マンションの売却価格は、階数によって変わります。
売却したい部屋の階数について、特徴を理解しておくことが大切です。
この記事では、マンションを売却する際に覚えておきたい、以下のポイントを解説します。
- マンションで高く売却できる階数
- 高層階のメリット・デメリット
- 低層階のメリット・デメリット
- マンションの売却価格を左右する「階数以外」のポイント
マンションを高く売却するコツも解説するので、参考にしてください。
マンションで高く売却できる階数は?
マンションは、部屋の階数が高いほど、売却価格も高くなる傾向があります。
「○階が最も高く売却できる」という、ピンポイントな決まりはありません。
同じマンション内で、間取りや面積がまったく同じ部屋でも、売却価格が異なるケースがよく見られます。
階数によって、1坪あたりの単価が変わるためです。
マンションにおいて階数が高い部屋は、そのメリットから住みたい人が多く、需要があります。
そのため、売却価格も高くなりやすいのです。
階数が高い部屋のメリットについては、次の「高層階のメリット」の章で詳しく解説していきます。
高層階・低層階の特徴【メリット・デメリット】
高層階や低層階には、明確な階数などの定義はありません。
一般的には、以下のように分けられることが多いです。
- 高層階:10階以上
- 低層階:1階〜3階
マンションの高さが20階を超えるような「タワーマンション」の場合、低層階の幅が広く考えられることもあります。
この章では、マンションの高層階と低層階について「上のほうにある階」と「下のほうにある階」という大まかなイメージで、解説していきます。
それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
高層階のメリット
マンションの高層階には、以下のようなメリットがあります。
- 見晴らしが良い
- 日の光が入りやすい
- 虫が出にくい
- 外の音が気にならない
- 防犯性が高い
- 売却しやすい
階数が高くなるほど、眺望や日の光を遮るものが少なくなります。
そのため見晴らしや日当たりが良く、明るく快適な生活を送れる可能性が高いです。
地面から離れていることで、虫が侵入したり飛んできたりすることも少なくなります。
虫が苦手な人は、高層階のほうが過ごしやすいでしょう。
また、道路を走る車の音や排気ガスも気になりません。
部屋の中を覗かれたり、バルコニーから侵入されたりするリスクも低くなるため、防犯性が高いと言えます。
高層階にある部屋は人気があるため、売却する際に買い手が付きやすいというメリットもあります。
高層階のデメリット
メリットが多く人気がある高層階にも、以下のようなデメリットがあります。
- エレベーターが使えないときのダメージが大きい
- マンションを出るまでに時間がかかる
- 地震の揺れが大きくなりやすい
- 洗濯物が干せない
災害や停電の際にエレベーターが使えなくなると、階段で上り下りしなければなりません。
高層階に住んでいると、地上と部屋の往復だけでヘトヘトになってしまいます。
部屋からエントランスまでの距離が長いことから、マンションを出るまでに時間がかかるというデメリットもあります。
高層階に住む人は、以下のような不満を抱えているケースが多いです。
- 朝の通勤時間にエレベーターがなかなか来ない
- 配達員がオートロックのインターホンを鳴らしてから部屋に来るまで、10分以上かかる
- 駅直結のマンションを選んだのに、ホームにたどり着くまで時間がかかる
また階数が高くなるほど、地震の揺れが増幅するため、家具が倒れるなどの被害も出やすいです。
マンションの規約や強風の影響で、バルコニーに洗濯物を干せないこともあります。
低層階のメリット
マンションの低層階にも、多くのメリットがあります。
そのメリットから、あえて低層階を選ぶ人も少なくありません。
マンションの低層階に住むメリットは、以下のとおりです。
- マンションへの出入りがしやすい
- 地震の揺れが小さい
- 庭付きの部屋がある
低層階は、高層階に比べて気軽にマンションを出入りできます。
エレベーターが使えないときに、階段で移動しやすいのも大きなメリットです。
低層階は地震の揺れが増幅されることがなく、災害時の避難経路も確保しやすいです。
また1階の部屋の場合、専用の庭が付いていることもあります。
下の階に住人がいないため、足音を気にする必要もありません。
戸建てのような感覚で生活できる1階の部屋は、子育て世帯からの人気も集めています。
低層階のデメリット
マンションの低層階には、以下のようなデメリットがあります。
- 見晴らし・日当たりが悪い
- 虫が出やすい
- 道路の騒音が気になる
- 防犯性が低い
基本的には、高層階におけるメリットの裏返しです。
眺望や日の光が遮られやすいため、高層階に比べて開放感が少なくなります。
窓や玄関を開けた際に、虫が入ってくることもあります。
また道路が近いことから、歩行者の話し声や目線、車の騒音が気になりやすいです。
バルコニーから侵入されるリスクもあるため、防犯性が低いと言えます。
マンションの売却価格を左右する「階数以外」のポイント
マンションの売却価格を左右する「階数以外」のポイントは、以下のとおりです。
- 方角
- 設備
- 築年数
- 立地
マンションの売却価格は、階数だけで決まるわけではありません。
そのため、低層階でも条件によっては高く売却できます。
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
方角
マンションのバルコニーが向いている「方角」によって、日当たりが変わります。
日当たりが良い部屋ほど人気が高くなるため、売却価格も高くなります。
方角で最も人気が高いのは「南向き」です。
南向きの部屋は日当たりが良く、洗濯物が乾きやすいというメリットもあります。
窓が大きく、日が入りすぎて暑いというケースもありますが、南向きの部屋を希望する人は多いです。
南向き以外の方角における日当たりの良さは、一般的に「東向き > 西向き > 北向き」となります。
それぞれのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
方角 | メリット | デメリット |
東向き | 朝日が入るため、目覚めが良くなる | 午後の日当たりが悪い |
西向き | 午後の日当たりが良い | 夕方の西日が眩しい |
北向き | 購入価格が安い | 日当たりが悪い・湿気がこもりやすい |
また複数の方角に窓がある「角部屋」は、日当たりや風通しが良いため、売却価格が高くなる傾向があります。
マンションの目の前に建物がある場合は、方角が良くても日当たりが悪くなるため、注意が必要です。
設備
マンションの「設備」も、売却価格を左右するポイントとして挙げられます。
部屋の中では、主にキッチンやお風呂など、水周りの設備の状態が重要です。
設備が壊れていたり、カビやサビが発生していたりすると、評価が低くなってしまいます。
設備の古さやグレードも、マンションの売却価格に影響します。
共用部分では、防犯性や利便性が高い設備が揃っていると、売却価格が高くなりやすいです。
具体的には、以下のような設備が挙げられます。
- オートロック
- 宅配ボックス
- ジム
- ゲストルーム
また、設備とは少し異なりますが「コンシェルジュサービス」があるマンションも、高く売却しやすいです。
エントランスにコンシェルジュが常駐しており、郵便物の受け取りやクリーニングの取り次ぎなど、さまざまなサポートをおこなってくれます。
コンシェルジュサービスは、人の目による防犯性の高さと、サービスによる利便性の高さを兼ね備えているため人気が高いのです。
築年数
「築年数」によって、マンションの売却価格は大きく変わります。
マンションは築年数が浅いほど、高く売却できるのが一般的です。
マンションの価値は「耐用年数」に基づいて決められます。
鉄筋コンクリート造のマンションの場合、耐用年数は47年です。
築年数が古くなり、耐用年数に近づくほど、マンションの価値は下がってしまいます。
ただ築年数が古くても、改修工事によって売却価格が高くなる可能性もあります。
マンションの見た目が綺麗になったり、性能が向上したりすることで、人気が高まるためです。
立地
マンションの売却価格を左右するポイントとしては「立地」も挙げられます。
立地が良いマンションは、高く売却できる傾向があります。
一般的に「立地が良い」とされるマンションの特徴は、以下のとおりです。
- 交通アクセスが良い
- 生活しやすい
- 快適な住環境が整っている
交通アクセスは、駅の近さや、都心への出やすさが重要です。
最寄り駅に乗り入れている路線の種類や本数も、交通アクセスに影響します。
生活のしやすさは、マンションの周りにある施設が重要です。
近くにスーパーやドラッグストアがあると、日々の買い物に困りません。
子育て世帯にとっては、保育園や学校、公園も近くにあると良いでしょう。
また快適な住環境としては、治安が良いことや、騒音が少ないことなどが挙げられます。
多くの人が「住みやすい」と感じる立地ほど、評価が高くなるのです。
マンションを高く売却するコツ
マンションの売却では、階数や立地などの変えようがないポイントが、売却価格を左右することが多いです。
しかし、以下のような「コツ」をつかめば、マンションを高く売却できる可能性があります。
- マンション売却が得意な不動産会社を選ぶ
- 需要が高い時期に売却する
- メリットをアピールする
ひとつずつ、詳しく解説していきます。
マンション売却が得意な不動産会社を選ぶ
マンションの売却が得意な不動産会社を選ぶことで、売却価格が高くなる可能性があります。
不動産会社の得意分野は、売買や賃貸、投資などさまざまです。
また売買の中でも、マンションや戸建てなど、力を入れている不動産の種類が分かれます。
不動産会社を選ぶ際には、以下のポイントを押さえましょう。
- マンション売却の実績が豊富であること
- 売却したいマンションがあるエリアに強いこと
実績が豊富な不動産会社には、マンションを高く売却するノウハウがあります。
地域密着型でエリアの情報に詳しく、独自のネットワークがある場合は、さらに心強いです。
気になる不動産会社が見つかったら、まずは相談してみてください。
あわせてマンションの査定も依頼します。
必ず複数の不動産会社に相談し、実績や対応、査定結果などを比較しましょう。
需要が高い時期に売却する
マンションを高く売却するためには、需要が高い時期に売却することも大切です。
一般的に、2月〜3月は不動産の需要が高くなります。
多くの人は、子どもの入園などのライフイベントに合わせて、不動産を購入します。
「4月には新居での生活が始められるように」と動くため、直前の2月〜3月に需要が高くなるのです。
再開発などによってエリアの住みやすさが向上した場合も、不動産の需要が高くなります。
そのタイミングを見計らってマンションを売却すると、良い条件で売却できる可能性が高いです。
また不動産の需要には、金利も関係しています。
金利が低いほど、住宅ローンにかかる利息が安くなるため、不動産を購入する人が増えるという流れです。
反対に、金利が高いと住宅ローンを借りづらくなるため、不動産の需要は低くなります。
メリットをアピールする
メリットをアピールし、買い手にマンションの魅力を感じてもらえれば、高く売却できる可能性があります。
アピールできるポイントは、以下のとおりです。
- リフォームをおこなっている
- 築年数が浅い
- 見晴らしや日当たりが良い
- 駅が近い
- 近くに商業施設がある
先ほど解説したような、高層階や低層階ならではのメリットも、アピールポイントになります。
ほかにも住んでいてメリットだと感じることがあれば、積極的にアピールしましょう。
マンションのメリットをアピールする場所は、主に「不動産情報サイト」です。
不動産情報サイトには、一般向けのもの(スーモなど)と、不動産会社専用のもの(レインズ)があります。
マンションの情報をサイトに載せる作業は、不動産会社がおこなってくれます。
部屋の写真を提供するなど、マンションのメリットを最大限にアピールできるように協力しましょう。
まとめ
マンションの売却価格は、階数に比例して高くなるのが一般的です。
高層階のメリットとしては、見晴らしの良さや防犯性の高さなどが挙げられます。
デメリットもありますが、高層階に魅力を感じる人が多く需要が高いため、売却価格も高くなりやすいのです。
低層階にもメリットはあるため、ニーズやアピール次第で高く売却できます。
また、マンションの売却価格を決めるポイントは、階数だけではありません。
方角や立地などの良し悪しによって、売却価格は変わります。
この記事で解説した「マンションを高く売却するコツ」も参考にして、納得のいくマンション売却にしましょう。