「2LDKのマンションを売りに出しているけど、なかなか売れない…」このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。2LDKのマンションは間取りと広さが中途半端で、買い手となる候補が絞られてしまう弱みがあります。
しかし、売るための工夫を行い、信頼できる不動産会社に仲介を依頼することで2LDKのマンションをスムーズに売却できる可能性が高まります。「なぜ売れないのか」という原因を究明し、必要な対策を打ちましょう。
こちらの記事では、2LDKのマンションが売れない理由と効果的な対策、売れやすいマンションの特徴などを解説します。マンションがなかなか売れず困っている方に役立つ内容となっているので、参考にしてみてください。
2LDKマンションの成約状況
そもそも2LDKのマンションは売れないような間取りなのでしょうか。
以下の表は、中古マンションの間取り別成約件数(首都圏)を示しています。
2022年度の2DK・LDKの件数割合(%)は27.6%と、3DL・LDKの44.6%に次ぐ割合となっています。
3DK・LDKには劣るものの、2DK・LDKの間取りも人気であり、売れないマンションの間取りというわけではないことがわかります。
しかしながら、2DK・LDKのマンションと3DK・LDKのマンションが比較されたときに、3DK・LDKのマンションが選ばれやすいということでもあります。
2DK・LDKのマンションが売れない主な理由を次の章で解説します。
2LDKのマンションが売れない理由3選
2LDKのマンションが売れない理由として、大きく以下2つの理由が考えられます。
- ファミリー層には手狭な間取りになっている
- 一人暮らし世帯には広すぎる間取りになっている
- 不動産会社の販売力が弱い
それぞれ、詳しく解説します。
一人暮らし世帯には広すぎる間取りになっている
2LDKのマンションは、間取り・広さが1Kや3LDK以上のマンションと比較すると中途半端です。具体的には、2LDKのマンションにニーズを感じやすい層は、夫婦二人世帯にほとんど絞られます。
2LDKは、一人暮らし世帯にとっては広すぎます。一人暮らし世帯にとって丁度いい間取りは、ワンルームや1K、1LDKでしょう。
2LDKと広めの部屋を希望される一人暮らしの方がいたとしても、専有面積が広くなる分、家賃も高くなるため、予算内のマンションとなる可能性は比較的低いでしょう。
ファミリー世帯には手狭な間取りになっている
3人以上のファミリー世帯にとって、2LDKは手狭に感じてしまいます。また、夫婦二人世帯でも将来的に子どもが産まれる想定をしている場合、購入の候補から外されてしまう恐れがあります。
買い手が絞られてしまうと、必然的に売れない期間が長引いてしまうでしょう。物件そのものは魅力的でも、買い手となる候補が少なければ取引の場面は限られてしまいます。
不動産会社の販売力が弱い
仲介を依頼している不動産会社の販売力が弱い場合、売れない期間が長引くことがあります。多くの不動産取引では、実際に販売窓口となるのは不動産会社なので、販売力が弱ければ「なかなか売れない」という事態になりかねません。
具体的には、不動産会社の広告やプロモーション活動が不足している場合が考えられます。インターネットを活用した販売が不十分で、店頭での広告しか行っていないと、なかなか人目に付きません。
担当者の提案力や交渉力が弱い場合も、なかなか売却に結びつかないことがあります。物件の購入を検討している人が現れたとしても、窓口となる担当者を信頼できなければ、購入意欲を失ってしまうでしょう。
売れない2LDKのマンションを売却する対策・コツ4選
2LDKのマンションは、ニーズが限定的でなかなか売れないケースが多いのは事実です。しかし、以下のような対策を実践することで売却できる可能性を高められます。
- ターゲットを夫婦2人世帯と定年後の高齢夫婦世帯に絞る
- マンションの管理をきちんと行って価値を保つ
- 事前に査定を受けて相場相応の価格で売り出す
- 販売力があり信頼できる不動産会社に仲介を依頼する
それぞれ、詳しく解説します。
ターゲットを夫婦二人世帯と定年後の高齢夫婦世帯に絞る
2LDKの広さと間取りを考えると、最もニーズが見込まれるのは夫婦二人世帯です。売り出す際に、ターゲットを夫婦二人世帯と定年後の高齢夫婦世帯に絞るとよいでしょう。
夫婦二人だけで暮らす世帯にとって、2LDKのマンションは生活スタイルに合致する可能性が高いと見込まれます。二人で生活を送る場合、2LDKの間取りであれば生活に必要なスペースだけでなく、プライベートな空間を確保できるためです。
また、2LDKであれば3LDK以上のマンションよりも購入価格を抑えられます。光熱費や管理費などのランニングコストも抑えられるため、経済的な負担を軽減できる点もアピール材料になるでしょう。
マンションの管理をきちんと行って価値を保つ
マンションの管理をきちんと行い、物件の価値を保ちましょう。建物は時間の経過とともに劣化するため、定期的なメンテナンスやこまめな清掃を行い、心地よく生活できる空間を維持することが欠かせません。
実際に買い手の立場になって考えると、管理がきちんと行われている物件に対して「安心して生活できる」という印象を持つでしょう。逆に管理がずさんで、外壁や屋根が剥がれていたり、内装がボロボロだったりすると魅力を感じません。
専有部分で経年劣化が著しい箇所があれば、交換することも検討しましょう。買い手の立場になって、ネックになりそうな箇所がないか細かくチェックしてみてください。
事前に査定を受けて相場相応の価格で売り出す
実際に売り出す前に、不動産会社の査定を受けて相場を把握しましょう。相場相応の価格で売り出すことで、スムーズに売却できる可能性が高まります。
販売実績が豊富な不動産会社に依頼すれば、適正な販売価格を見積もってくれます。物件の立地や状態、周辺の市場環境などさまざまな要因を考慮したうえで、適正な価格を算出してくれるでしょう。
査定を受けずに「なんとなくこのくらいだろう」と適当に売り出すと、結果的に相場よりも高い価格で売り出し、買い手の興味を全く引けないケースが考えられます。その結果、「なかなか売れない」という状況が続く事態になりかねません。
長期間にわたって売れ残ることで、印象が悪くなり価格を下げなければならなくなる可能性も考えられます。「できるだけ高く売りたい」という気持ちはわかりますが、相場相応の価格で売らないと、結果的に損をしてしまうリスクがある点に留意すべきです。
販売力があり信頼できる不動産会社に仲介を依頼する
販売力があり、信頼できる不動産会社に仲介を依頼することも大切です。マンションの販売窓口となるのは不動産会社である(個人間の売買を除く)以上、不動産会社選びで失敗すると、なかなか売れない可能性が高まるでしょう。
過去の販売実績や実際に利用した人からの評判や口コミを通じて、販売力や信頼性はある程度把握できます。不動産会社がSNS運用を行っている場合、インターネット上で集客や販売活動を行っているか確認するとよいでしょう。
複数の不動産会社に見積もりを依頼し、コミュニケーションを取りながら安心して仲介を依頼できそうか判断することも効果的です。複数の不動産会社を比較検討しながら、適切な会社を選定しましょう。
マンションの売却に強い不動産会社の特徴
一般的に売りづらいといわれている2LDKのマンションを売却するためには、マンションの売却に強い不動産会社に仲介を依頼することが大切です。マンションの売却に強い不動産会社の特徴として考えられる要素は、以下のとおりです。
- マンションの販売実績が豊富にある
- 販売チャネルが豊富で多くの買い手にアプローチできる
- 交渉力と販売力が強い
- 売り手の希望を丁寧にヒアリングしてくれる
具体的にどのような点に着目して不動産会社を選定すべきか、詳しく解説します。
マンションの販売実績が豊富にある
マンションの販売実績が豊富にある不動産会社には、マンション売買に関する豊富なノウハウが蓄積されていると考えられます。豊富な販売実績は、その不動産会社が取引を多くまとめてきた裏付けであり、専門性の高さを示す証拠となります。
マンションの販売実績が豊富にある不動産会社なら、マンションの市場分析や買い手への効果的なアプローチをはじめ、スムーズに売却へつなげるためのコツを熟知している可能性が高いでしょう。
販売チャネルが豊富で多くの買い手にアプローチできる
豊富な販売チャネルを有しており、多くの顧客にアプローチできる不動産会社は、マンションの売却に強いと見込まれます。具体的に考えられる販売チャネルとして挙げられるのは、以下のとおりです。
- インターネット広告
- SNSでの情報発信
- メールによる情報発信
- 店頭での情報掲示
- 折り込みチラシによる情報発信
販売チャネルが豊富にあれば、より人目につきやすくなります。つまり、買い手を見つけられる確率が高まるわけです。
実際に不動産会社と媒介契約を締結する前に、どのような方法で販売活動を行う予定なのか確認するとよいでしょう。
交渉力と販売力が強い
交渉力と販売力が強いかどうかの確認も欠かせません。マンションの売買は一般的に数千万円の取引になるため、数回の交渉を挟んで契約に至るケースがほとんどです。
売り手と買い手の希望をヒアリングしつつ、双方が納得できるように交渉できるかどうかは、不動産会社の腕の見せ所といえるでしょう。また、販売チャネルの豊富さや実際の販売実績を通じて、販売力の高さを確認することも大切です。
交渉力と販売力が強い不動産会社に依頼すれば、希望に近い価格での売却が見込めます。販売過程で生じる問題や障害(交渉の不調や瑕疵の有無など)もスムーズに解決してくれる公算が高いことから、安心して仲介を頼めるでしょう。
売り手の希望を丁寧にヒアリングしてくれる
不動産会社を選ぶ際には、売り手の希望を丁寧にヒアリングしてくれるかどうかも確認しましょう。きちんと売り手の希望額や売却希望時期を把握してもらうことで、想定している売買契約を実現できる可能性が高まります。
実際に販売活動を行うのは不動産会社である(個人間の売買を除く)以上、ヒアリングした内容を営業に落とし込んでもらう必要があります。売り手の要望やニーズに基づいて、きめ細かいサービスを提供しつつ、コミュニケーションを取ってくれる不動産会社を選びましょう。
実際に利用した人からの評判や口コミを見れば、話しやすい担当者だったか・希望に近いマンション売却を行えたかを調べられます。評判や口コミを参考にしつつ、実際に会って話す中で、信用して頼めそうか判断してみてください。
売却を急いでいる場合は不動産会社への売却を検討する
マンションの売却を急いでいる場合は、不動産会社への売却も一つの選択肢となります。実際に引っ越す日が決まっている方の場合、「いつまでにマンションを売りたい」という期限が明確に決まっているケースもあり得るでしょう。
不動産会社の中には、自社でマンションを買い取ってくれるところがあります。不動産会社に買い取ってもらえれば、1カ月程度で売却に至ることも可能です。また、買い手を探す手間と時間を省くことができ、「早く売れないかな…」という心理的な負担も軽減できます。
できるだけ早くマンションを売りたいという都合を抱えている場合は、買い取りを行っている不動産会社への売却も検討してみてください。
ただし、不動産会社にマンションを売却する場合は、一般的な取引よりも価格が安くなりやすいデメリットがあります。メリットとデメリットのバランスをトータルで見て、不動産会社へ売却するか判断しましょう。
2LDKでも売れやすいマンションの特徴
2LDKのマンションでも、以下に該当する場合は物件としての魅力が高く、スムーズに売却できる可能性があります。
- 築年数が浅く清潔感がある
- 十分な広さがあり快適に過ごせる
- 共用設備が充実しており高い付加価値がある
- セキュリティ面が高く管理体制が整備されている
- 駅近で利便性が高く生活環境が良い
- 人気のエリアで将来的に高く売却できそう
- 販売価格が適正である
売り出しているマンションが該当するか客観的に評価し、可能な対策があるか考えてみましょう。
築年数が浅く清潔感がある
築年数が浅く清潔感があるマンションは、買い手の興味を引きやすい特徴があります。逆に、築年数が経過している物件は外見が劣化しており、内装も清潔感があるとは言えないケースが少なくありません。
買い手にとって、これから購入するマンションは生活の基盤となります。快適に生活できそうか判断するうえで、築年数の浅さや清潔感は重要な要素といえるでしょう。
また、築年数が浅い物件は耐震性や断熱性が優れており、快適かつ安心して生活できる可能性が高いです。買い手に「住みやすそう」という印象を与えられれば、売却につながりやすくなります。
十分な広さがあり快適に過ごせる
十分な広さがあり、快適に過ごせるマンションは売れやすいと言えます。2LDKのマンションを売り出す際のメインターゲットとなるのは夫婦二人世帯ですが、一緒に過ごす時間とお互いが自由を過ごす時間をバランスよく確保できれば、心地よく生活できるでしょう。
近年はテレワークやリモートワークが普及していることから、自宅で仕事を行う人が増えています。仕事をこなすうえで、2LDKの間取りで、十分な広さがあるかどうかも大切なポイントです。
ほかにも、ウォークインクローゼットが広いと、収納に関するストレスを軽減できます。同じ2LDKという間取りでも、収納スペースの多さや平米の数字が大きければ、より魅力的な物件に映るでしょう。
共用設備が充実しており高い付加価値がある
共用設備が充実しているマンションは、買い手の興味を引きやすい強みがあります。
例えば、ジムやプール、コンシェルジュサービスなどの充実した共用設備・サービスがあると、高い付加価値を感じやすいでしょう。
車を保有している方であれば、敷地内に駐車場があるかどうかを重視しているケースも考えられます。
共用設備やサービスが充実していれば、日常生活の質を高められます。「いつでも好きなタイミングで運動できる」「困ったことがあればすぐにコンシェルジュへ相談できる」という環境で生活することで、快適さや安心感を得られるでしょう。
ほかにも、共用施設の利用を通じて住民間の交流が生まれるメリットも期待できます。コミュニティ形成が容易になることで、より生活しやすさを感じられるでしょう。
セキュリティ面が高く管理体制が整備されている
オートロックや指紋認証など、セキュリティ体制が強固な物件は売却につながりやすい特徴があります。生活の中で「安心できるかどうか」は、非常に重要なポイントだからです。
セキュリティが甘く、誰でも侵入できてしまう物件だと、空き巣や強盗などの被害に遭うリスが高まります。共働きで家を空ける時間が長い夫婦や、専業主婦(夫)で夫婦の一方が家にいる時間が長い世帯にとって、セキュリティの充実具合は重要です。
ほかにも、清掃員がいて清掃は行き届いているマンションは、管理体制が整備されていると言えます。共用部分が清潔で管理が行き届いていれば、快適に生活できるでしょう。
駅近で利便性が高く生活環境がよい
駅近で利便性が高いマンションは人気があります。駅までのアクセスが良好だと、通勤やレジャーへ行く際など何かと便利です。
特に、現役世代で電車通勤している人にとって、駅から近いかどうかは必ずチェックするポイントでしょう。定年後のリタイア夫婦世帯でも、旅行をはじめ外出する機会は多くあります。
どの年代に売却する場合でも、駅から近いという要素は大きなアドバンテージとなります。
ほかにも、ショッピング施設や医療機関などが近くにあり、生活環境がよい物件も売れやすいでしょう。物件そのものの魅力だけでなく、買い物や医療をはじめとした生活環境も重視されている点は押さえておきましょう。
人気のエリアで将来的に高く売却できそう
将来的に高く売却できそうなマンションも、買い手の興味を引きやすい特徴があります。マンションを購入する人の中には、将来的に住み替えを検討しているケースがあるためです。
例えば、3,000万円で購入したマンションを3,000万円以上で売却できれば、売買益を得られます。人気エリアに位置する物件やコンシェルジュサービスをはじめとした高い付加価値を有するマンションは、将来的な資産価値の上昇が期待できるでしょう。
特に、不動産投資を行う目的でマンションを購入する人からは、エリアの将来性やマンションが有している価値は重視されます。
販売価格が適正である
販売価格が適正であるマンションは、買い手の興味を引きやすいでしょう。市場価格に合った価格で売り出すことで、買い手の購入ハードルを下げる効果が見込めます。
販売価格が適正かどうかを判断するためには、複数の不動産会社に見積もり査定を依頼し、実際に販売されている類似物件の価格を確認することが効果的です。
販売価格が高いと買い手から相手にされず、いつまでたっても売れないという事態になりかねません。そのため、不動産の専門家からの意見を仰ぎ、相場を把握することは重要と言えるでしょう。
まとめ:2LDKのマンションが売れない理由を把握して適切な対策を行おう
2LDKのマンションは、そもそも買い手となるターゲットが狭いという弱みがあります。多くの買い手にアプローチできないことから、なかなか売却まで至らないケースは少なくありません。
しかし、マンションの管理を適切に行って価値を保ち、相場相応の価格で売り出すことで売却できる可能性は高まります。また、販売力があり信頼できる不動産会社に仲介を依頼することも重要です。
2LDKのマンションをできるだけ早く売りたいと考えている方は、こちらの記事を参考にしながら、信頼できる不動産会社を見つけましょう。必要に応じて、不動産会社への売却も検討してみてください。