運用残高は約294兆円。日本最大の投資家「GPIF」が外貨建て資産に投資する理由とは?

2026/07/22コラム
運用残高は約294兆円。日本最大の投資家「GPIF」が外貨建て資産に投資する理由とは?

GPIFは、294兆円を運用する「日本最大の投資家」

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、日本の公的年金(国民年金・厚生年金)の積立金を運用する機関です。

その運用資産残高は約294兆円(2025年12月末時点)に達し、単一の機関投資家として世界最大規模を誇ります。私たちが毎月支払う年金保険料の一部がGPIFに集められ、将来の給付に備えて長期的に運用されています。

GPIFのポートフォリオは、4つの資産クラスにほぼ均等に分散されています。国内債券・外国債券・国内株式・外国株式、それぞれ約25%ずつです。

注目すべきは、外貨建て資産(外国債券+外国株式)の合計が全体の約50%を占めていることです。日本を代表する機関投資家が、運用資産の半分を外貨で持っているという事実は、外貨建て投資の重要性を端的に示しています。

image2.pngなぜ外貨建て資産を半分持つのか

では、なぜGPIFは運用資産の約半分を外貨建てにしているのでしょうか。その答えは、投資の世界で最も基本的かつ重要な原則である「分散投資」にあります。

国内資産だけに集中させると、日本経済や日本円が弱くなったときに、資産全体が一緒に値下がりするリスクがあります。一方、外国の株式や債券を組み合わせることで、「日本がダメでも海外でカバーできる」状態を作ることができます。

これは「卵を一つのカゴに盛るな」という古典的な投資格言がそのまま実践されている形です。さらに、GPIFが外貨資産を持つもうひとつの理由は「通貨分散」です。

日本円が大幅に円安になった場面では、外貨建て資産の円換算額は逆に増加します。円安時の資産目減りをカバーするヘッジとして機能するのです。

日本の家計に目を向けると、金融資産のうち約52%が現金・預金に集中しており(日本銀行「資金循環統計」)、外貨建て資産の比率は極めて低い水準にとどまっています。

一方で米国の家計は現預金比率が約13%、外貨・株式などへの分散が進んでいます。GPIFが実践している「外貨建て資産を含む分散投資」は、個人の資産形成においても参考にできる考え方です。

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GPIFから見る、長期分散投資の「成果」

「分散投資が大事」とはよく言われますが、実際にどれほどの成果を上げてきたのでしょうか。GPIFのデータがその答えを示しています。

2001年度の市場運用開始以降、GPIFの累積収益額は約196兆円(年率+4.71%)にのぼります。市場の上昇局面だけでなく、リーマンショックや新型コロナウイルスによる相場急落など、様々な荒波を乗り越えながらも、長期で見れば着実にプラスの収益を積み上げてきました。

これは、特定の資産やタイミングに賭けるのではなく、分散投資を長期間続けることの力を証明するデータです。

もちろん、GPIFはプロの運用機関であり、個人投資家と同じ条件で運用しているわけではありません。ただ、「外貨建て資産を含む分散投資を長期間続ける」という基本的な考え方は、個人にとっても応用できます。

全資産をGPIFと同じ比率にする必要はありませんが、「資産の一部を外貨建てに振り向ける」という発想は、GPIFのアプローチから学べる現実的な知恵です。

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※本コラムは情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。


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