税金がかからないマンション売却とは?控除や各費用も解説

マンション売却は大きな金額が動くため、税金の負担も大きくなりがちです。

「税金かからないようなケースがあれば知りたい」と考え、調べている人も少なくないでしょう。

この記事では、マンション売却における以下のポイントを解説します。

  • 税金がかからないケースはあるのか
  • 譲渡所得税の計算方法
  • 使える特例や控除
  • 譲渡所得税以外にかかる費用

マンション売却にかかる税金を抑えて、余裕のある新生活を始めましょう。

目次

マンション売却で税金がかからないケースはあるの?

マンション売却では、税金がかからないケースがあります。

ただ、すべての税金がなくなるわけではありません。

ゼロになる可能性がある税金は「譲渡所得税」です。

譲渡所得税は、マンションなどの不動産を売却した際の利益にかかります。

所得税・住民税・復興特別所得税の3つをまとめたものです。

譲渡所得税は、マンションの所有年数によって「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」にわけられます。

  • マンションの所有年数が5年以下の場合:短期譲渡所得
  • マンションの所有年数が5年超えの場合:長期譲渡所得

譲渡所得税の税率は、以下のとおりです。

所得税住民税復興特別所得税合計
長期譲渡所得15%5%0.315%(15%×2.1%)20.315%
短期譲渡所得30%9%0.63%(30%×2.1%)39.63%
※ 国税庁、長期譲渡所得の税額の計算
※ 国税庁、短期譲渡所得の税額の計算
※ 2037年までは復興特別所得税として、各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と合わせて申告し、納付することになります。

表からわかるように、マンションを取得してから5年を超えて売却したほうが、税率は低くなります。

譲渡所得税を納めるタイミングは、以下のとおりです。

  • 所得税・復興特別所得税の分:マンション売却の翌年におこなう確定申告の期間中
  • 住民税の分:マンションを売却した翌年の6月以降

譲渡所得税はマンション売却の利益にかかるものであるため、売却で利益が発生しなかった場合は、納める必要はありません。

また特例を活用すれば、譲渡所得税が控除される可能性があります。

マンション売却にかかる税金「譲渡所得税」の計算方法

「マンション売却では、譲渡所得税がかからないケースがある」と言われても、どのように計算する税金なのかピンとこない人も多いでしょう。

この章では、譲渡所得税の計算方法を紹介します。

譲渡所得税は「課税譲渡所得」に、先ほど紹介した「税率」をかけて計算します。

たとえば、購入してから15年が経っているマンションを売却する場合、譲渡所得税の計算式は以下のとおりです。

譲渡所得税 = 課税譲渡所得 × 長期譲渡所得の税率20.315%

また課税譲渡所得の計算は、少し複雑になります。

「取得費」と「譲渡費用」を計算したうえで、2つの合計額をマンションの売却代金から差し引きます。

さらに控除がある場合は、その額の分も差し引いて計算します。

計算式で表すと、以下のとおりです。

課税譲渡所得 = マンションの売却代金 – ( 取得費 + 譲渡費用 ) – 控除額

取得費と譲渡費用について、どのような費用なのかを詳しく見ていきましょう。

取得費とは何か

取得費とは、名前のとおり「売却したマンションの取得時(購入時)にかかった費用」のことです。

具体的には、以下のような費用の合計額を指します。

  • マンションの購入代金
  • マンション購入時の税金や仲介手数料
  • マンション購入後に追加した設備の費用
  • リフォームにかかった費用

取得費に含められるリフォーム費用は、マンションの価値向上を目的としたものに限られます。

修繕費用は取得費に含められません。

土地を除いた建物の取得費については、時間の経過による価値の減少を踏まえて、「減価償却費」を差し引きます。

減価償却費の計算式は、以下のとおりです。

減価償却費 = 建物の取得費 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

償却率は、建物の構造によって決まります。

マンションでよく見られる鉄筋コンクリート造の場合、償却率は0.015です。

また取得費がわからない場合は、マンションの売却代金の5%を取得費として計算することができます。

譲渡費用とは何か

譲渡費用とは、「マンションの売却に直接的にかかった費用」のことです。

以下のような費用を合計します。

  • 不動産会社に支払った仲介手数料
  • 自らが負担した印紙税

マンションの修繕費用や、新居への引っ越し費用は「売却にかかる直接的な費用」ではないため、譲渡費用には含まれません。

取得費と譲渡費用の合計額がわかったら、マンションの売却代金から差し引いて、課税譲渡所得を計算しましょう。

課税譲渡所得が計算できれば、譲渡所得税もわかります。

また特例を活用すると、控除によって譲渡所得税が下がる、またはゼロになります。

特例については、次の章で詳しく解説していきます。

マンション売却で使える特例【税金の控除】

マンション売却で使える主な特例は、以下の4つです。

  • マイホームを売ったときの軽減税率の特例
  • 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
  • 特定の居住用財産の買換えの特例
  • マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

いずれも、マンション売却にかかる譲渡所得税が下がる特例です。

特例は、確定申告をおこなうことで適用されます。

確定申告の期間は、マンションを売却した翌年の2月16日〜3月15日です。

サラリーマンの場合も、年末調整ではなく確定申告をおこなう必要があります。

マンション売却の特例は名称が長いうえに、適用条件が細かいため、ややこしく感じるかもしれません。

ただ、節税効果が大きいので1つずつ理解していきましょう。

マイホームを売ったときの軽減税率の特例

「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を活用すると、譲渡所得税の税率が低くなります。※1

特例適用時の税率は「14.21%(所得税10%・住民税4%・復興特別所得税2.1%)」です。

ただし、軽減税率が適用されるのは、課税譲渡所得が6,000万円以下の部分に限られます。

「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」の適用条件は、以下のとおりです。

項目適用条件
マンションの所在地日本国内にある
マンションの用途自身が住んでいる(または3年以内に住んでいた)
マンションの所有期間10年を超えている(売却する年の1月1日時点で)
マンションの買い手特別な関係がある人以外
同特例の利用状況売却した年の前年・前々年に利用していない
ほかの特例の利用状況売却した年の前年・前々年に利用していない

マンションの買い手における適用条件の「特別な関係がある人」とは、以下のような人を指します。

  • 親子・夫婦
  • 生計を共にする親族
  • マンションの売却後、売却したマンションで同居する親族
  • 内縁関係にある人
  • 特殊な関係のある法人(株主の親族など)

また「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」は、ほかの特例と併用ができません。

ただし例外として、次に解説する「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」のみ、併用できます。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を活用すると、譲渡所得税に対して最高で3,000万円の控除が受けられます。※2

つまり譲渡所得税が3,000万円以下であれば、特例によって譲渡所得税がゼロになるのです。

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」の適用条件は、以下のとおりです。

項目適用条件
マンションの用途自身が住んでいる(または3年以内に住んでいた)
マンションの買い手特別な関係がある人以外
同特例の利用状況売却した年の前年・前々年に利用していない
ほかの特例の利用状況売却した年の前年・前々年に利用していない

「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を除き、ほかの特例とは併用できません。

特定の居住用財産の買換えの特例

「特定の居住用財産の買換えの特例」は、マンションを売却し、ほかの不動産に買い替えた場合に使えます。※3

譲渡所得税が控除されるものではなく、納税するタイミングを先延ばしにできる特例です。

先延ばしにした譲渡所得税は、新たに購入した不動産を売却する際に納めることになります。

そのため、マンション売却時における譲渡所得税の負担はなくなります。

売却するマンションや、売却する人における「特定の居住用財産の買換えの特例」の適用条件は、以下のとおりです。

項目適用条件
所在地日本国内にある
用途自身が住んでいる(または3年以内に住んでいた)
居住期間10年以上
所有期間10年を超えている(売却する年の1月1日時点で)
売却代金1億円以下
買い手特別な関係がある人以外
同特例の利用状況売却した年の前年・前々年に利用していない
ほかの特例の利用状況売却した年の前年・前々年に利用していない

また、新たに購入する不動産は、以下の条件を満たす必要があります。

項目適用条件
所在地日本国内にある
購入時期マンションを売却した年の前年から翌年までの3年間
居住開始時期①売却した年orその前年に購入した場合 →売却した年の翌年12月31日まで②売却した年の翌年に購入した場合 →購入した年の翌年12月31日まで
建物の床面積50平方メートル以上
土地の面積500平方メートル以下

上記以外にも、耐震基準や省エネ基準など、細かい条件が設定されています。

詳しく知りたい場合は、国税庁のホームページをご確認ください。

また「特定の居住用財産の買換えの特例」は、2023年12月31日までにマンションを売却することが、適用条件の1つでした。

しかし期限が2年延長されたため、2025年12月31日までの売却であれば、特例適用の範囲となります。

マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」は、マンションを売却し、ほかの不動産に買い替えた際に、損失が出たら使えます。※4

損失が出た場合、売却による利益はないため、譲渡所得税はかかりません。

そのため損失分は、譲渡所得税ではなく、給与所得や事業所得から控除されることになります。

「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の適用条件は、以下のとおりです。

項目適用条件
マンションの所在地日本国内にある
マンションの用途自身が住んでいる(または3年以内に住んでいた)
マンションの所有期間5年を超えている(売却する年の1月1日時点で)
マンションの買い手特別な関係がある人以外
同特例の利用状況売却した年・前年以前の3年以内に利用していない
ほかの特例の利用状況売却した年の前年・前々年に利用していない

新たに購入する不動産は、以下の条件を満たす必要があります。

項目適用条件
所在地日本国内にある
購入時期売却した年の前年1月1日から翌年12月31日までの間
居住開始時期購入した年の翌年12月31日まで
建物の床面積50平方メートル以上
住宅ローン購入した年の12月31日において、償還期間が10年以上ある

2025年12月31日までにマンションを売却することも、「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の適用条件の1つです。

もともとは2023年12月31日まででしたが、2年延長されました。

マンション売却にかかる「譲渡所得税以外の」費用

マンションの売却には、譲渡所得税以外にもさまざまな費用がかかります。

「想定よりも手元にお金が残らなかった…!」と後悔しないように、どのような費用がかかるのかを把握しておきましょう。

マンション売却にかかる税金としては、「登録免許税」と「印紙税」が挙げられます。

税金以外にかかる主な費用は、以下のとおりです。

  • 仲介手数料
  • 司法書士への報酬
  • 新居への家具家電の運搬費用
  • 各種手数料

それぞれの概要や、おおよその金額など、詳しく解説していきます。

登録免許税

マンション売却における「登録免許税」は、マンションに付いている抵当権を外す際の「登記」にかかる税金です。

1つの不動産の登記につき、1,000円の登録免許税がかかります。

土地と建物は、それぞれ1つの不動産としてカウントされるため、実際に納める登録免許税は2,000円です。

建物が2つの土地にまたがっている状態であれば、土地で2つ、建物で1つとカウントされ、合計3,000円になります。

マンションの場合、土地を所有している感覚はないかもしれませんが、土地の部分にも抵当権が設定されているのです。

印紙税

「印紙税」は、マンションの売買契約書を作成する際にかかる税金です。

以下のように、マンションの契約金額(売却代金)に応じて、印紙税の額が変わります。

記載された契約金額税額軽減後の税額(2024年3月31日まで)
10万円超50万円以下400円200円
50万円超100万円以下1千円500円
100万円超500万円以下2千円1千円
500万円超1,000万円以下1万円5千円
1,000万円超5,000万円以下2万円1万円
5,000万円超1億円以下6万円3万円
1億円超5億円以下10万円6万円
※ 国税庁、不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

2024年3月31日までに作成された売買契約書であれば、印紙税に軽減税率が適用されます。

仲介手数料

「仲介手数料」は、マンションの媒介契約を結んだ不動産会社に支払います。

マンションの売却をサポートしてくれたお礼金です。

仲介手数料の上限は、以下の式で計算します。

仲介手数料 = マンションの売却代金 × 3% + 6万円 + 消費税

たとえば、マンションの売却代金が3,000万円の場合、仲介手数料の上限は105.6万円になります。

司法書士への報酬

マンション売却では、一般的に登記の手続きを司法書士に依頼します。

依頼内容によって変わりますが、司法書士への報酬額は1万円〜3万円ほどです。

司法書士以外の専門家にも頼った場合、それぞれに報酬を支払う必要があります。

考えられるケースは、以下のとおりです。

  • マンション売却でトラブルが発生したため、弁護士に依頼して解決してもらった
  • 税金でわからないことがあり、税理士に相談してアドバイスをもらった

登記のことなら司法書士、法律のことなら弁護士など、依頼内容によって適した専門家が異なります。

新居への家具家電の運搬費用

マンションを売却して、新しい住まいに移る際には、家具家電の運搬を引っ越し業者に依頼するのが一般的です。

荷物の量やシーズン、移動距離によっては、料金が高くつくことがあります。

とくに2月〜4月は引っ越しシーズンのため、料金設定が高くなりやすいです。

1回の引っ越しで20万〜30万ほどかかってしまうこともあります。

少しでも費用を抑えたい場合は、引っ越しシーズンを避けて移動したほうが良いでしょう。

各種手数料

マンション売却に必要な手続きのなかには、以下のように手数料がかかるものがあります。

手続き手数料の目安
住民票の発行300円
印鑑証明書の発行300円
登記簿謄本(登記事項証明書)の発行600円
住宅ローンの繰り上げ返済1万円〜2万円

手続き方法でオンラインを選択すると、手数料が安くなるケースもあります。

仲介手数料などに比べると少額ですが、新生活のためにも、削れる費用は削っていきましょう。

まとめ

マンション売却では、利益が発生しなかったり、特例を活用したりすると、譲渡所得税がかからない可能性があります。

特例の適用条件は複雑ですが、節税のためにも理解しておきましょう。

特例によって譲渡所得税が控除された場合は、サラリーマンであっても確定申告をおこなう必要があります。

確定申告の期間は、マンションを売却した翌年の2月16日〜3月15日です。

また、マンション売却には譲渡所得税のほかにも、さまざまな費用がかかります。

「何がどのくらいかかるのか」を把握したうえで、売却後の資金計画を立てることが大切です。

不動産会社にも相談しながら、抑えられる費用は抑えていきましょう。


※1:国税庁、No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
※2:国税庁、No.3302 マイホームを売ったときの特例
※3:国税庁、No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
※4:国税庁、No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

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