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    不動産売却で起こりやすい5つのトラブル例と対処法を解説

    不動産売却は扱う金額が大きく、また法律がからむ取引になります。些細なことだとしても、のちに大きなトラブルに発展することがあるため、慎重に進めなければなりません。

    不動産を売却する上で問題になりそうなことを事前に把握し、不動産取引のルールや法律を理解しておくことで、トラブルを最小限にとどめることができます。

    この記事では、不動産売却で起こりやすいトラブル例と対処法を解説します。困ったときの相談窓口も紹介しますので、ぜひお役立てください。

    目次

    不動産を売却する前に知っておきたいトラブル例とは?

    不動産を売却するときに、トラブルが発生するのはどのようなときなのでしょうか。まず5つの例を紹介します。

    • 契約不適合責任
    • 境界明示義務
    • 住宅ローン特約による解除
    • 仲介手数料以外の手数料請求
    • 囲い込み

    契約不適合責任

    たとえば売買契約書に土地面積を30坪(公簿面積)と記載していたのにもかかわらず、引渡し後の測量により25坪しかないことが判明した場合、売主は契約不適合責任を負います。※1

    昔の測量は現在の測量よりも精度が低く、測量し直すと差異が生じることがあります。また縄伸びといって、登記簿上の面積よりも実際の面積の方が大きいこともあります。

    土地が小さいことで買主が希望していた建物を建てられず、本来の目的を達せられない場合、解除される可能性があるため注意が必要です。

    土地や戸建てを売却する際は、事前に境界の有無を確認しましょう。また測量図がない場合は、確定測量を行うことで、このようなトラブルを避けることができます。

    境界明示義務

    売主は境界を明示する義務があります。たとえば隣地所有者と、境界の位置について認識が異なる場合はどうでしょうか。※2

    前述の通り買主へ引き渡す前に境界確定測量をすることで、境界の位置を明示することができます。

    たとえば隣地と折り合いがつかなかった場合は境界が確定せず、引渡しの期日までに間に合わないかもしれません。

    決済日に間に合わなければ、買主から損害賠償責任を請求されるおそれがあります。なるべく早い段階で境界確定測量を土地家屋調査士(測量会社)に依頼するようにしましょう。

    住宅ローン特約による解除

    買主が住宅ローンを借り入れて購入する場合は、通常住宅ローン特約をつけることになります。買主が売買契約後に住宅ローンの本申込みをして審査が通らなかったときには、契約を解除できるという特約です。

    買主は手付金を放棄する必要もなく、違約金も発生しません。つまり契約を白紙にできる特約です。したがって売主は予定していた決済日までに、売買代金である現金を手にすることはできません。

    たとえば家の売却代金を新居の購入費用に充てる予定の場合は、万が一に備え買主のローン特約期日以後に契約するようにしましょう。

    仲介手数料以外の手数料請求

    仲介手数料は売買契約が成立したことに対する成功報酬で、売却までにかかる広告費や交通費など含まれる費用です。

    不動産会社によっては広告宣伝費などと説明し、仲介手数料以外の手数料を請求する事例もあるようです。(ただし売主が特別に依頼した広告については、その費用を請求される可能性はあります。)

    もし仲介手数料以外に費用を請求された場合は、国民生活センターや不動産会社の本社が所在する地域の行政機関に相談してください。

    囲い込み

    囲い込みとは、不動産会社が売主・買主から手数料を得るために(両手成約)、他の不動産会社からの購入申し込みを受けないことを意味します。

    成約までに時間がかかる可能性や、売買価格が下がるおそれもあり、売主の利益に反します。本来は許されない行為ですが、自社の利益のために囲い込みする悪徳業者は存在します。

    もし囲い込みの可能性があると感じたら、問い合わせ状況や進捗を確認するようにし、不動産会社に任せきりにしないようにしましょう。

    またレインズに登録したことを証明する、登録証明書を提示してもらうことで、少なくともレインズに登録していることを確認できます。

    ちなみに専任媒介契約もしくは専属専任媒介については、一定期間内にレインズへの登録が義務付けられていますが、一般媒介契約の場合登録は任意です。

    不動産会社の選定も重要

    家を売却する際は、不動産会社の選定が重要です。かならず複数社に査定依頼し、比較したうえで依頼先を決定するようにしてください。

    不動産会社の実績や特徴を確認する

    不動産会社によってマンション売却が得意な会社もあれば、自社物件の戸建て販売に力を入れている会社もあります。

    たとえばマンションを売却するのであれば、マンション売却実績が多い不動産会社に相談しましょう。市場や需要を把握しているため適正価格を提示してもらうことができ、またノウハウの蓄積があるため、適切な提案をしてもらうことができます。

    不動産会社だけでなく担当者の経験やスキルも確認する

    不動産会社だけでなく、担当者のスキルや相性もぜひチェックしてください。不動産売却はスピードが重要です。大切な場面で誤った判断をすると、トラブルになることがあります。

    また担当者にスキルが備わっていたとしても、コミュニケーションがうまくできないと、お互いの認識に違いが生じることもあります。依頼先を選ぶときは、ぜひ相性も重視してください。

    複数社に査定依頼する

    「不動産会社や担当者を選ぶ基準がわからない」と思うかもしれませんが、複数社に査定依頼して比較することで、おのずと依頼すべき相手が見えてくるものです。

    「丁寧に調査されていて、査定の根拠が分かりやすい」「担当者が信頼できる」と感じる不動産会社に依頼しましょう。

    不動産取引の知識を身につける

    不動産を売却する予定であれば、ある程度不動産取引の知識を身につけておきましょう。この章では、最低限知っておきたい不動産用語やルールを紹介します。

    • 契約不適合責任
    • 手付解除と住宅ローン特約による解除の違い
    • 3つの媒介契約

    契約不適合責任とは?

    契約不適合責任とは、売主は契約で定めた状態や数量で買主に引き渡さなければならず、もし異なる状態であった場合は、売主は買主に対して責任を負わなければならないという責任です。※3

    2020年4月1日の民法改正前は、瑕疵担保責任と呼ばれていましたが、現在は契約不適合責任といいます。

    また以前は「契約解除」と「損害賠償請求」の2つが認められていましたが、民法改正により現在は以下の5つの請求ができるようになりました。

    追完請求

    契約で定めた内容になるように請求すること。

    代金減額請求

    売買代金の減額を請求すること

    催告解除

    催告のうえ契約解除を請求すること

    無催告解除

    契約の履行ができないことが明らかなときに、催告せず解除を請求すること

    損害賠償請求

    売主の過失や故意により不具合などがあり、それが原因で損害が生じたときに損害賠償請求すること

    このように契約解除と損害賠償請求以外の請求できるようになったため、民法改正により解決方法にもバリエーションができました。

    手付解除と住宅ローン特約による解除の違いとは?

    手付解除と住宅ローン特約による解除は、売買契約を解除する方法ですが、条件や特徴が異なります。それぞれ以下の通りです。

    • 手付解除

    相手側が契約に着手するまでは、買主は手付金を放棄することで契約を解除でき、売主は買主から受領した手付金を返還し、それと同額を支払うことで契約を解除できる

    • 住宅ローン特約による解除

    買主が住宅ローンを借り入れて不動産を購入するときに付ける特約。あらかじめ定めた期日までに住宅ローンの審査が下りなかったときは契約を解除できる。なお買主は手付金を放棄する必要はなく、違約金も発生しない

    手付解除にはペナルティがありますが、住宅ローン特約による解除にはペナルティがありません。買主の住宅ローンの審査が下りるまでは、契約が不安定な状況であることを忘れないようにしましょう。

    3つの媒介契約とは?

    不動産会社へ売却を依頼する場合は、媒介契約を締結することになります。1社に依頼するときは、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約になり、複数社に依頼するときは一般媒介契約です。通常3ヶ月間の期間を定めて契約します。

    たとえば途中での解約は可能ですが、契約期間中に売主の都合で解約する場合、それまでにかかった広告宣伝費や交通費を請求される可能性があります。

    また専任媒介契約を締結しているのにもかかわらず、他者へ依頼して成約に至った場合は契約違反になり、違約金を請求されることになります。それぞれ条件や特徴が異なりますので、よく理解したうえで選ぶようにしましょう

    一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
    複数社との契約××
    指定流通機構(レインズ)への登録任意義務(7営業日以内)義務(5営業日以内)
    不動産会社の売主への業務報告任意義務2週間に1回以上義務1週間に1回以上
    自己発見取引(売主が自ら発見した相手との契約)×
    必ず媒介契約を結んだ不動産会社を介して契約する必要あり
    契約有効期間法律上の制限なし3ヶ月以内3ヶ月以内
    ※ 全日本不動産協会、一般媒介契約
    ※ 媒介契約とは?

    売買契約書で不明な点があれば事前に確認する

    売買契約書には、聞きなれない言葉や言い回しが書かれているかもしれません。不明点があれば契約書に署名する前に確認し、あいまいな認識のまま契約しないようにしてください。

    売買契約書の表だけでなく裏面もよく読む

    売買契約書には物件の所在や土地面積など、不動産の概要や売買代金などの基本的な内容以外に、約款が記載されたページ(裏面など)があります。

    通常細かい字で記載されていますが、必ず理解するようにし、不明点があればその場で解消するようにしてください。

    特約事項として記載された内容を確認する

    売買契約締結に際して、約款によって定められていない内容は、特記事項として記載することがあります。

    たとえば、契約不適合責任については免除にする条件だったのにも関わらず、特記事項に記載されていない場合は免除になりません。記載されていることだけでなく、打合せした内容が記載されていないときも注意しましょう。

    ホームインスペクションを実施する

    ホームインスペクションとは、建築士など住宅に精通した住宅診断士が、建物の欠陥の有無や不具合を調査し、改修が必要な箇所やタイミングを助言するものです。

    築年数が古い場合はとくに、引き渡し後に不具合が見つかることがあります。もし雨漏りやシロアリの被害が見つかった場合、売主は契約不適合責任を負うことになります。万が一に備えて、ホームインスペクションの実施を検討しましょう。

    トラブルが起きたときの相談先

    不動産売却でトラブルが起きたら、まずは不動産会社の担当者に相談します。しかし担当者へ相談しても、内容によっては解決できないこともあるでしょう。この章では、不動産取引でトラブルが起きたときに、相談できる窓口を紹介します。

    不動産会社の本社や相談窓口

    担当者に相談できない、もしくはトラブルの原因が担当者にあるときは、まず不動産会社の本社や相談窓口に相談しましょう。トラブルの内容や原因によっては、担当者を変更できることもあります。

    国民生活センターや消費生活相談の窓口

    不動産取引に関するトラブルは、国民生活センターや消費生活相談の窓口で相談できます。

    それぞれの連絡先は以下の通りです。

    相談窓口電話番号
    消費者ホットライン188管轄する地域の消費生活センターや地域の相談窓口の紹介してもらうことができる
    消費生活センター地域による(188番経由で相談可能)居住地の消費生活センターに相談する
    国民生活センター平日バックアップ相談03-3446-1623都道府県など地域を管轄する消費生活センターがつながらない場合の窓口
    国民生活センター休日相談188番経由で相談可能土日祝日の10時から16時まで相談可能

    不動産会社を管轄する自治体など行政機関

    不動産会社とトラブルになった場合は、その不動産会社を管轄する行政機関へ相談します。

    不動産会社の免許(国土交通大臣免許もしくは都道府県知事免許)によって、担当行政庁が異なります。それぞれ一覧表から管轄エリアの窓口を確認してください。

    なお、どちらの免許か分からない場合は、以下より検索できます。

    免許宅地建物取引業免許に関する相談窓口一覧
    国土交通大臣免許地方整備局等担当課名一覧
    都道府県知事免許都道府県宅地建物取引業免許事務担当課名一覧

    弁護士や土地家屋調査士などの専門家

    トラブルによっては、専門家への相談を検討します。

    たとえば土地の境界や面積に関するトラブルは、土地家屋調査士(もしくは測量会社)に相談します。境界の位置が分からないときや、隣地所有者と境界の位置について双方の見解が異なる場合は、境界確定測量を依頼しましょう。

    境界の位置は買主に明示する義務があるため、土地や戸建ての売却を検討するときは、早めに相談しておくようにします。

    その他法律的な相談や、トラブルの解決が難しいと感じる場合は、弁護士に相談します。弁護士によって得意とする分野が異なるため、相談する内容に応じて依頼する弁護士を選定しましょう。

    売買契約を解除する方法

    売買契約を解除したい場合は、まず売買契約書に記載されている契約解除に関する項目や条項を確認し、なるべく早く不動産会社に相談するようにしましょう。

    最後に契約を解除する方法を紹介します。

    契約違反による解除

    相手側が代金の支払いに応じないなど、契約の履行をしないときは、契約違反により解除できます。しかし、直ちに解除できるわけではありません。ます契約を履行するように催告し、そのうえで契約を解除する旨を通知する必要があります。

    契約違反については、相手側に違約金を求めることができます。違約金の金額については契約書によって定められていますので、実際には確認してみましょう。

    手付解除

    通常手付解除できる期間を定めています。契約で定めた手付解除できる期間内で、かつ相手側が契約履行に着手する前であれば手付解除できます。

    売主は買主から受領した手付金を返還し、手付金と同額を払うことで解除でき、買主は手付金を放棄することで解除できます。

    合意による解除

    売買契約は、売主と買主の合意があれば解除できます。手付金の放棄や違約金の支払いなど、解除の条件についても話し合いで決定できます。

    後になってトラブルにならないように、合意による解除については書面を交わしておくようにしましょう。

    まとめ

    不動産の取引は高額になることが多く、トラブルに発展しやすいため注意が必要です。売買契約書の内容は慎重に確認するようにし、わからないことはそのままにせず、その場で解消するようにしましょう。

    事前にトラブル例や不動産の知識を得ておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。そして万が一問題が起きたときは、なるべく早く相談窓口へ問い合わることをおすすめします。


    ※1:契約不適合責任とは? 損害賠償請求はできる? 買い主の権利を解説
    ※2:境界明示に関する媒介業者の責任範囲
    ※3:契約不適合責任とは?民法改正、他の用語との違いをわかりやすく解説

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