ファンと共に創る事業を。「大阪王将」だけではないイートアンドの姿

2019/10/31インタビュー
ファンと共に創る事業を。「大阪王将」だけではないイートアンドの姿

1969年に大阪・京橋に餃子専門店「大阪王将」の1号店をオープンし、現在は外食事業と食品事業の両輪で成長を続けている東証一部上場のイートアンド株式会社(以下イートアンド)。

Fundsでは、新規店舗の出店に係る資金を対象とするファンドを提供する予定です。「投資家限定のイベント開催なども含めて、個人投資家の皆さんにファンになっていただきたい」と語る文野直樹代表取締役会長に、冷凍食品進出の経緯や今後の展開についてお伺いしました。

「大阪王将」中心の外食から冷凍食品に進出した理由とは

ーーイートアンドの現在の各事業について概要を教えてください

2019年9月で創業50周年を迎えた「大阪王将」を主力業態とした、外食事業および食品事業を展開しています。

外食事業では主力業態の「大阪王将」、ラーメン業態「よってこや」「太陽のトマト麺」、ベーカリーカフェ業態「RBaker Inspired by court rosarian」などの直営店運営およびFC加盟店への食材卸を手掛けていまして、2019年3月期のグループ店舗数は482店舗(直営:88店舗、FC加盟:394店舗)となっています。※

生産事業では、外食事業向けの餃子や麺、食品事業向けの冷凍食品(焼餃子、水餃子)の製造を行なっています。

また、食品事業では主力商品である自社製造商品の「大阪王将 羽根つき餃子」、「大阪王将 ぷるもち水餃子」を中心に量販店、生協への販売および常温調味料、業務用商品などの販売も手掛けています。

ーーそれぞれの事業の売上比率などはどのくらいなのでしょうか

2019年3月期の売上高比率は食品事業51%、外食事業49%になっています。※

昨今は、外食や、家で料理を作って食べる内食に加えて、惣菜やデリバリーで料理を購入して家の中で食べることを中食と呼ぶように、家庭で作ること以外の「食の外部化」が進んでいます。

こうした環境変化がある中で、弊社は「生活食文化を創造するフルライン型フードメーカー」として、「大阪王将」を中心とした外食以外の中食、内食のいずれの領域にも対応しているのが強みでもあります。

ーー1969年に外食からスタートして、その後に冷凍食品に進出しています。その経緯を教えてください

ある時期から「大阪王将」を中心に、幅広い業態の外食全般のブランドを保持していきながら、トレンドを意識して、そのときに売れるものを展開し続けるという戦略のもと、外食事業を進めていました。

しかし、成長性を維持しながら、外食ブランドを運営していくことは簡単ではありません。参入障壁も比較的低いため、競合となる店舗も多いほか、流行り廃りもあって、世の中のトレンドに左右されてしまいます。

そこで、自分たちの事業領域を「食べ物」と大きく捉え、どんな時代でも必要とされるメーカーの方に軸足を移す方針に舵を切りました。

また「メーカー」という軸で、自社のブランドやノウハウを活かせるものとして冷凍食品に着目しました。例えば、自社店舗に生の状態で供給している餃子を、凍らせて冷凍食品に仕立てるのであれば比較的取り組みやすいですし、競合に対する差別化戦略になります。

冷凍食品の領域では、売上数千億円などの大手企業が競合になってきます。しかしながら、企業数は少なく、大手企業が手掛けないニッチな領域も多くあることに気づきました。

例えばヒット商品となった「大阪王将 羽根つき餃子」は油、水、フタを使わずに羽根つき餃子を簡単に自宅で作ることができるものですが、これは当社が蓄積してきたノウハウと冷凍食品の技術を結集させたことによって完成した商品です。こうした技術にも積極的に投資をして、研究開発を進めています。

冷凍食品がさらに売れてくると、今度は冷凍食品を通じて、お客様を外食に導いていく集客の仕組みも構築できました。この仕組みによって、後発参入の外食領域についても成長を実現することが可能になっています。

時代に合わせて変化を続けてきた「大阪王将」

ーー「大阪王将」で大切にしていることを教えてください

創業当時は日本の高度成長期の中で、外食をすることが楽しいという時代的背景がありました。当時、餃子専門店は珍しい業態でしたので、注目をいただき、良いスタートダッシュができたと考えています。

大阪王将では、1,000円未満の日常食を提供していますので、その地域で世代を超えてお客様に愛される店舗や商品にしていかなければなりません。

大阪王将で提供している餃子も食材の鮮度や安さなどにこだわりを持っていますが、同じような商品に見えたとしても、時代ごとの微妙な好みの変化に合わせて味やメニューなどを変えています。それを怠った時には、案の定売れなくなります。

その繰り返しの中で、食文化の創造をしながら、お客様や関係者の皆さんにメリットをお返ししていく、こうした想いが今のイートアンドを作っています。

ーー株主の方々からも多くのご意見があるのでしょうか

上場することによって株主様と直接対話をしている中で、イートアンドは本当に様々な方々に支えていただいているという実感を強く持っています。株主総会は大阪で行なっていますが、非常にフレンドリーな方が多く、総会中でも応援の声を多数いただいています。

また、株主優待の中に「お食事券」を設定していますが、この株主優待を活用していただいた株主の方々から自社店舗に対して多くのご意見をいただきます。

これらの貴重なご意見は弊社のことを日頃から意識していただいているおかげでもあります。我々だけでは気づけない点もありますので、こうしたご意見を店舗や商品づくりに活かせることは非常に重要ですし、これからも多くの株主の方々と交流できればと考えています。

イートアンドのファンを増やす重要性

ーー今回Fundsを活用する理由を教えてください

株式投資とはまた別の形で応援していただけることや、さらに多くの投資家の皆様との交流を増やせる機会の一つになればと考えています。

弊社の外食事業は様々なブランドの店舗があるほか、工場や冷凍食品など多岐に渡って事業展開しておりますので、事業内容を一層ご理解いただけるように、直接丁寧に説明できる機会をさらに必要としています。

Fundsを通じて出会った投資家の方々には、様々なご意見や新商品の試食をしていただく場を設けたいと思っておりますので、こうした活動でファンの方々を増やしながら、自社店舗や商品の魅力をさらに向上していければと考えています。

Fundsでどれくらいの投資家の方々と繋がれるかは未知数ですが、弊社としても新しい挑戦になります。今回のご縁をきっかけにして、応援やご意見をいただける機会を通じながら、今後のお付き合いの始めの一歩になると幸いです。

ーーイートアンドの今後の展開について教えてください

冷凍食品の市場は今後も成長が予測されており、食品事業では自社商品の製造や販売をさらに強化していきます。

2019年11月には新関東工場が竣工し、既存工場の製造ラインと比較して大幅に製造能力がアップした製造ラインを誇る新工場ができることで、今後様々な商品を製造してくことも可能になります。

次の10年を見据えてAI活用や省人化を進めた工場になり、今までと同じ生産量を作った場合でも、より高収益になる仕組みが備わる予定です。

また外食事業では、国内展開はもちろんですが、海外展開も推し進めていきます。2004年12月に「大阪王将」の香港1号店を出店してから10年以上経ちますが、今では東南アジアを中心に約50店舗を構えています。

現地との味覚の違いなどによる再現性やオペレーションなど苦労した部分も多かったものの、ここ数年で上手く軌道に乗り始めました。海外でも数百店舗を出せる可能性は十分にありますので、全社一体となって次なる成長に向けて歩みを進めてまいります。

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※:イートアンド株式会社 2019年3月期 決算概要

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