マンション売却をする場合、不動産会社へ仲介を依頼するのが一般的です。近くにある店舗に直接訪問する方もいれば、ポストに投函されたチラシを見て電話で相談するという方もいるでしょう。
しかしより多くの不動産会社を比較して、なるべく適正な価格を知りたいのであれば、不動産査一括査定サービスを利用するのがおすすめです。
この記事では横浜のマンション売却を検討している方のために、おすすめの不動産査定サイトを紹介します。
また、査定から売却を依頼するまでの流れも紹介します。ぜひご自身に合った査定サイト選びにお役立てください。
まず相場価格を把握することが重要
不動産査定サイトを利用する前に、ある程度マンションの相場価格を把握しておきましょう。不動産会社の査定価格が適正なのかを、ある程度判断する際に役立ちます。
たとえば不動産ポータルサイトなどで、同じ横浜市内のマンションがいくらで売り出されているのか調べてみましょう。また同じマンション内で売り物件があれば、チラシなどを保管しておきます。
横浜市内の中古マンションの価格相場
下記は過去3カ月間(2024年10月1日時点)にLIFULL HOME’Sに掲載された、横浜市の中古マンションの価格を集計し、平均価格をまとめたものです。ちなみに専有面積70㎡のマンションを想定していますが、駅からの距離や階数、間取りによって差が出るため、あくまでも参考価格としてお考え下さい。
市区町村 | 平均価格 |
横浜市鶴見区 | 3,840万円 |
横浜市神奈川区 | 4,773万円 |
横浜市西区 | 5,288万円 |
横浜市中区 | 4,295万円 |
横浜市南区 | 3,764万円 |
横浜市保土ヶ谷区 | 2,788万円 |
横浜市磯子区 | 2,738万円 |
横浜市金沢区 | 2,487万円 |
横浜市港北区 | 3,751万円 |
横浜市戸塚区 | 2,645万円 |
横浜市港南区 | 2,485万円 |
横浜市旭区 | 2,071万円 |
横浜市緑区 | 2,600万円 |
横浜市瀬谷区 | 2,552万円 |
横浜市栄区 | 3,088万円 |
横浜市泉区 | 2,603万円 |
横浜市青葉区 | 3,979万円 |
横浜市都筑区 | 4,605万円 |
不動産一括査定とは?
不動産一括査定サービスとは、基本的にはサイト経由で不動産査定を依頼することをいいます。従来の査定依頼とは、どのように異なるのでしょうか。代表的な3つの特徴を紹介します。
- 無料で利用できる
- 一度の入力で複数社に査定依頼できる
- 一定の基準を満たした優良な会社と提携している
無料で利用できる
不動産一括査定は、無料で利用できるのが特徴です。不動産会社に直接査定依頼した場合も基本的には無料ですが、仕組みは少し異なります。
通常不動産会社は、成約に至った際に受け取る仲介手数料を収入としています。一方不動産一括査定サイトは、不動産会社から受け取る紹介料を収益としています。それぞれ収入源は違いますが、依頼者が不動産査定を依頼する際に費用がかかることはありません。
一度の入力で複数社に査定依頼できる
不動産一括査定は、不動産の情報や依頼者の個人情報を一度入力することで、複数の不動産会社へスムーズに査定依頼できるのがメリットです。
入力する事項もそれほど多くないため、所要時間も1~3分ほどです。その後不動産一括査定サイトが、依頼者に代わって各不動産会社へ情報を送ってくれます。
不動産会社へ訪問して査定依頼する場合は、不動産会社の定休日や営業時間を気にする必要がありますが、不動産査定サイト経由であれば24時間いつでも査定依頼できます。
一定の基準を満たした優良な会社と提携している
不動産一括査定サービスから依頼できるのは、提携している不動産会社に限られます。つまりどこへでも依頼できるわけではありませんが、これは一定の基準を満たした会社であることを意味します。
また利用者からの評判が悪ければ、サイトの運営会社から提携を外されることになるでしょう。査定依頼先の選択に迷っている方にとっては、ある程度の水準を満たした不動産会社から選べるため、安心して依頼できるでしょう。
おすすめ不動産一括査定サイト9選
横浜市のマンション売却を検討していて、不動産一括査定サイト選びに迷っている方のために、おすすめのサイト9選を紹介します。
それぞれの不動産一括査定サービスにメリットがあり、特徴が異なります。ぜひ参考にして、納得のいくマンション売却を実現させましょう。
- SUUMO
- LIFULL HOME’S
- アットホーム
- イエウール
- リビンマッチ
- マンションナビ
- HOME4U
- イエイ
- おうちクラベル
SUUMO(スーモ)売却査定(2,000店舗・全国)
運営会社 | 株式会社リクルート |
運営開始時期 | 2009年 |
査定対象エリア | 全国 |
対象の物件種別 | マンション・一戸建て・土地 |
提携社数 | 2,000社以上 |
査定依頼できる社数 | 最大10社(地域によって異なる) |
株式会社リクルートが運営するサイトで、テレビコマーシャルを頻繁に流しているため認知度が高く、サイトのコンテンツやサービスが充実しています。たとえば不動産購入にまつわるお金の相談を、ファイナンシャルプランナーに無料相談できるサービスなどがあります。
LIFULL HOME’S
運営会社 | 株式会社LIFULL |
運営開始時期 | 2008年 |
査定対象エリア | 全国 |
対象の物件種別 | マンション・一戸建て・土地 |
提携社数 | 4,000社以上 |
査定依頼できる社数 | 最大10社 |
他の不動産一括査定サイトに比べると、提携社数が多いのが特徴です。テレビコマーシャルも積極的に行っており、認知度も高いといえます。不動産会社からの電話が苦手な人には「匿名査定」がおすすめです。個人情報の入力が不要なため、個人情報の流出が心配な方も安心して査定依頼できます。
アットホーム
運営会社 | アットホーム株式会社 |
運営開始時期 | 2009年 |
査定対象エリア | 全国 |
対象の物件種別 | マンション・一戸建て・土地 |
提携社数(参加社数) | 2,300社以上 |
査定依頼できる社数 | 20社前後 |
同時に査定依頼できる不動産会社数が、他のサイトに比べて多いのが特徴です。マンションについては簡易査定もできます。「建物ライブラリー」から中古マンションの分譲当時の情報を調べることができ、競合物件になりそうな近隣マンションの相場も一緒に確認できるので便利です。
イエウール
運営会社 | 株式会社Speee |
運営開始時期 | 2014年 |
査定対象エリア | 全国 |
対象の物件種別 | マンション・一戸建て・土地 |
提携社数(参加社数) | 2,000社以上 |
査定依頼できる社数 | 最大6社 |
SUUMOやホームズ、アットホームと比較すると一般認知度は低いものの、提携者数は2,000社を超え、国内最大級の規模の不動産一括査定サイトの1つといえます。なお運営会社である株式会社Speeeは、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。
リビンマッチ
運営会社 | リビン・テクノロジーズ株式会社 |
運営開始時期 | 2017年 |
査定対象エリア | 全国 |
対象の物件種別 | マンション・一戸建て・土地 |
提携社数(参加社数) | 1,700社以上 |
査定依頼できる社数 | 最大6社 |
比較的まだ新しいサイトですが、加盟店は1700社以上あり、社内スタッフと第三者機関による信用調査を通過した不動産会社のみと加盟店契約しています。また安心安全の証であるプライバシーマークを取得しているため、安心して利用できます。
マンションナビ
運営会社 | マンションリサーチ株式会社 |
運営開始時期 | 2011年 |
査定対象エリア | 全国 |
対象の物件種別 | マンション |
提携社数(参加社数) | 2,500社以上 |
査定依頼できる社数 | 最大9社(売買6社・賃貸3社) |
名前からもわかるように、マンションに特化した不動産一括査定サイトです。賃料査定も一緒に依頼できるので、売却と賃貸のどちらにするか迷っている方におすすめです。なお全国のマンションが対象ですが、地方などエリアによっては査定が難しい可能性があります。
HOME4U
運営会社 | 株式会社NTTデータ スマートソーシング |
運営開始時期 | 2001年 |
査定対象エリア | 全国 |
対象の物件種別 | マンション・一戸建て・土地など |
提携社数(参加社数) | 2,300社以上 |
査定依頼できる社数 | 最大6社 |
NTTデータグループが運営する、不動産一括査定サイトです。日本で一番初めにサービスを始めたことで知られており、累計査定数は50万件を超える老舗サイトです。なおプライバシーマークも所得しており、セキュリティ体制も万全です。
イエイ(1,700社・全国)
運営会社 | 株式会社じげん (ZIGExN Co., Ltd.) |
運営開始時期 | 2007年 |
査定対象エリア | 全国 |
対象の物件種別 | マンション・一戸建て |
提携社数(参加社数) | 1,700社以上 |
査定依頼できる社数 | 最大6社 |
独自のサービスが魅力のイエイには「お断り代行サービス」があり、サポートデスクの相談員が代わりに不動産会社へお断りの連絡をしてくれます。また予約制の個別相談デスク(対面)があり、無料で相談できるのも他には見られないサービスです。
おうちクラベル
運営会社 | SREホールディング株式会社 |
運営開始時期 | 2015年 |
査定対象エリア | 全国 |
対象の物件種別 | マンション・一戸建て |
提携社数(参加社数) | 1,500社以上 |
査定依頼できる社数 | 最大15社 |
ソニーグループである、SREホールディング株式会社が運営する不動産一括査定サイトです。不動産会社の査定額だけでなく、そのAIが算出した査定価格も確認できます。その場で査定額を知りたい方にとって、便利なサイトといえます。
希望にあった不動産一括査定サイトの選び方
不動産一括査定サイトごとに特徴があるため、希望や条件によって選びましょう。この章では、3つのポイントごとにおすすめの不動産一括査定サイトを紹介します。
とにかく多くの不動産会社に査定依頼して欲しい方
査定依頼できる不動産会社の数を6社程度としているサイトが多い中、アットホームでは最大20社に依頼できます。なお地域によっては少なくなることもあります。
不動産一括査定サイト | 査定依頼できる社数 |
アットホーム | 最大20社 |
おうちクラベル | 最大15社 |
SUUMO | 最大10社 |
多くの不動産会社から査定依頼先を選びたい方
多くの不動産会社から査定依頼先を選びたい方は、なるべく提携社数が多いサイトを選びましょう。おおむね2,000社以上であることが1つの基準で、満足できる数だといえます。
不動産一括査定サイト | 提携社数 |
LIFULL HOME’S | 4,000社以上 |
マンションナビ | 2,500社以上 |
アットホーム | 2,300社以上 |
HOME4U | 2,300社以上 |
上場企業が運営する不動産一括査定サイトを利用したい方
不動産一括査定サイトを選ぶ際に安心感を重視したい方は、上場しているか否か確認するのも1つの方法です。他にも、運営期間や口コミなども参考にして選ぶとよいでしょう。
不動産一括査定サイト | 上場について |
SUUMO | 東証プライム子会社 |
LIFULL HOME’S | 東証プライム |
イエウール | 東証スタンダード |
リビンマッチ | 東証グロース |
おうちクラベル | 東証プライム |
不動産会社へ売却依頼する手順とは?
実際に不動産会社へ売却依頼するときは、どのような手順で進めたらよいのでしょうか。ここでは一般的な流れを3つのステップで紹介します。
- 不動産一括査定サイトから簡易査定を依頼する
- 複数社の簡易査定価格を比較する
- 売却依頼先候補へ訪問査定を依頼する
- 媒介契約を締結する
不動産一括査定サイトから簡易査定を依頼する
自分に合った不動産一括査定サイトを選び、簡易査定を依頼します。マンションの必要事項を入力する必要があるため、できれば築年数や専有面積が分かる書類を手元に準備しておくとよいでしょう。通常1~3分ほどで入力できます。
複数社の簡易査定価格を比較する
簡易査定結果をメールや電話で確認します。依頼先や時期にもよりますが、2~3日程度で結果を受け取ることができます。すべての簡易査定結果がそろったら査定価格を比較します。
簡易査定(机上査定)とは
簡易査定は必要事項を伝えるのみで査定依頼でき、マンションの現地調査を必要としません。手軽に依頼できるため、売却するかどうか判断する際や、査定価格を早く知りたいときに有効です。
売却依頼先候補へ訪問査定を依頼する
実際に売却する場合は訪問査定が必要ですが、訪問査定には1~2時間程度かかります。売却依頼先候補となる不動産会社を2~3社程度に絞り、訪問査定を依頼します。
訪問査定とは
訪問査定とは、実際に担当者がマンションを現地調査して、成約事例や売り出し中のマンションなどと比較して査定する方法です。現地調査に1~2時間から程度かかりますが、より精度が高い査定価格を知ることができます。
媒介契約を締結する
訪問査定後、通常は1週間ほどで査定書が届きます。査定価格の高さだけでなく、マンション売却実績や担当者のスキルなどを考慮し、売却を依頼したい不動産会社と媒介契約を締結します。
なお媒介契約には3種類あり、依頼する不動産会社の数で異なります。1社に依頼する場合は専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約で、複数社に依頼する際は一般媒介契約を選択します。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
複数の不動産会社へ依頼できる | 〇他社を明らかにする明示型と、他社について伏せておく非明示型がある) | × | × |
不動産会社の指定流通機構(レインズ)への登録 | 任意(依頼者が登録を依頼することは可能) | 義務あり(媒介契約締結日の翌日から7営業日以内)) | 義務あり(媒介契約締結日の翌日から5営業日以内) |
依頼者の自己発見取引 | ○ | ○ | × |
不動産会社から依頼者への業務報告 | 任意(報告を求めることは可能) | 2週間に1回以上文書もしくは電子メールで行う義務あり | 1週間に1回以上文書もしくは電子メールで行う義務あり |
契約期間 | 制限なし(標準約款では3カ月以内) | 3カ月以内(宅地建物取引業法による定め) | 3カ月以内(宅地建物取引業法による定め) |
媒介契約の更新 | 依頼者・不動産会社双方の合意により更新可能 |
マンション売却の注意点
マンション売却をする際は、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。とくに注意したい3つのポイントを紹介します。
- 自己資金が不足しないように資金計画を立てる
- 適正価格で売り出し早期成約を目指す
- 不動産会社や担当者との相性が大切
自己資金が不足しないように資金計画を立てる
マンション売却には、諸費用や税金がかかります。まずは住宅ローン残高と売却想定価格を確認し、諸費用や税金を含めて資金計画を立てましょう。住宅ローン残高よりも高く売却できるときは完済できますが、上回る場合は自己資金を充当するか、買い替えローンを組まなければなりません。まずは不動産一括査定を依頼して、いくらぐらいで売却できるのか相談してみましょう。
適正価格で売り出し早期成約を目指す
マンションをなるべくスムーズに売却するためには、適正価格で売り出すことが重要です。査定価格を上回る金額で売り出すことは可能ですが、売却できなければ結果的に値下げすることになります。売却までに時間をかけすぎてしまうと、かえって安くせざるを得なくなることもあるので注意しましょう。
担当者との相性やマンション売却実績が大切
売却を依頼する際は不動産会社の規模だけでなく、担当者との相性や横浜市内での売却実績も確認しましょう。マンション売却までに3~6カ月かかることが多く、コミュニケーションがうまく取れないことで、ストレスを感じることになるでしょう。査定書を受け取る際は査定価格だけでなく、担当者との相性と横浜市内の売却実績も確認するのを忘れないようにしてください。
まとめ
マンションを売却する際は、まず不動産会社へ売却査定を依頼することになりますが、効率よく複数社に相談できる「不動産一括査定サービス」の利用をおすすめします。
一度の入力で複数社に依頼できるため手間がかからず、各サイトの基準をクリアした不動案会社の中から選べるので安心です。