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    タワーマンションは売れない?売却が難しいといわれる理由と高く売るコツを解説

    タワーマンションはその立地や望める眺望がよく、そのステータスの高さから憧れのマンションと表現されることが多いものの、売却が難しいといわれることもあります。

    この記事では、タワーマンションの売却が難しいといわれる理由と、タワーマンションのメリット&デメリットを解説します。

    またタワーマンションを高く売るコツも解説しますので、これからタワーマンションの売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

    目次

    タワーマンションとは

    タワーマンションに明確な定義はありませんが、一般的に20階建て以上で高さが60ⅿを超える、タワー状のマンションをさします。また超高層マンションとを呼ばれることもあります。

    建築基準法では高さ60m超の建築物については、一般の耐震基準より厳しい基準を設けているため、構造耐力について高水準の構造物になっています。※1

    タワーマンションを売るのが難しいといわれる理由

    タワーマンションは立地や眺望が良く、共用施設が充実しており、一般的なマンションと比べるとその特徴がはっきりしています。したがって万人受けするとは言い難いのも事実です。

    タワーマンションは人気がある一方で、売却が難しいといわれることがありますが、その代表的ともいえる原因を3つ紹介します。

    売買価格や維持費が高いこと

    一般的なマンションよりも共用施設が充実しているうえ、その立地が良いことから売買価格や管理費、修繕積立金が高い傾向があります。そのため限られたターゲット層に対して売却活動を行う必要があり、その分売却が難しい可能性があります。

    地震時の揺れを懸念する人が多い

    タワーマンションは免震構造や制震工法など特殊な工法を採用しているケースが多く、地震の際に高層階ほど揺れが大きくなります。またその揺れは長時間続く可能性が高く、また停電時にエレベーターが使えないこともあり、地震が起きたときのことを心配する人が多い傾向にあります。

    大規模修繕時のコストが高い可能性がある

    タワーマンションはその高さゆえに、大規模修繕工事の際に一般的な足場は利用できません。特に高層階を工事する際には、最新の注意が必要となります。

    工事の難しさ、共用部分や共用施設部分が多いことも工期が長くなる原因となり、工事のコストが結果的に高くなることが予想されます。そのため大規模修繕時のコストや工事状況を懸念する人が一定数存在します。

    タワーマンションの売りどきはいつ?

    タワーマンションの大きな魅力の1つともいえる眺望は、大規模修繕工事中は飛散防止のメッシュシートで窓を覆われてしまうと、そのメリットをアピールできません。もし売却するのであれば、大規模修繕の時期と重ならないようにしましょう。

    売却するタイミングに余裕があるのであれば、大規模修繕工事後がおすすめです。外観や共用部分がきれいになり、大規模修繕工事中の煩わしさも回避できるので、買い手にとってメリットが大きくなるからです。

    ただし、大規模修繕後に修繕積立金が値上げすることもあります。マイナスポイントになる恐れがあるので、その値上げのタイミングには注意しましょう。

    タワーマンションが売れない、6つのデメリット

    まずタワーマンションの6つのデメリットを紹介します。

    • 管理費・修繕積立金が高い
    • ベランダに洗濯物は干せない
    • 停電したらエレベーターが使えない
    • 外出するのが億劫になる
    • 地震のときに震度が小さくても揺れる
    • 通信がつながりにくいことがある
    • 騒音やニオイのトラブルが起きやすい

    管理費・修繕積立金が高い

    マンションの規模に対して共用施設が多ければ多いほど、その分管理費や修繕積立金は高くなる傾向にあります。一般的にタワーマンションは便利な共用施設を備えていることが多く、その分管理費や修繕積立金は高くなることがデメリットといえます。

    国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(2021年9月改訂)によると、タワーマンション(一般的に地上 20 階以上のマンション)は、外壁等の修繕のための特殊な足場が必要になるほか、共用部分の占める割合が高くなるため、修繕工事費は増大すると説明しています。※2

    ベランダに洗濯物は干せない

    多くのタワーマンションは安全性を考慮して、管理規約にてベランダに洗濯物や布団を干すことを禁じているケースが多いのが現状です。

    美観上の問題もありますが、小さな洗濯物であっても高層階から落下することによって、通行人等に危害を加える可能性があるからです。

    タワーマンションでは洗濯物を乾かす場合、乾燥機を使うか、室内干しをしなければなりません。洗濯物や布団を天日干ししたい人にとっては、大きなデメリットになるでしょう。

    停電したらエレベーターが使えない

    停電時はもちろんですが、大地震や火災などの災害時は安全を考慮して、エレベーターが使えなくなります。(高さ31m以上の建築物に設置が義務づけられている非常用エレベーターは、停電時でも予備電源で作動します)

    高層階であればあるほど階段を上り下りするのに苦労するため、停電時や災害時は高層であることがデメリットになります。

    ちなみに部屋数に対してエレベーターが少ないタワーマンションや、高層階・中層階専用エレベーターを設けていない場合は、平日の通勤・通学時間帯に混雑するケースがあり、想定以上に外出するのに時間がかかってしまうケースがあります。

    駅に近い立地であってもそのメリットを生かせないこともあるので、エレベーターの個数や専用エレベーターの有無などに注意が必要です。

    外出するのが億劫になる

    タワーマンションは、一般的に玄関を出てから共用のエントランスまでの距離が長いことが多く、またエレベーターの待ち時間を含めると外に出るまでに時間がかかる傾向にあります。したがって、外出するのが億劫になる人も少なくありません。

    最近では買い物も食事も宅配サービスが充実しているため、ただでさえ外出する機会が減っている今、タワーマンションに住むことによって運動不足を助長する恐れがあります。

    地震のときに震度が小さくても揺れる

    タワーマンションは免震構造や制震工法などが採用されており、一般的なマンションよりも耐震性能の高い特殊な工法を利用しています。

    しかし建物も揺れることによって地震のエネルギーを逃がすため、一般的なマンションと同様に揺れます。そして高層階になればなるほど揺れは大きくなり、揺れる時間も長くなります。

    タワーマンションは地震の規模が小さくてもその揺れを感じやすいため、揺れに対して敏感な人は、日常的に揺れているような感覚になるため、ストレスに感じる可能性があります。

    通信がつながりにくいことがある

    マンションが光回線を利用する場合、最寄りの電柱から1本の光回線をマンションの共有部に引き込むことになります。

    1本の光回線をさらに各住戸の契約者へ分岐させるため、利用状況にもよりますが、戸建てよりもマンションのほうが速度は遅くなります。

    リモートワークが増えたこともあり、以前よりネットを利用する住戸は増えています。ネット環境を重視する人にとっては、ストレスを感じるレベルかもしれません。

    また携帯電話の電波についてですが、基本的に電波は下方向に向かって出ているため、高層階には基地局からの電波が届きにくいことがあります。

    携帯各社は基地局の電波を上向きにするなどの対策をしており、改善されているケースもあります。

    騒音やニオイのトラブルが起きやすい

    一般的なマンションは「湿式壁」といわれる鉄筋コンクリート構造を採用しており、比較的遮音性能が高いのが特徴です。一方で、タワーマンションは建物の軽量化をするために、石膏ボードなどに吸音材や耐火材を合わせたボードを組み立てる「乾式壁」を採用しています。

    一般的なマンションと比べるとタワーマンションの構造は音が伝わりやすいため、騒音トラブルの原因になることがあります。

    またタワーマンションは建物内に共用の廊下を設けているケースが多く、建物の外側に廊下を設けているタイプに比べて、ニオイや湿気がこもりやすいのが特徴です。

    タワーマンションは騒音やニオイのトラブルが起きやすいため、対策が必要になることがあります。

    タワーマンションの5つメリット

    タワーマンションの代表的ともいえる、5つのメリットを紹介します。

    • ステータスが高いこと
    • 眺望や採光が良いこと
    • 共用施設やサービスが充実している
    • セキュリティ体制が充実している
    • 利便性が高い立地にあることが多い

    ステータスが高いこと

    タワーマンションは街の再開発エリアに建設されるケースが多く、完成前からニュースで取り上げられるなど、街のランドマークとして注目されることが多いのが特徴です。

    高層階から望める眺望や特徴的な外観、豪華なエントランス、便利な共用施設などから得られるステータスの高さが魅力です。

    タワーマンションにはコンシェルジュが常駐しているケースもあります。日々の暮らしが便利になるだけでなく、タワーマンションの象徴ともいえる優越感を感じられるサービスです。

    眺望や採光が良いこと

    タワーマンションから望める眺望や採光は、大きなメリットの1つです。タワーマンションの建設にはある程度敷地が必要になるため、比較的周囲に余裕があることが多く、低層階であっても眺望や採光を期待できます。もちろん高層階になればなるほど、眺望や採光はよくなります。

    タワーマンションの立地によっては住戸の窓から富士山や東京タワーなどを眺めることができ、その景色を手に入れるために購入する人も少なくありません。

    共用施設やサービスが充実している

    タワーマンションは住戸数が多く、共用施設やサービスが充実している傾向にあります。例えばキッズスペースや居住者専用のトレーニングルーム、温浴施設などの設備や、コンシェルジュが常駐しているケースがあります。

    同じ建物内にテナントや商業スペースがある場合もあり、外出せずに買い物できるタワーマンションもあります。日々の生活が便利で、楽しくなるような施設があることは魅力の1つです。

    セキュリティ体制が充実している

    タワーマンションは、セキュリティ体制が充実しているのが特徴です。エントランスには基本的にオートロックがあり、スマホを使ったスマートキーやICチップ付きのカードキー、顔認証システムを導入しているケースもあります。

    セキュリティシステムはエントランスだけではありません。訪問者が訪問先以外のフロアに立ち入ることができないようになっているシステムがエレベーターに導入されているマンションもあります。他にも防犯カメラの設置、24時間オンラインセキュリティシステムなどを採用しているケースが多いです。

    利便性が高い立地にあることが多い

    タワーマンションは再開発エリアに建設されるケースが多く、駅に近い立地や周辺に便利な商業施設が集まっていることがメリットです。

    タワーマンションが駅直結型のケースや、同じ建物内にテナントや商業施設が揃っていることもあり、交通や生活の利便性が高いことが魅力です。

    タワーマンションを高く売却するコツ

    売却が難しいと評価されることもあるタワーマンションを高く売るためには、どのようなポイントを押さえたらよいのでしょうか。

    ここでは、タワーマンションを高く、そしてスムーズに売却するためのポイントを4つ紹介します。

    • 同じタワーマンション内で売出し中の物件があるか調べる
    • タワーマンションを分譲した不動産会社に相談する
    • 複数の不動産会社に査定依頼する
    • 内覧者にタワーマンションのメリットを正しく伝える

    同じタワーマンション内で売り出し中の物件があるか調べる

    タワーマンションは戸数が多いことが多いため、売却を検討するときに複数の住戸が売りに出ていることがあります。

    まずは売り出し中の物件の有無とその価格、所在階などを確認し、自宅がいくらぐらいで売却できるのかイメージしましょう。売り出し中の物件がない場合などは、宅地や土地建物、マンションの成約事例を、時期や地域を指定して調べることができる「土地総合情報システム」やマンションと戸建ての成約価格を地域や条件を指定して検索することができる「レインズ」のサイトで調べるとよいでしょう。

    事前に相場価格がある程度把握できれば、不動産会社の査定額が妥当なのかおおよそ判断することができます。売り出し価格は高すぎても売れにくくなりますが、売り出し中の物件よりも安く設定する必要はありません。

    また住宅ローンの残債額も確認し、売却によって完済できるかも確認しておくとスムーズです。

    タワーマンションを分譲した不動産会社に相談する

    タワーマンションを売却するのであれば、まずタワーマンションを熟知している不動産会社に相談しましょう。

    分譲したデベロッパーのグループ会社には、不動産会社(仲介会社)もあることが多いため、まずは分譲会社へタワーマンションの売却を相談することをおすすめします。

    新築のタワーマンションだけでなく、同じ分譲会社の中古タワーマンションも候補に入れている顧客を保有しているケースがあり、その場合はスムーズな売却を期待できます。

    複数の不動産会社に査定依頼する

    不動産会社によって、タワーマンションの査定額が異なることもあります。なるべく複数社に査定依頼するようにし、査定額を比較してから依頼先を決定しましょう。

    しかし査定額が高いことだけで、依頼先を選ばないようにしてください。査定額はあくまでも査定額です。その金額で売却できる保証はありません。査定の根拠を正しく説明している不動産会社を選ぶようにし、また担当者との相性も重視しましょう。

    内覧者にタワーマンションの魅力やメリットを正しく伝える

    タワーマンションには、一般的なマンションでは得られないメリットや特徴があります。基本的には不動産会社の担当者が対応しますが、購入希望者が内覧する際には、住んでいるからこそ分かる魅力や特徴を正しく伝えましょう。

    内覧前に室内を清掃し、なるべく整理整頓した状態で内覧に応じましょう。内覧者はタワーマンションに少なからず憧れを抱いているため、イメージと異なる室内を見て幻滅してしまう恐れがあります。

    清掃が難しい場合は、ハウスクリーニングを利用する方法もあります。基本的にリフォームをする必要はありませんが、汚れの程度によってはリフォームするのも1つの方法です。しかし独断で決めず、不動産会社の担当者と相談してみましょう。

    タワーマンションが売れない場合に注意すべきこと

    引渡し後にトラブルになる可能性があるため、メリットだけでなくデメリットも丁寧に説明することをおすすめします。

    マイナスポイントになることは、伝えたくないと思うのが正直なところです。しかし故意に伝えず、契約で定めた内容と異なることが判明した場合は、契約不適合責任を請求される可能性があります。

    内容にもよりますが、損害賠償責任や売買価格の減額請求、契約解除を請求される恐れもあります。デメリットと思えることも、正しく伝えるようにしましょう。

    メリットを正しく伝えて、なるべく高く・スムーズに売却しよう。

    タワーマンションは、一般的なマンションと異なる特徴を持っています。それゆえに売却が難しいといわれることもありますが、そのメリットや資産価値を理解してもらえれば、高値かつスムーズに売却することも可能です。

    タワーマンションを売却する場合、不動産会社選びは重要です。複数社に査定依頼し、タワーマンションの売却実績が豊富な不動産会社を選ぶようにしましょう。


    ※1:建築基準法
    ※2:国土交通省、マンションの修繕積立金に関するガイドライン

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