不動産投資・再生事業及びインバウンド事業を展開する東証マザーズ上場企業の株式会社イントランス(以下、イントランス)。Fundsでは、同社が新たに設立した子会社である株式会社イントランスファンディングがインバウンド事業を対象とするファンドを提供していく予定です。
今回はイントランスの濱谷代表取締役社長と数野取締役COOに、同社の強みやインバウンド事業を含めた今後の展開について、お話いただきました。
ーーまずはイントランスの事業について教えてください
<濱谷氏>弊社の主力事業はプリンシパルインベストメント(不動産投資・再生)事業です。他社が取り扱わない未稼働、低稼働の不動産を取得し、クリエイティブな発想力と果敢な行動力によって、不動産が持つ潜在的な価値を最大限に引き出し、高い収益を獲得する事業モデルを手がけています。
また、プロパティマネジメントサービス(物件ごとのニーズに合ったオーダーメイド型の入居者管理代行サービス)、及び賃貸事業や不動産賃貸・売買の仲介業務を行うソリューション事業も展開しています。
ーー様々な不動産を手掛けてきた中で代表的な事例があれば教えてください
<濱谷氏>弊社の代表的な開発事例の一つとしては、東京タワー近くにあった築47年の古いオフィスビルを結婚式場にコンバーションした「芝公園プロジェクト」があります。
約10億円でビルを仕入れた後、企画づくりから物件の改修、実際の運用を含め、約3年でバリューアップをし、最終的には約35億円でREITに売却することができました。
このビルは東京タワーの至近にあることから、このロケーションを最大限に活かした結婚式場への転換を企画しましたが、建築基準法の関係で既存建物を解体してしまうと容積率が減ってしまうなどの課題がありました。
そこで、柱を残すなどの工夫を凝らすことで、容積率を減らさずに、結婚式場という新しい用途に変更できた事例です。
今では、日本最大級の結婚準備クチコミ情報サイト「ウエディングパーク」で、東京都の結婚式場ランキング第1位を獲得するなど人気の結婚式場となっています。※1(2019年3月時点)
ーー2019年には新しくインバウンド事業への参入を発表されました。その背景などについて教えてください
<濱谷氏>弊社が成長してきた一つの要因としては、リーマンショック以降に不良債権となった不動産投資・再生も多く手掛けてきたことが挙げられますが、ここ最近はそのような案件の数が減少してきていると感じておりました。
このような中で、2018年11月に合同会社インバウンドインベストメントによるTOB(株式公開買付)を受けましたが、同社の株主であり、中国などで旅行代理事業を展開するETモバイルジャパン株式会社(以下、ETモバイルジャパン)とともに事業を推進できる体制が整いました。
2018年のインバウンド旅行者数は3119万人となり、政府目標では2020年が4000万人、2030年には6000万人のインバウンド旅行者数を掲げ、インバウンド市場は更なる成長が見込まれています。※2、3
このような環境のなか、弊社では、不動産との相関性が高い「インバウンド」と「ツーリズム」を組み合わせた「Inbound × Real Estate × Tourism」をテーマに、宿泊施設の開発・運用からインバウンドの集客・送客まで、ワンストップで提供する環境を創りだすことが可能であることから、インバウンド事業への参入を発表しました。
ーー具体的にはどのようなインバウンド事業を手掛けていくのでしょうか
<数野氏>開発エリアとしては、インバウンドに人気であるゴールデンルート(東京、大阪、京都)を中心に、観光名所があり、交通面(飛行機・新幹線等)のアクセスが良い地域、リゾート地において、ホテルや旅館、古民家を活用した宿泊施設を取得・開発、運用を行なっていきたいと考えています。
これまでの強みである不動産の知見に、ETモバイルジャパングループが持つ旅行者のニーズや行動データなどを連携することで、実態に即したマーケティングを行うことで、エリアの分析や物件の選定が可能となります。
また、中国国内における訪日個人旅行向けの旅行取扱者数で実績のあるETモバイルジャパングループとは、旅行者の宿泊施設への送客でも協力体制を構築しており、企画型旅行のパッケージ化やネットワークを活かした旅行代理店での販売なども素早く実行できます。
このように、宿泊施設を作るだけではなく、自社グループで送客を行うことで、物件の稼働率をより一層高めることを目指しています。
ーー宿泊施設以外では、どのような構想があるのでしょうか
<数野氏>インバウンドとの関連性が非常に高い飲食や体験などの観光周辺事業にも取り組んでいきます。
2019年4月には全国で横丁を運営する株式会社アスラボ(以下、アスラボ)との業務提携を発表し、共同で横丁施設の開発、運用を進めています。
アスラボが運営している横丁では地産地消をテーマに、地元の食材を活用した料理が提供されています。日本の食文化を含めた体験は海外からの旅行者だけではなく、日本の観光客の利用も期待されます。
弊社は横丁を通じて、食材・人材・場など地域に眠る資源を掘り起こし、日本人観光客のみならず、インバウンドもターゲットに日本食文化の可能性と多様性を体験する機会を提供することで、地産地消ひいては地域活性化に繋がる可能性が多分にあると考えています。
ーーインバウンド事業を含め、将来的な展望を教えていただけますでしょうか
<濱谷氏>インバウンド事業は弊社にとって新しい事業分野となりますので、様々なパートナーと連携のもと、弊社がノウハウを持ち合わせない部分を補い、総合体験型ソリューション事業を提供できる企業へと変革していきます。
加えて、ETモバイルジャパングループやアスラボのような、弊社にはない特徴を持っているパートナーと協力し、それぞれの強みを活かして、インバウンドに関わるサービスをワンストップで提供したいと考えています。
中長期的には、得られたインバウンドデータをもとに、さらなるビジネス展開も視野に入れていきます。これまでの不動産の形にインバウンドとツーリズムを組み合わせた「イントランス・バケーションズ」という新しいコンセプトを全国に展開し、訪日旅行者が観光する際にはイントランスの関わりある様々なサービスを広く利用、体験できるようにしていきたいと考えています。
ーー今回Fundsを利用する意図を教えてください
<濱谷氏>Fundsは、事業展開におけるIT活用や資金調達の方法などを検討していた弊社にとって、それらを包括的に実現できる方法として、魅力を感じました。
インバウンド事業で提供していく様々なサービスは、日本人観光客の方にもご利用いただけますので、今回の取り組みは弊社を認知していただけるキッカケにもなりますし、宿泊施設の周辺エリアに足を運んでいただけることにもつながると期待しています。
Fundsでの関わりを通じて、より多くの方々が「不動産を通じて日本のファンを広げ、日本の観光立国を成し遂げる」という弊社が掲げるストーリーに加わって頂きたいと考えています。
※1:日本最大級の結婚準備クチコミ情報サイト ウエディングパーク 結婚式場ランキングでThe Place of TOKYOが東京都 第1位を獲得しました
※2:日本政府観光局(JNTO)、2018年12月暫定値
※3:「明日の日本を支える観光ビジョン」、2016年3月30日
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