【クライアントインタビュー】株式会社ユーグレナ / 東証プライム市場上場企業がFundsを利用する理由

2023/10/16インタビュー
【クライアントインタビュー】株式会社ユーグレナ / 東証プライム市場上場企業がFundsを利用する理由

インタビュイー:
株式会社ユーグレナ
執行役員 CFiO(最高財務責任者)
若原 智広 様


2022年より複数回にわたりFundsをご利用いただいている株式会社ユーグレナ。
東証プライム市場に上場する企業がなぜFundsを通じた資金調達を行うのか、Fundsのどのようなところに期待を抱いてくださっているのか、お話を伺いました。


企業紹介

◆株式会社ユーグレナ(https://www.euglena.jp/)

東証プライム市場に上場する株式会社ユーグレナ(証券コード:2931、以下では「ユーグレナ社」といいます。)は、2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養技術の確立に成功した企業です。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開しています。

微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供を行っています。

また、2014年よりバングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」を継続的に実施しています。

ユーグレナ社の現在の主力は、機能性食品や化粧品の製造販売を中心とするヘルスケア事業です。また、バイオ燃料事業の商業化を目指し、海外大手エネルギー企業と共同でマレーシアに商業プラントを建設するプロジェクトを進めています。



Fundsの商品性に合致した2つの事業課題 -「資金調達手段多様化の必要性」と「個人との接点」

ーFundsをご利用いただいた背景には、どのような事業課題があったのでしょうか?

1つは「資金調達手段の多様化」、もう1つは「個人の方との接点の多様化」です。

まずは「資金調達手段の多様化」についてお話します。私たちはこれまでも、M&Aや大規模な設備投資、広告宣伝への投資など、「成長のための投資」を大切にしてきました。成長投資は、事業を発展させるための重要なドライバーの1つだと思っています。

成長投資のためには資金調達が必要となりますが、主な資金調達手段であるエクイティ(株式調達)とデット(借入れによる資金調達)のうち、特にデットの活用には課題感を持っていました。
デットファイナンスと言えば「銀行からの借入」が一般的です。ただ、銀行融資で借りるお金は、元を辿ると個人の預金。皆さんの大切な預金を融資に充てるわけですから、銀行融資には厳格な基準が設けられており、設備投資など「その資金を何に、どのように使う計画か」という点が重視されますし、融資実行までの時間もかかりがちです。

2022年12月に発表を行いましたが、当社では現在、マレーシアに商業規模のバイオ燃料製造プラントを建設・運営するプロジェクトが進んでいます。このような莫大な設備投資が続く中で、何かチャンスが巡って来た際に機動的な成長投資ができるよう、私たちは常にある程度「柔軟性を持った余裕資金を抱えておきたい」という思いを持っています。ただ、先ほどお話した背景から、銀行融資だけでは「柔軟性を持った資金」の十分な確保が難しいため、資金調達手段の多様化は当社の成長にとって重要な課題でした。

もう1つは「個人の方との接点の多様化」です。
個人消費者向けの商品を展開する私たちにとって、個人の方は大切なステークホルダーです。2023年9月現在、通販定期顧客数約70万人、個人株主約12万人と、多くの方々との接点を持っています。私たちとしては、個人株主の皆さまには商品のことも知っていただき、ファンになってほしいと思っています。たとえば株主優待として、私たちの商品を購入できるクーポンや株主様限定の商品カタログをお送りしています。また現在はオンラインになりましたが、数年前までは、株主総会の後に個人株主向けに1000人規模の懇親会を開催するなど、個人の皆さんと関わりを持つことに努力をしてきました。
資金調達を支えてくださる 且つ 会社や商品のファンでもいてくれる、そのような個人の方との輪をもっと広げていきたいという思いがあります。

一方、類似する接点を持つ手段は極めて限られています。最も代表的なものを挙げると個人向け社債(※1)が該当しますが、個人向け社債を発行するには格付が必要であるなど、ベンチャー企業には難易度が高く現実的ではありません。

このような思いを巡らせていた中で、個人の方が貸付投資を行うFundsのサービスを知り、非常に興味を持ちました。Fundsを通して個人の方との新たな接点機会を創出できるという点はもちろんのこと、Fundsを利用している個人の方は、少なからず投資への興味を持っている方や情報感度の高い方ではないかと推察できたので、そのような方へアプローチできるという点も魅力に感じましたね。通常の広告ではなかなかリーチしづらい潜在層の方との良い接点機会になるのではないかと考えました。また、「Funds優待(※2)」を通じて、貸付投資を行う個人の方に直接商品を紹介できる点もユニークで、私たちのような通販ビジネスを手掛ける会社にはピッタリだと思いました。

今お話した2つの背景から、Fundsの仕組みは当社の課題感と非常に親和性の高いものであると感じ、利用に至っています。

編集注※1:企業が発行する債券。投資家から資金提供を受ける代わりに満期までに利子を支払い、満期に元本を返済する。
編集注※2:優待の有無及び内容はファンドによって異なります。



ー価値を感じていただけて嬉しいです。とはいえ、Fundsはまだ「一般的な資金調達手段」とは言えない中で、利用することに対して貴社内での議論は起きませんでしたか?

銀行融資と比較すると調達コスト(金利)が高い、という点では多少の議論はあったものの、Fundsを利用することに対してのネガティブな声はありませんでした。
調達コストについては、多少割高であったとしても、資金調達手段の多様化に繋がることを考えると中長期的視点で価値のあるものだと考えています。
また、「新しいことに挑戦する」ということもユーグレナ社らしくて良いという考えでした。

確かにサービスとしては新しいものですが、仕組みとしては「上場企業を中心とする借り手企業に対し、個人が間接的にお金を貸す」というシンプルなものなので、個人的には非常に透明性の高いサービスだと思っています。

当時すでに複数の上場企業で利用実績もありましたし、特に心配はありませんでした。
むしろ乗り遅れなくてよかったと思っています(笑)


大手外資系証券会社出身のCFiOが語るFundsの面白さ -ファンドの組成に自ら関われるからこそできる、透明性の高い条件設定

ー先ほどお話いただいた課題に対する、利用後の効果はいかがでしょうか?

1つめの「資金調達手段の多様化」の観点では、狙い通りの効果を得られている印象です。複数回の募集を重ねることで、Funds経由で常に5億円程の資金を確保できている状態をイメージしていましたが、想定通りの調達を実現できています。

最初の頃は、ややチャレンジングな条件を設定したことで募集額満額に到達しないという経験もしましたが、複数回の募集を通し、Fundsの営業担当の方とも相談しながら金利や年限の設定を試行錯誤したことで、最近では需給がバランスするベストな条件の感覚も持てるようになりました。実はこの点も個人的にFundsのおもしろいところだと思っています。

例えば株式の世界では、証券会社を介した取引となるためどうしても発行企業が注文状況に関する一次情報に触れることは難しいですし、IPO時のように特異なニーズが発生するシーンが混在することで本来の需要を把握しづらい、という性質もあります。Fundsの場合は自分たちも条件設定に関与した上で募集の動向がリアルタイムで見えるため、良くも悪くも需給バランスの感覚をストレートに体感することができます。だからこそ納得感のあるベストな条件設定ができますし、透明性が高くフェアだと感じています。

もう1つの「個人の方との接点の多様化」の観点では、現時点で明らかな定量的効果が出ている、とまでは言い切れないものの、ファンドを公開するたびに新しい個人投資家の方が応募してくださっていますし、接点機会の創出には寄与していると感じます。当社のファンドではFunds優待として商品のサンプリングを行うことが多いのですが、この取り組みはマーケティング手段としても位置付けられるのでコストパフォーマンスが高いと思いますし、今すぐに商品購入に繋がらなかったとしても、「知ってもらう」きっかけを持つことは中長期的に見ても意味があると思っています。

効果最大化に向けて営業担当の方が柔軟なフォローアップをしてくださるので、今後さらに連携を深められたらいいですね。


Fundsの利用効果を最大化するための柔軟なフォローアップ

ー今のお話で触れていただきましたが、営業担当をはじめとする当社社員の印象についてはいかがでしょうか?

説明が明瞭で分かりやすいですし、例えば当社のファンドへの応募者属性といったような、私たちが欲しい情報も必要なタイミングで的確に出してくれる印象を持っています。

また、私たちが得たい成果に向けて柔軟に伴走していただいていると感じます。利用を始めたばかりの頃は、どちらかというと「個人の方との接点の多様化」の方に主眼を置いていました。この目的を踏まえて、募集形式を先着型ではなく抽選型にすることで1人でも多くの方と接点を持てるようにしたり、ファンド募集の抽選が外れてしまった方にもアプローチする仕組みを一緒に考えていただいたりしました。
その他、優待としての商品サンプリングで個人投資家の方とのコミュニケーションが途絶えてしまわないよう、ユーグレナ社のLINEアカウントに登録してもらう仕組みが作れないか?など、ファンドそのものの設計以外のシーンでも相談にのってもらっています。



今後のFundsへの期待 -Fundsの利用が広がることで、条件設定のバリエーションも増える、三方良しの循環を生めたら

ー最後に、Fundsへの将来的な期待についてぜひご意見をお聞かせください

調達手段としてさらに選択しやすくなるよう、より大きな金額や、より低い金利、より長い期間での調達ができるようになるとありがたいです。

当社の場合、冒頭お話した通り「柔軟性を持った資金の安定確保」がFundsを通じた資金調達に期待することですので、できる限り長期間での調達をしたいと考えています。現在の需給バランスだと、3年以上の運用では個人投資家の方の投資意欲が上がりづらくなってしまう側面もあり難しいと思いますが、このあたりの条件がより柔軟になると、企業としても利用機会が増えていくと思います。

またそのためには、Fundsを利用する個人投資家の方々が増えていくこと・多様化することが不可欠ですよね。

世の中では「貯蓄から投資へ」と叫ばれていますが、潤沢な資金を持つ一部の富裕層だけでなく、より広い層へ投資行動を促すためには、一般個人の方に多様な投資先の選択肢を提供することが必要だと思っています。そういった意味で、「主に上場企業を対象にした貸付投資」という、これまでにあまり選択肢の無かったミドルリスク・ミドルリターンの商品性を持ったFundsは、個人的にはとてもニーズのあるものではないかと感じています。

さらに、Fundsの場合「この会社を応援したい」という、会社のビジョンや価値観に共感することを起点に投資することもできますよね。これは投資信託や銀行預金ではなかなか作ることが難しい世界観だと思います。上場スタートアップをはじめ、一般的な株式市場では構造上なかなかスポットの当たりづらい企業にとっても、非常に価値のあるプラットフォームだと感じています。

今お話しした通り、私個人としては「投資をしたい個人」にとっても「資金調達をしたい法人」「個人投資家との接点を創出したい法人」にとっても意義のあるサービスだと思うので、もっと世の中に広がってほしいと思っています。そうすると日本の金融市場はもっと面白くなりそうですね。

そして、Fundsがより多くの方に利用されるようになれば、先ほど「期待」としてお答えしたような条件のバリエーションも広がってくると思うので、三方良しの良い循環になるのではないでしょうか。


※本記事は、特定の利用企業へのインタビューで得られた意見を一例として取り上げたものです。当該利用企業の声を例として示したもので、必ずしもFundsのサービスから得られるメリットを客観的に示すものではありません。
ファンドへの投資は、重要事項説明書をよく読み、ご自身の責任と判断で行ってください。

FacebookTwitterInstagramLine

貸付ファンドのオンラインマーケットFundsは、ファンズ株式会社が運営を行っております。

ファンズ株式会社 第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3103号
加入協会:一般社団法人第二種金融商品取引業協会

©Funds, Inc.All Rights Reserved.