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    マンション売却は5年以内が目安?税金や損しない注意点などを解説

    マンションの売却について調べているときに「5年以内」というワードを聞いたことはありませんか?

    「5年以内」と一口に言っても「築5年以内」と「購入してから5年以内」で、見え方が変わります。

    この記事では「5年以内」というワードが出てくる理由として、以下の場合に何が起こるのかを解説します。

    • 「築5年以内」のマンションを売却する場合
    • 「購入してから5年以内」のマンションを売却する場合

    あわせて、税金の節税に役立つ特例や、マンション売却で押さえておくべきポイントについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

    目次

    「築5年以内」のマンションを売却する場合

    「築5年以内」のマンションを売却する場合、売却価格が高くなる傾向があります。

    築5年以内のマンションは「築浅」とされるのが一般的です。

    築浅のマンションは、以下のような理由で人気があるため、売却価格が高くなりやすいのです。

    • 劣化が少ない
    • 見た目が綺麗
    • 設備が最新のものに近い
    • 直近で修繕工事がおこなわれない

    首都圏にある中古マンションの平均売却価格は、築年数で以下のように変わります。

    築年数売却価格1㎡あたりの売却価格
    ~5年6,638万円105.21万円
    6年~10年6,193万円93.76万円
    11年~15年5,543万円79.86万円
    16年~20年5,250万円74.01万円
    21年~25年4,290万円61.91万円
    26年~30年2,832万円44.57万円
    31年~2,193万円38.98万円
    表15-① 中古マンションの築年帯別状況[首都圏]

    上記のデータからも、築年数が浅いマンションほど、売却価格が高いことがわかります。

    売却価格を左右するのは、マンションの価値です。

    マンションの価値は、不動産の構造や用途に応じた「耐用年数」を基に計算されます。

    鉄筋コンクリート造のマンションにおける耐用年数は、47年です。※1

    耐用年数を過ぎると、資産としての価値がほぼなくなってしまいます。

    「購入してから5年以内」のマンションを売却する場合

    「購入してから5年以内」のマンションを売却する場合、譲渡所得税が高くなります。

    譲渡所得税とは、マンションの売却で利益が発生した場合に納める税金のことです。

    譲渡所得税は、課税譲渡所得に一定の税率をかけて計算します。

    売却したマンションの所有期間が5年以下の場合、譲渡所得は「短期譲渡所得」とされます。

    所有期間が5年を超える場合の譲渡所得は「長期譲渡所得」です。

    以下のように、長期譲渡所得よりも短期譲渡所得のほうが、税率が高くなります。

    所得税住民税復興特別所得税合計
    長期譲渡所得15%5%0.315%(15%×2.1%)20.315%
    短期譲渡所得30%9%0.63%(30%×2.1%)39.63%
    ※ 国税庁、長期譲渡所得の税額の計算
    ※ 国税庁、短期譲渡所得の税額の計算
    ※ マンションを売却したら住民税が上がる?税金の計算方法と軽減する方法を解説
    ※ 2037年までは復興特別所得税として、各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と合わせて申告し、納付することになります。

    また課税譲渡所得の計算式は、以下のとおりです。

    課税譲渡所得 = 不動産の売却金額 – ( 取得費 + 譲渡費用 ) – 控除

    控除がある場合、課税譲渡所得が低くなるため、納める譲渡所得税が安くなります。

    控除については「マンションの売却で使える特例【節税】」の章で解説します。

    取得費や譲渡費用、所有期間のカウント方法について、以下に詳しく見ていきましょう。

    取得費とは

    取得費とは、マンションの購入代金に、以下のような費用を加えたものを指します。

    • 購入時に納めた税金
    • 購入時に不動産会社に支払った仲介手数料
    • 購入後に追加した設備の取り付け費用
    • リフォーム費用

    取得費に含められるリフォーム費用は、壊れた箇所を直すためのリフォームではなく、改良するためのリフォームにかかった費用に限ります。

    またマンションの建物部分の取得費からは「減価償却費」をマイナスしなければなりません。

    築年数の経過によって下がった分の価値を、反映させるためです。

    減価償却費は、耐用年数に応じた「償却率」などを用いて計算します。

    計算式は、以下のとおりです。

    減価償却費 = 建物部分の購入金額 × 0.9 × 償却率 × マンションの所有期間

    鉄筋コンクリート造のマンションにおける償却率は、1.5%です。※2

    譲渡費用とは

    譲渡費用とは、マンションの売却費用のことです。

    以下のようなものが含まれます。

    • 不動産会社に支払った仲介手数料
    • 売買契約書に貼り付けた収入印紙の購入費用
    • 測量にかかった費用

    譲渡費用は、マンションの売却に「直接」かかった費用とされています。

    そのため、修繕にかかった費用や固定資産税は、譲渡費用に含まれません。

    「購入してから5年以内」の計算方法

    譲渡所得税を計算する際には「購入してから5年以内」の計算方法に、注意が必要です。

    譲渡所得税におけるマンションの所有期間は、毎年1月1日に更新されます。

    たとえば2020年4月にマンションを購入し、2025年5月に売却したとします。

    売却時点の所有期間は5年を超えていますが、2025年1月1日時点の所有期間は5年以下です。

    そのため「購入してから5年以内(=短期譲渡所得)」と見なされてしまいます。

    2020年4月に購入したマンションが長期譲渡所得と見なされるのは、2026年1月1日以降の売却です。

    譲渡所得税を安く抑えるために、長期譲渡所得になるまで売却を待つ場合は、所有期間のカウントを間違えないようにしましょう。

    マンションの売却で使える特例【節税】

    マンションの売却では、以下のような特例が使える可能性があります。

    • 軽減税率の特例
    • 3,000万円の特別控除の特例
    • 買換えの特例

    特例を使うと、控除によって譲渡所得税が安くなります。

    それぞれの特例や注意点について、詳しく見ていきましょう。

    軽減税率の特例

    「軽減税率の特例」を使うと、譲渡所得の税率が14.21%になります。

    税率の内訳は、所得税10%・復興特別所得税0.21%・住民税4%です。

    短期譲渡所得(税率39.63%)や、長期譲渡所得(税率20.315%)よりも税率が低いため、納める譲渡所得税が安く済みます。※3

    ただ軽減税率の特例を使っても、課税譲渡所得が6,000万円を超える部分は、税率20.315%で計算されます。

    軽減税率の特例が使えるのは、以下に挙げるすべての条件に当てはまる人です。

    • 自身が住んでいたマンションを売却する
    • マンションが日本国内にある
    • 売却年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えている
    • 買い手が親族ではない
    • 売却の前年・前々年に、軽減税率の特例を使っていない
    • マンションの売却にあたって、ほかの特例を使っていない

    次に解説する「3,000万円の特別控除の特例」は、軽減税率の特例とあわせて使うことができます。

    3,000万円の特別控除の特例

    「3,000万円の特別控除の特例」を使うと、譲渡所得税から3,000万円までの金額が差し引かれます。※4

    マンションの所有期間は問われません。

    3,000万円の特別控除の特例を使うための条件は、以下のとおりです。

    • 自身が住んでいたマンションを売却する
    • 売却の前年・前々年に「3,000万円の特別控除の特例」や「損益通算及び繰越控除の特例」を使っていない
    • 売却年と売却の前年・前々年に「買換えの特例」や「交換の特例」を使っていない
    • マンションの売却にあたって、ほかの特例を使っていない
    • 買い手が親族ではない

    節税効果が大きいため、条件に当てはまる場合は必ず使いましょう。

    買換えの特例

    「買換えの特例」を使うと、売却にかかる譲渡所得税を納める時期が、新しく購入した不動産の売却時まで延期されます。※5

    マンションを売却して新しい不動産を購入した(=買い換えた)場合に使える特例です。

    納税義務がなくなるわけではありませんが、売却時の譲渡所得税による負担がなくなるというメリットがあります。

    買換えの特例が使えるのは、以下の条件に当てはまる人です。

    • 自身が住んでいたマンションを、2023年12月31日までに売却する
    • 売却年と売却の前年・前々年に「軽減税率の特例」や「3,000万円の特別控除の特例」、「損益通算及び繰越控除の特例」を使っていない
    • マンションの売却にあたって、ほかの特例を使っていない
    • 売却したマンションと、新しく購入した不動産が日本国内にある
    • 売却金額が1億円を超えない
    • マンションに10年以上住んでいた
    • 売却年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えている
    • 買い手が親族ではない
    • 売却年の前年から翌年までの3年間に、新しい不動産を購入する

    新しく購入した不動産は、床面積が50㎡以上かつ、土地面積が500㎡以下でなければなりません。

    ほかにも、省エネ基準や耐震基準などにおける条件があります。

    詳しい条件は、国税庁のホームページから確認してください。

    特例の注意点

    マンションの売却で特例を使う際には、以下の2点に注意してください。

    • 住宅ローン控除との併用
    • 確定申告

    住宅ローン控除とは、住宅ローンの残高に応じた一定額が、所得税や住民税から差し引かれる制度のことです。

    マンションの売却で使える特例のなかには、住宅ローン控除との併用ができないものがあります。

    この記事で紹介した3つの特例は、いずれも住宅ローン控除と併用できません。

    節税効果や利用条件を踏まえて、自身に合った節税方法を選びましょう。

    またマンションの売却で特例を使った場合、利益の有無にかかわらず確定申告が必要です。

    確定申告は、マンションを売却した翌年の2/16〜3/15の間におこないます。

    申告書を作成し、必要書類とあわせて税務署に提出してください。

    申告先は、売却したマンションを管轄する税務署ではなく、現住所を管轄する税務署です。

    使う特例によって、確定申告に必要な書類が変わります。

    この記事で紹介した特例を使う際の必要書類は、以下のとおりです。

    特例の種類確定申告の必要書類
    軽減税率の特例・譲渡所得の内訳書・登記事項証明書
    3,000万円の特別控除の特例・譲渡所得の内訳書
    買換えの特例・譲渡所得の内訳書・登記事項証明書・マンションが国内にあることを証明する書類・10年以上住んでいたことを証明する書類・売買契約書の写し・新しく購入した不動産に関する書類

    サラリーマンの場合も、マンションを売却した翌年には、確定申告をおこなわなければなりません。

    マンションの売却時に押さえておくべき注意するポイント

    マンションを売却する際には、築年数や所有期間にかかわらず、押さえておくべきポイントがあります。

    具体的には、以下の3つです。

    • 不動産会社選びに力を入れる
    • 売却価格は相場に合わせる
    • 売却前後の資金計画を具体的に立てる

    ポイントを押さえることで「売却で損をした」「買い手が見つからない」という事態を、避けられる可能性が高くなります。

    ひとつずつ見ていきましょう。

    不動産会社選びに力を入れる

    媒介契約を結ぶ(=売却を依頼する)不動産会社は、力を入れて選びましょう。

    不動産会社によって、以下のようなポイントに差が出るためです。

    • 買い手の付きやすさ
    • 売却金額の高さ
    • サービスの手厚さ

    マンションを早く・高く売却するためには、マンション売却の実績が豊富な不動産会社を選ぶことが大切です。

    実績が豊富な不動産会社には、効果的な売却活動のノウハウがあります。

    不動産会社の実績は、ホームページや口コミ、担当者の話から確認しましょう。

    またマンション売却におけるサービスには「瑕疵保証」や「買取保証」など、さまざまな種類があります。

    自身に必要なサービスを提供してくれる不動産会社を選んでください。

    複数の不動産会社に相談し、実績やサービス内容、担当者の対応などを比べることが大切です。

    売却価格は相場に合わせる

    マンションの売却価格を相場に合わせることも、押さえておくべきポイントのひとつです。

    相場よりも高すぎる売却価格を設定してしまうと、買い手が付きづらくなります。

    同じような条件のマンションが売り出されている場合、価格が安い方に買い手が流れてしまうためです。

    またマンションを早く売ろうと、売却価格を安くしすぎるのも、おすすめしません。

    利益が小さくなるだけでなく、買い手に「何か問題があるマンションなのでは?」と思われてしまう可能性があるためです。

    売却するマンションの相場を把握しておき、適切な売却価格を設定しましょう。

    売却前後の資金計画を具体的に立てる

    マンションの売却前後の資金計画は、具体的に立てましょう。

    資金計画がルーズだと、売却後の生活が苦しくなったり、売却が頓挫したりする原因となります。

    具体的な資金計画を立てるには、マンションの売却活動を始める前に、以下を把握しておくことが大切です。

    • 住宅ローンの残高
    • 売却に使える資金の上限額
    • 売却後の生活に必要な資金
    • 売却にかかる費用

    とくに不動産を購入してすぐに売却する場合は「オーバーローン」に気をつけましょう。

    オーバーローンとは、住宅ローンの残高が、マンションの売却による利益を上回る状態を指します。

    オーバーローンになる場合、資金計画が崩れてしまうケースがあります。

    住宅ローンの残高と売却による利益の差額を、自己資金で埋めなければならないためです。

    不動産会社や金融機関に相談しながら、具体的な資金計画を立ててください。

    まとめ

    マンション売却で「5年以内」というワードが出てくる理由は、1つではありません。

    「築5年以内」のマンションを売却する場合、売却価格が高くなりやすいというメリットがあります。

    「購入してから5年以内」のマンションを売却する場合は、譲渡所得税が高くなるというデメリットがあります。

    5年以内のマンション売却は、視点によって良し悪しが変わるのです。

    マンションを高く売りたい場合は「築5年以内に売却したほうが良い」と言えます。

    一方で、納める税金の額を考えると「購入してから5年以内には売却しないほうが良い」という結論になります。

    マンションの売却時に使える特例や控除、築年数に応じた売却価格などを総合的に考えて、自身に適したタイミングで売却しましょう。

    マンションを売却する際には、この記事で紹介した「押さえておくべきポイント」も参考にしてください。


    ※1:国税庁、主な減価償却資産の耐用年数表
    ※2:国税庁、「減価償却費」の計算について
    ※3:国税庁、No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
    ※4:国税庁、No.3302 マイホームを売ったときの特例
    ※5:国税庁、No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例
    ※6:

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