1円から貸付投資ができる「Funds(ファンズ)」を運営するファンズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:藤田雄一郎、以下「当社」)は、国内で初の取り組みとして、R&I社(*1)が提供するESG評価(*2)を取得した貸付ファンドの取扱い準備を開始いたしました。
これにより、企業にとってのESGファイナンスをより身近なものに、また個人投資家に対しても手軽にESG投資に参加できる機会を創出していきます。
当社では今後、第1号案件として株式会社ADワークスグループ(本社:東京都千代田区、代表取締役社⻑CEO:田中秀夫、東証一部:2982、以下「ADWG」)とのファンド組成に向けての取り組みを進めてまいります。
*外部格付け機関によるESG評価がついた初の融資型クラウドファンディングによるファンド
現在、気候変動リスクに対する関心の高まりなどを背景に環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)要素を考慮したESG投資が世界的に注目を集めています。2006年に国連が提案した「PRI(責任投資原則)」により、機関投資家等は投資実行の意思決定プロセスにESG問題を反映させる傾向が加速しており、年金基金なども企業のESG配慮を投資判断の基準とするようになりました。
欧州や米国等では早くからESGの取り組みが推進され、2020年時点で世界のESG投資額は35兆3,010億米ドル(約3,900兆円)という規模となっています。
<世界のESG投資運用額推移 2006-2021>
https://www.unpri.org/pri/about-the-pri より抜粋
2016年時点では世界のESG投資に占める割合が約2%と出遅れていた日本でも年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をはじめとしてESG投資が加速しており、2020年時点でのESG投資額は2016年比で約7倍(*3)に増加しています。しかしながら、ESGファイナンスを実施できる企業は発行規模や格付などの観点からまだまだ限定的で、どの企業にとっても取り組みやすいものとはいえません。
また、ESGファイナンスへの投資機会は、主に機関投資家や一部の大口の個人投資家などに限られており、広く個人投資家に開かれたものではありませんでした。結果として、ESG投資で世界を牽引している欧米諸国と比べると、日本では個人間における認知度の低さや、企業の取り組みが促進されないという課題がありました。
今回Fundsでは、このような課題を解決するために、企業が数億円から比較的低コストでESGファイナンスを行うことができる仕組みの提供を開始します。
これにより、企業側のESGファイナンスを促進するだけでなく、個人投資家が手軽にESG投資に参加できる機会を創出していきます。
本スキームでは、借り手企業における借入金の資金使途や対象事業に対して、評価機関であるR&I社がESG等のファイナンスに適合するかの確認や評価を行うことで、企業は対象となる評価を取得したファイナンスを行うことが可能となります。
従来のESGファイナンスでは各機関で独自の評価をつけるケースも多くありましたが、本スキームにおいてはR&I社という外部格付機関からの評価を取得することで、客観性の担保されたESGファイナンスを目指します。また、個人投資家はESG評価を取得したファイナンスへの参加機会を得ることができるようになります。
本スキームの第一弾としてADWGとファンド組成の取り組みを行います。今回のファンドでは、R&I社からの評価に加えて資金使途をBELS評価(*4)を取得した物件に限定しています。
BELS評価は建物が発するエネルギー消費量から建物の環境性能を評価する枠組みであり、今回のファンドで資金使途となる建物はCO2排出量などの観点で評価された物件となっています。
ADWGのグリーンローンフレームワークについてはこちらをご覧ください。
当社では、ADWGとの取り組みをはじめとして、企業が取り組みやすい仕組みを提供することで日本におけるESGファイナンスの普及に貢献するとともに、個人投資家が手軽にESG投資に参加できる機会を創出していきます。
(*1)R&I社...正式名称:格付投資情報センター。企業のESG関連ファイナンスについてのセカンドオピニオンの提供。グリーンボンド・グリーンローンについては調達した資金が環境問題の解決に資する事業に投資される程度を評価するR&Iグリーンボンドアセスメントを提供。( https://www.r-i.co.jp/index.html)
(*2)ESG評価...調達した資金が、グリーン・サステナブル・ソーシャル等の環境問題の解決に資する基準に適合するか等の評価。
(*3)環境省 グリーンファイナンスポータル(http://greenfinanceportal.env.go.jp/bond/issuance_data/market_status.html)より。
(*4)BELS評価...建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(以下「建築物省エネ法」という。)法第7条に基づく平成28年国交省告示第489号「建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針」(以下「ガイドライン」という。)に定められた第三者認証制度の1つです。
ADWGは、個人富裕層を中心とした投資家、機関投資家や事業法人に対して、自社で仕入れたオフィス・マンション・商業施設などの厳選した収益不動産に、商品企画や法的治癒などバリューアップを施して販売、販売後の永続的な管理を請け負う、一連の「収益不動産ソリューション事業」を主力として成⻑してきた企業グループの持株会社で、東証一部に上場しています。米国ロサンゼルスにおいても同様のビジネスモデルを展開しているほか、近年では、不動産小口化商品の販売にも力を入れ、顧客層を広げています。
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