基づいた的確なアドバイスを受けられるため、売り急ぎたくない方や、できるだけ希望価格で売却したい方にも安心です。
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マンション売却価格の値下げは何割程度が一般的?

マンションを売却する際、どのくらい価格を下げればよいか気になる方もいるでしょう。
売却価格を下げるときの目安を解説するため、値下げを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
値下げ率は5~10%が目安
マンションの売却価格を下げる場合、一般的には5〜10%程度の値下げが目安とされています。
理由は、売出価格と成約価格に5〜10%の乖離が見られる傾向が多いためです。
たとえば、4,000万円で売り出している物件なら、200万〜400万円の値下げ幅が相場です。
ただし、エリアの需要や売却時期によって最適な値下げ幅は異なるため、不動産会社と相談しながら慎重に判断しましょう。
金額の最後を端数にする
売出価格を設定するときは、「3,000万円」などのキリの良い数字ではなく、2,980万円や2,990万円のように端数をつけるのがおすすめです。
不動産ポータルサイトでは検索条件が「〜3,000万円以下」などで区切られていることが多く、価格をわずかに下げるだけで表示範囲に入るケースもあります。
実質的な値下げを最小限に抑えながら、より多くの購入希望者にアプローチしていきましょう。
マンション売却における価格交渉の流れ

内覧対応から価格交渉、そして売買契約締結までの流れをおおまかに把握しておきましょう。
この章では6つのステップでその流れを紹介します。
①内覧対応
不動産会社と媒介契約締結後、すぐに内覧希望者が現れる場合があります。
土日の予定をすべて内覧のために空けておく必要はありませんが、チャンスを逃さないように心がけましょう。
また、内覧は第一印象が重要です。
いつでも内覧に応じられるように室内は整理整頓し、きれいな状態を維持するようにしてください。
②購入申込書(買付証明書)を受け取る
内覧した人が購入を希望する場合、購入希望価格や引渡し条件を記載した書面を、不動産会社経由で提出することになります。
購入申込書や買付証明書と呼ばれることがありますが、基本的には同じ意味です。
記載内容に明確なルールはありませんが、購入希望者の氏名や住所、手付金額のほかに、ローン借り入れ予定額や希望引渡し時期などが記載されています。
③不動産会社の担当者と相談する
相手側が値下げを希望している場合はそれに応じるか検討し、引き渡し条件(時期)に無理がないかなど確認します。
指値に応じる場合は、不動産会社の担当者と相談し、条件や契約日などのすり合わせをします。
決めるのは売買価格や手付金の額、契約日、引渡しの時期などです。
指値に応じられない場合は断ることになりますが、できれば値下げに応じられる売買価格の下限を返答しましょう。
相手側が提示した価格に応じて成約する可能性もあります。
④希望価格や条件を返答する
購入希望者が提出する購入申込書に対して、売主側が提示するのは「売渡承諾書」です。
売買価格に歩み寄りを希望する場合、希望価格を記載します。
相手側の指値にそのまま応じる場合でも、トラブルを避けるために売り渡し価格や条件を記載して書面化するのが一般的です。
購入申込書と同じように、不動産会社経由で相手側に提示します。
⑤売買価格決定
お互いに売買価格や条件に折り合いがついたら、売買成立です。
1度のやり取りで売買価格が決まることもあれば、複数回やり取りすることもあります。
不動産会社が売買契約書や重要事項説明書を準備するのにある程度時間がかかることもあり、契約日を1週間後とするケースが多いでしょう。
売主は売買契約に際して必要になる書類があるため、不動産会社の担当者に確認して契約日までに準備します。
⑥売買契約締結
通常、不動産会社の事務所や店舗で売買契約を締結します。
必要書類は不動産会社が基本的にすべて用意しますが、売主が用意する書面に物件状況報告書と付帯設備表があります。
通常ひな型が用意されているので、契約日までに内容を確認しながら丸を付けたり該当する内容を記載しておき、売買契約日に買主に説明して渡します。
宅地建物取引士による重要事項説明と売買契約書への署名押印後、買主から手付金を受領し、買主に手付金の領収書を渡します。
また、契約日に不動産会社へ仲介手数料を半額支払うケースが多いため、仲介手数料を支払うタイミングも確認しておきましょう。
マンションを値下げせずに希望価格で売却するコツ

マンションがいくらで売却できるか、実際のところわからないものです。不動産会社の査定額よりも高く売却できることもあれば、下回ることもあります。
少しでも高く売るためには、どのようにしたらよいのでしょうか。この章では希望価格で売却するためのコツを7つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
相場価格を把握して適正価格で売り出す
不動産会社によって得意とするエリアや強みが異なり、査定額が異なることがあります。
査定を依頼する前に、ある程度マンションの相場価格を把握しておきましょう。
不動産会社による査定額が適正なのか判断する材料になり、指値に応じるか決めるときにも役立ちます。
マンション価格が高すぎると売却までに時間がかかってしまい、現金化したい時期が決まっている場合などは、売却するために安くせざるを得なくなることがあります。
なるべく高く、そしてスムーズに売却したいのであれば、可能なかぎり適正価格で売り出すことが重要です。
不動産の繁忙期に合わせて売り出す
不動産は需要と供給の影響を受けやすく、需要がないときに売り出すと、売却までに時間がかかる可能性があります。
売却期間が長引くと「売れ残り物件」という印象を与えてしまい、結果的に値下げせざるを得ないケースも少なくありません。
なるべく多くの人が捜し求めている時期に売り出しましょう。
一般的に不動産の繁忙期といわれるのは1〜3月で、新生活や転勤、入学などのライフイベントに合わせて引っ越し需要が高まります。
タイミング的に難しい場合は、転勤の辞令などが出やすい9月や10月ごろを狙うのもおすすめです。
かならずしも値下げに応じる必要はない
売り出してすぐに購入申込書を受け取ったからといって、そのまま指値に応じて売却する必要はありません。
見極めが難しいところですが、相場価格を考慮しても安すぎると感じるときは、断ることも考えましょう。
もちろんすぐに断らず、こちらの希望の価格を伝えることもできます。
不動産は大きな金額のため値下げ交渉も数百万単位になることが多いですが、「逃した魚は大きかった」と思わずに済むように慎重に検討しましょう。
希望価格よりも高めに価格を設定しておく
売却価格は多くの場合、購入希望者との交渉で下がるため、最初は少し高めに設定しておきましょう。
実際、売り出し価格のまま成約するケースは少なく、値下げ交渉を前提に考えるのが現実的です。
想定していた金額よりも高く売れればプラスになりますし、価格交渉されたとしても、納得して応じられるでしょう。
上乗せの幅は、周辺相場や不動産会社の査定を参考にしながら、無理のない範囲で設定することが大切です。
マンション売却価格の最低ラインを決めておく
購入申込書を受け取ったときにすぐ返答できるように、マンション売却価格の最低ラインを決めておきましょう。
間違っても、住宅ローンが完済できないことがないように注意してください。
住宅ローンの残債がある場合は、決済時に受領した売買代金で完済することになります。
不足する場合は自己資金や買い替えローンなどで充当しなければなりません。
買い替える場合はとくに、綿密な資金計画を立てておきましょう。
ハウスクリーニングやホームステージングを実施する
一度の内覧で購入するか否かを決める買主が多いため、マンション売却は第一印象が重要です。
買主がリフォームすることを想定していたとしても、室内が汚れていると印象が悪くなり、成約につながりません。
なるべく不要な家財道具は処分しておき、室内の物を減らしておきましょう。整理整頓しやすくなり、部屋も広く見えます。
とくに水回りが汚れていると目につきやすいため、念入りな清掃をしておきます。綺麗にするのが難しい場合は、ハウスクリーニングを検討しましょう。
また、最近ではプロに家具の配置やインテリアの飾りつけを依頼し、モデルルームのような見栄えにしてもらう「ホームステージング」を利用する方が増えています。
費用はかかりますが写真映えが良くなるため、インターネット経由での反響増加が期待できます。
直接ホームステージング専門会社を探すか、不動産会社で紹介してもらえるか相談してみましょう。
内覧対応を改善する
内覧時の印象は、購入希望者の心を動かす大きなポイントです。
売主が同席する場合は、無理に売り込もうとせず、質問に丁寧に答える姿勢を心がけましょう。
不動産会社の担当者に任せる場合でも、事前にリフォーム履歴や住まいの魅力を共有しておくと、物件の良さをより的確に伝えてもらえます。
担当者が魅力を把握していれば、内覧時の説明に説得力が増し、購入希望者の印象もより良くなるでしょう。
丁寧で気持ちのよい対応ができれば、同じ価格帯の物件でも「ここに決めたい」と感じてもらえる可能性は高くなります。
マンションを値下げしても売却できないときの対処法

最後に、マンションを値下げしても、売却できないときの対処法を3つ紹介します。
一般媒介に切り替える
もし専任媒介契約(専属専任媒介契約)を選択していて売却できないときは、複数社に依頼できる一般媒介契約に切り替えてみましょう。
専任媒介契約を選択しても、他社と協力して売買契約を締結することはできますが、物理的に窓口を増やすことで、成約につながることもあります。

不動産会社を変える
3か月近く経っても売却できない場合は、不動産会社の変更を検討しましょう。
ただし、媒介契約の途中に売主の都合で解除した場合、それまでにかかった費用を請求される恐れがあります。
不動産会社の変更を希望するときは、媒介契約が終了するタイミングにその旨を伝えましょう。

買取で売却する
マンションを現金化したい時期が決まっている場合など、確実に売却したいときは「買取」による売却がおすすめです。
買取業者は、マンションを再販することを想定して買取価格を提示します。
そのため、買取価格は相場よりも2〜3割ほど低くなるのが一般的ですが、仲介手数料が不要で、短期間で現金化できる点がメリットです。
買取価格について折り合いがつけば、1週間程度で現金化できるケースもあります。
仲介での売却が難しい場合に備えて、買取の選択肢も視野に入れておきましょう。
マンション売却時の値下げに関するよくある質問

マンション売却時の値下げに関してよくある質問をまとめました。
「いつ値下げすべきか」「どれくらい下げるのが適切か」と悩む方は多いため、参考にしてみてください。
売却価格の相場を調べる方法は?
相場を調べるには、まず同じエリア・築年数・間取りのマンションがどのくらいの価格で売り出されているかを確認しましょう。
不動産情報サイトでは売出価格を検索でき、目安として活用できます。
より正確に知りたい場合は、複数の不動産会社に査定を依頼する方法がおすすめです。
机上査定だけでなく訪問査定も依頼することで、立地条件や部屋の状態を反映した実勢価格を把握できます。
値下げするメリット・デメリットは?
売却価格の値下げには、売却までにかかる期間を短縮できるメリットがあります。
価格を下げることで購入希望者の目に留まりやすくなり、内覧数や問い合わせ数が増えやすいでしょう。
一方、「安売りしている印象」を与えてしまう点は、値下げのデメリットです。
また、一度下げた価格を元に戻すのは難しいため、金額やタイミングは慎重に検討する必要があります。
不動産会社と相談しながら、需要動向を踏まえて判断しましょう。
値下げでよくある失敗例とは?
マンション売却の値下げでよくある失敗は、焦って値下げしてしまうケースです。
内覧が入らないからといってすぐに価格を下げてしまうと、購入希望者に「さらに下がるかもしれない」と思われる可能性があります。
値下げを検討する際は、不動産会社と相談しながら、周辺相場や反響状況をもとに効果的な下げ幅とタイミングを判断してください。
まとめ

マンションを売り出してもなかなか購入希望者が現れないと、不安に感じて値下げを考えるかもしれません。
しかしタイミングや値下げ額によっては、効果があまり感じられない可能性があるので注意が必要です。
また売れない理由は価格ではなく、室内の状態や閑散期であることが理由かもしれません。
本記事で解説した希望価格で売却するコツや対処法を参考にして、早期売却を目指しましょう。


