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    2000万円で買った家はいくらで売れる?相場より高く売却する5つのポイント、調査方法、注意点を解説

    2,000万円で買った家を売るとしたら、いくらで売却できるのでしょうか。同じ2,000万円の物件でも築年数や地域によっても違いがあり、またマンションと戸建住宅でも評価は異なります。

    この記事では、2,000万円で購入した家の相場価格を調べる方法と、なるべく高く売る方法を解説します。

    不動産を売却するときの注意点も紹介しますので、これから家の売却を予定している方は、ぜひ参考にしてください。

    目次

    不動産が値上がりしているのは本当?

    ここ数年不動産が値上がりしているというニュースを、一度は耳にしているのではないでしょうか。

    下記は国土交通省が毎月公表している、住宅の不動産価格指数をグラフにしたものです。不動産価格指数とは、不動産取引価格情報をもとに、不動産価格の動向を指数化したデータのことをいいます。

    マンションは2013年頃から右肩上がりに上昇を続けており、戸建住宅と比べるとその差は歴然です。また戸建住宅についても、緩やかではありますが2020年頃から上昇していることがわかります。

    ※ 国土交通省、不動産価格指数( 令和5年9月 ・ 令和5年第5四半期分) を公表 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001715748.pdf
    ※ 国土交通省、不動産価格指数( 令和5年9月 ・ 令和5年第5四半期分) を公表 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001715748.pdf

    ここ3~4年については、全般的に不動産価格は上昇傾向にあります。しかし上記のように地域差もあるため、全国的に値上がりしているとはいえない状況です。

    家の価格は築年数が影響する

    建物は土地と異なり年数が経つにつれて劣化するため、経年により資産価値は減少します。下記は、中古マンションと木造戸建住宅の市場価値をグラフにしたものです。

    評価方法によって多少違いがあるものの、中古マンションは築20年でも60%価値が残存するのに対し、木造戸建住宅は土地値になり建物の価値はほぼゼロになることがわかります。

    ※ 国土交通省、中古住宅通、リフォーム市場の現状 https://www.mlit.go.jp/common/000135252.pdf

    一戸建ての価格減少率とは?

    上記グラフを参考に、木造戸建住宅の築年数ごとの価格減少率を表にしました。もちろん建物の価値は築年数だけで決まるものではなく、手入れの具合や使い方によっても異なります。下記の減少率は、あくまでも参考として考えてください。

    築年数木造戸建住宅の価格減少率
    1年5~10%
    5年20~30%
    10年40~50%
    15年60~80%
    20年80~90%
    25年90%

    マンションの価格減少率とは?

    マンションについても木造戸建住宅と同じように、上記グラフを参考にして価格減少率の表を作成しました。マンションも大規模修繕工事実施の有無や、管理状況によっても異なるため、下記はあくまでも参考として考えてください。

    築年数マンションの価格減少率
    1年2~10%
    5年5~15%
    10年15~25%
    15年25~35%
    20年40~45%
    25年45~50%

    築年数以外で家の査定額に影響するポイントとは?

    家の資産価値に築年数が大きく影響します。しかし家の査定をする際、他の要素も考慮したうえで算出されます。不動産会社が査定する際に、重視されるポイントを紹介します。

    リフォームや大規模修繕の有無

    リフォームや大規模修繕をしている物件は、査定の評価が高くなります。査定を依頼するときは、リフォームの履歴がわかるものを提示できるように準備をしておきましょう。

    不動産市場や需要

    不動産は市場や需要の影響を受けるため、売却するタイミングによっても評価が異なることがあります。たとえば売り物件が飽和状態であれば、査定額も下がる傾向にあります。

    立地や利便性

    最寄り駅からの距離や商業施設の充実具合によって、査定額は異なります。たとえば再開発エリア内に該当する場合は、評価は高くなります。

    日当たりや通風

    日当たりや通風がよい家は人気があるため、資産価値は下がりにくく、売却もしやすいでしょう。日当たりや通風の良さは、査定価格に影響します。

    周辺環境

    家そのものだけでなく、周辺環境も査定額に影響します。たとえばゴミ処理施設の近くや、お墓が見える立地は一般的にマイナス評価になります。

    住みやすさ

    学校や病院が近くにあるなど、生活するうえで便利な施設などが近くにある場合は、プラスの評価になるでしょう。

    土地の形状や間取り

    土地は、正方形や長方形に近い形は使いやすいため評価は高くなり、変形した形や旗竿地と呼ばれる形状は評価が低くなります。旗竿地とは道路に面する幅がせまく、竿に旗がついたような形状の土地のことをいいます。

    またマンションもファミリータイプが好まれるエリアでは、1LDKの評価は低くなる傾向があります。

    2,000万円で買った家の資産価値を調べる方法とは?

    2,000万円で買った家が、いくらで売却できるか知りたいときは、どうしたらよいのでしょうか。不動産の資産価値を調べる方法を、3つ紹介します。

    成約事例を調べる

    まだ家を売却するか迷っているときや、不動産会社に相談する前に相場価格を確認しておきたいときは、家に類似する物件の成約事例を調べてみましょう。ここでは、2つのサイトを紹介します。

    土地総合情報システム

    国土交通省が運営しているシステムです。土地建物やマンションだけでなく宅地の成約事例を調べることができます。

    成約時期と不動産の種類、地域を指定して検索できるほか、地図上で場所を指定する方法もあり、不動産取引価格情報や地価公示価格などを調べることができます。

    登録などは不要で、個人でも簡単に無料で利用できます。

    レインズマーケットインフォメーション

    国土交通大臣が指定する不動産流通機構(レインズ)が運営している、成約価格を基にした不動産取引情報提供サイトです。

    マンションと戸建ての成約価格を、都道府県や地域を指定して検索できます。また検索条件を追加することで条件を絞ることができ、家に類似した物件の成約価格や成約時期を調べることができます。

    土地総合情報システムと同じように、登録などの必要はなく、無料で利用できます。

    不動産会社に査定を依頼する

    2,000万円で買った家の相場価格をより正確に知りたいときは、不動産会社へ査定を依頼しましょう。基本的に無料で依頼できます。

    査定には「机上査定」と「訪問査定」がありますが、売却を想定しているのであれば、より精度が高い訪問査定をおすすめします。それぞれの特徴は、以下の通りです。

    机上査定(簡易査定)

    不動産を見ずに査定を行うため、簡易査定と呼ばれることがあります。土地の大きさや建物の築年数など、一定の情報を不動産会社に提供することで査定を依頼できます。

    しかし、リフォームの有無や設備の状態などは査定額に反映されないため、精度が低い可能性があります。売却を依頼する場合はかならず訪問査定が必要になりますが、すぐ査定額を知りたい場合などに便利です。

    訪問査定

    不動産会社の担当者が実際に家を調査して、査定額を算出する方法です。室内だけでなく、外観や周辺環境も考慮して査定するため、精度が高い査定額を知ることができます。クローゼットの中や浴室内も確認するため、事前に整理整頓しておくと安心です。

    室内の調査に1~2時間かかるため、同じ日に他の不動産会社にも査定を依頼するときは注意しましょう。また役所や法務局での調査も行うため、査定書ができあがるまでに1週間ほどかかることが多いでしょう。

    不動産鑑定士に鑑定を依頼する

    家を売却する予定がない場合は、不動産鑑定士への鑑定依頼を検討しましょう。不動産鑑定とは不動産鑑定士の独占業務で、不動産の鑑定評価に関する法律に基づいて行うものです。つまり不動産鑑定書は、資格を持った不動産鑑定士にしか作成できません。

    個人が不動産鑑定を依頼するとすれば、おもに相続や離婚による財産分与など、トラブルを避けるために適正な不動産価格を知りたいときなどでしょう。

    依頼する不動産鑑定士の会社の規模や家の大きさ、かかる手間などによっても費用は異なりますが、一般的な不動産の鑑定であれば20~50万円が相場です。通常の売却であれば、不動産会社による査定で問題ありません。

    2,000万円で買った家をなるべく高く売る5つの方法とは?

    2,000万円で買った家を、なるべく高く売るためには、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。この章では、家をなるべく高く売るためのコツを5つ紹介します。

    築年数が浅いうちに売却する

    建物は経年によって劣化し、資産価値が下がります。もし売却を予定しているのであれば、なるべく早めに売却を進めましょう。

    しかし売却するために、費用をかけてリフォームする必要はありません。気になる場合はなるべくきれいに清掃するようにし、まずは不動産会社に相談してみましょう。

    複数の不動産会社に査定依頼する

    不動産会社によって査定方法が多少違うため、査定額も異なることがあります。家の査定はなるべく複数社に依頼し、それぞれに査定額の根拠を説明してもらうようにしましょう。詳細の説明を受けることで、自分自身も適正価格について納得できるでしょう。

    また査定額が高い不動産会社に依頼したくなりますが、高値での売却を約束するものではありません。それよりも「信頼できる不動産会社なのか」「担当者との相性がよいか」ということを重視して、売却依頼先を選ぶようにしましょう。

    売り出す価格とタイミングに気をつける

    売り出し価格が高すぎると売却までに時間がかかり、最終的に値下げせざるを得なくなることがあります。高値での売却を希望するのであれば、適正価格で売り出すようにしましょう。

    また、売り出すタイミングにも注意しましょう。一般的に不動産の繁忙期は1~3月といわれています。需要が見込める時期に売り出すようにし、タイミングが合わない場合は9~12月頃を検討しましょう。

    アピールポイントを担当者と共有する

    家に住むことで得られるメリットや周辺環境の特徴など、アピールポイントを担当者と共有しておきましょう。住んでいる人はその魅力に意外と気づかないことがありますが、あらためて考えておくことで、スムーズに内覧者に説明することができます。

    アピールポイントについて、難しく考えることはありません。「スーパーが複数あって買い物が便利」「近くに大きな病院があるので安心」など、引っ越し後の生活がイメージできるように伝えるようにしましょう。

    余裕をもってスケジュールを立てる

    家の売却は3~6カ月程度かかることが多く、タイミングによっては1年近くかかることもあります。家の売却は余裕をもって計画し、売り急ぐことがないようにしましょう。

    たとえば家の売却代金を新居の購入費用に充てようとすると、早く売却したいがために値下げをすることになります。住み替えのタイミングを合わせることは難しいため、家の売却後に仮住まいすることも視野に入れて、計画をたてることをおすすめします。

    古い家は解体した方が高く売れる?

    2,000万円で買った家は、築年数によっては解体して、更地で売却した方が高く売れるのでしょうか。注意点も含めて解説します。

    家に資産価値がない場合は更地にする

    築30年以上の家など、建物に資産価値がないと思われるときは、更地にすることも視野に入れましょう。土地を購入して家を建てようと思っている人は、解体費がかからずすぐに建築できる更地を好みます。したがって家を解体することで、早期成約も望めるでしょう。

    また建物を引渡しした後に不具合が見つかった場合は、契約不適合責任を請求される可能性がありますが、建物がなければその心配もなくなります。

    固定資産税が高くなる可能性がある

    1月1日に土地や建物を所有している人に対して、固定資産税や固定資産税が課税されます。つまり家を解体することで建物に対する課税はなくなりますが、住宅用地に対する特例措置が適用されなくなるので注意が必要です。

    住宅用地に対する特例措置は以下の通りです。※1

    区分固定資産税都市計画税
    小規模住宅用地住宅用地で200㎡まで価格×1/6価格×1/3
    一般住宅用地200㎡を越える住宅用地価格×1/3価格×2/3

    2,000万円で買った家を売却するときの注意点

    最後に、2,000万円で買った家を、売却するときに注意すべき点を3つ紹介します。

    契約不適合責任に注意する

    売主は、不動産売買契約で定めた状態や数量の不動産を、買主に引き渡す義務があります。もし契約と異なる状態や数量であれば、修理して引渡すなどして契約を履行しなければなりません。修理しても買主の当初の目的を達せられない場合は、損害賠償請求や契約解除されることもありますので注意が必要です。

    家の設備に不具合がある場合は、きちんと説明したうえで、契約書にその旨を記載しましょう。買主が、不具合について了承のうえ購入するのであれば、問題ありません。

    また引渡し後の不具合などが心配な場合は、契約不適合責任について免除することを条件に契約することも可能です。

    オーバーローンに注意する

    「オーバーローン」とは、売買代金よりも住宅ローンの残債額が上回っている状態をいいます。つまりオーバーローンであるときは、買主から受け取る売買代金で住宅ローンを完済できないため、自己資金を用意するなどしなければなりません。

    家の売却を検討するときは、まず住宅ローンの残債額と売却想定価格を確認し、事前に資金計画を立てるようにしましょう。

    売却益が発生しなくても確定申告が必要なケースがある

    不動産を売却して利益が発生したら、確定申告して譲渡所得税を納税しなければなりません。しかし売却益が発生しないときでも、税金の特例措置の適用を受けるときは、確定申告が必要になるので注意が必要です。

    居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

    居住用財産は所有期間に関係なく、譲渡所得金額から最大3,000万円を控除できます。しかし自動的に控除されるわけではありません。この3,000万円の控除することで売却益が発生しない場合でも、確定申告が必要になりますので注意しましょう。※2

    まとめ

    2,000万円で買った家がいくらで売れるか知りたいときは、不動産会社に査定を依頼しましょう。査定額の根拠や競合物件の動向などを説明してもらうことで、家の適正価格を把握しやすくなり、高値で売却することに役立ちます。

    家の価格は築年数が大きく影響しますが、リフォームや改修工事をしている場合、資産価値を高く評価される可能性があります。訪問査定を依頼する際には、履歴が説明できるようにしておくとよいでしょう。

    そして契約不適合責任を請求されることがないよう、不具合や瑕疵については隠さずに説明するようにしましょう。


    ※1:住宅等に係る固定資産税・都市計画税の主な軽減制度一覧(23 区内)
    ※2:国税庁、No.3302 マイホームを売ったときの特例

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