マイホームを手放そうとする際、「任意売却に強い不動産会社はどこなのだろうか」「業者の選び方を知りたい」と考える方もいるでしょう。
できる限り住宅ローンの残債を少なくして、お金の負担を軽くしたいと思うときもあるのではないでしょうか。
任意売却を依頼する不動産会社・相談先を選ぶ際は、実績やわかりやすい料金体系、担当者の対応などを意識して選ぶと成功しやすくなります。
本記事では任意売却の仕組みやデメリット、検討するときの相談先や業者の選び方などを解説します。
任意売却に強い不動産会社や相談先も紹介するため、マイホームを手放そうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
任意売却とは?

住宅ローンの返済が困難になった際の解決策として「任意売却」という方法があります。
しかし、具体的にどのような仕組みなのか、強制的に売却される「競売」とは何が違うのか、分からない方もいるでしょう。
この章では、任意売却の基本的な知識について解説します。
- 任意売却の仕組み
- 任意売却と競売の違い
- 任意売却のメリット・デメリット
それぞれの項目について詳しく解説します。
任意売却の仕組み
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった際に、債権者の合意を得て、不動産を売却する方法のことです。
通常、住宅ローンが残っている不動産には金融機関が抵当権を設定しており、ローン残額分を全額返済しないと抵当権を抹消できません。
しかし、任意売却であれば売却代金よりもローン残額が多く、売却後に残額が残っても債権者が抵当権を抹消してくれます。
ただし、売却後に残った残額は無担保ローンとして全額返済する必要があります。
このように、債権者と協力しながら競売を回避し、より良い条件での解決を目指すのが任意売却の基本的な仕組みです。
任意売却と競売の違い
任意売却と競売の最も大きな違いは、売却手続きに所有者と債権者の意思が反映されるかどうかという点にあります。
任意売却は、所有者自身が売却活動の主体となり、債権者の同意を得つつ購入希望者を探す方法です。
一方の競売は、所有者の意思とは関係なく、裁判所が強制的に不動産を売却する手続きを指します。
【任意売却と競売の主な違い】
| 項目 | 任意売却 | 競売 |
|---|---|---|
| 主導者 | 所有者・債権者 | 裁判所 |
| 売却価格 | 市場価格に近い | 市場価格の5〜7割程度 |
| プライバシー | 通常の売却と同じで守られやすい | 情報が公開される |
| 引渡し時期 | 交渉により調整可能 | 裁判所が指定した日 |
このように、価格やプライバシー、引渡しの時期など多くの面で、任意売却のほうが所有者にとって有利な条件で進められる可能性があります。
そのため、競売を回避するための有効な手段として任意売却が選択される傾向にあります。
任意売却のメリット・デメリット
任意売却には多くのメリットがある一方、注意すべきデメリットも存在します。どちらも正しく理解した上で、手続きを進めることが重要です。
任意売却のメリット・デメリットは次の表を参考にしてください。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 市場価格に近い価格で売却できる | 信用情報機関に登録される |
| プライバシーが守られる | 債権者全員の同意が必要 |
| 残債の分割返済交渉がしやすい | 必ず売れるとは限らない |
| 連帯保証人に影響が及ぶ |
これらのメリット・デメリットを十分に理解し、専門家と相談しながら慎重に判断することが求められます。
どうしたらよいかわからない場合は、後ほど「任意売却する際の3つの相談先」の章で紹介する専門家に相談してみましょう。
任意売却する際の3つの相談先

任意売却を決断した場合、次に考えなければならないのが「誰に相談するか」です。
相談先にはそれぞれ専門分野や役割があり、自身の状況に合わせて適切な相手を選ぶ必要があります。
主な相談先は、以下の3つです。
- 弁護士・司法書士
- 金融機関
- 不動産会社
それぞれの相談先の特徴や、どのような場合に相談するのが適しているのかを具体的に解説します。
弁護士・司法書士
弁護士は、法律の専門家として任意売却に関わる法的な手続き、債権者との交渉を代理でおこなうことができます。
とくに、任意売却だけでなく自己破産や個人再生といった、債務整理も同時に検討している場合には非常に頼りになる存在です。
法的な観点から、依頼者にとって最善の解決策を提案してくれるでしょう。
ただし、弁護士や司法書士は不動産売却そのものの専門家ではないため、売却活動自体は別途、提携する不動産会社へ依頼するのが一般的です。
また、相談料や着手金といった費用が発生する場合が多い点にも注意が必要です。
金融機関
住宅ローンを借り入れている銀行などの金融機関は、返済が困難になった際に最初に相談する窓口となります。
そもそも任意売却を進めるためには、債権者の同意が不可欠なため、いずれにせよ担当者へ連絡し、現状を正直に伝える必要があります。
しかし、金融機関はあくまでお金を貸している債権者の立場で、相談には乗ってくれますが、債務者の利益を最優先に考えるわけではありません。
また、不動産会社の選定や具体的な売却活動を主導してくれるわけではない点も理解しておく必要があります。
不動産会社
不動産会社は、任意売却における一連の実務を担う中心的な存在です。
物件の価格査定から販売活動、購入希望者との交渉、そして債権者との調整まで、売却に関するすべてのプロセスを専門家としてサポートします。
とくに任意売却を専門に扱う不動産会社は、金融機関やサービサーなどの債権者との交渉ノウハウが豊富であり、手続きを円滑に進めるための重要なパートナーとなるでしょう。
相談から売却完了までをワンストップで任せられるため、精神的な負担が大きく軽減される点もメリットです。
任意売却を成功させるためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが極めて重要といえます。
任意売却を依頼する不動産会社の選び方

任意売却の成否は、パートナーとなる不動産会社選びにかかっているといっても過言ではありません。
しかし、数多くの不動産会社の中から、どこを信頼すれば良いのか見極めるのは難しいものです。
ここでは、後悔しないために押さえておくべき不動産会社の選び方のポイントを5つ紹介します。
- 任意売却の実績
- 明朗な料金体系
- 専門家との連携体制
- 担当者の対応・態度
- 任意売却後のアフターフォロー
これらのポイントを一つひとつ確認し、安心して任せられる会社を見つけましょう。
任意売却の実績
不動産会社を選ぶ上で最も重視すべきなのは、任意売却の取り扱い実績が豊富であることです。
任意売却は、通常の不動産売却とは異なり、債権者との交渉や複雑な権利関係の調整など、高度な専門知識と経験が必要になります。
そのため、実績が少ない会社では、交渉が難航したり、手続きに時間がかかったりすることも珍しくありません。
任意売却に強い不動産会社を見つけたいときは、会社のウェブサイトで過去の取引事例や相談件数が公開されているかを確認しましょう。
任意売却を専門分野として掲げ、多くの案件を解決してきた実績がある会社は、それだけ多くのノウハウを持っている証となります。
明朗な料金体系
任意売却にかかる費用について、事前に分かりやすく、そして明確に説明してくれる不動産会社を選ぶことが重要です。
中には、依頼者の不安な気持ちにつけ込み、法律で定められた仲介手数料とは別に、不当に高額なコンサルティング料などを請求する悪質な業者も存在します。
経済的に困窮している状況で、さらに金銭的なトラブルに巻き込まれることは絶対に避けなければなりません。
仲介手数料の上限額は、宅地建物取引業法で定められています。
もし、それ以外の費用を請求された場合には、内訳や根拠について、納得できるまで説明を求めましょう。
料金体系がクリーンであることは、その会社の信頼性を測るための重要な指標です。
専門家との連携体制
弁護士や司法書士といった法律の専門家と、緊密な連携体制を築いている不動産会社を選ぶことも安心材料のひとつです。
任意売却の手続きの中では、抵当権の抹消登記や、売却後の債務整理など、法的な専門知識が必要となる場面も少なくありません。
また、状況によっては自己破産などの債務整理を検討する必要も出てくるでしょう。
不動産会社が、信頼できる法律の専門家とネットワークを構築していれば、そうした事態が発生した際にもワンストップで迅速に対応してもらえます。
複雑な問題をスムーズに解決するためにも、専門家との連携体制が整っているか確認することをおすすめします。
担当者の対応・態度
手続きを円滑に進めるためには、親身になって話を聞き、依頼者の状況に心から寄り添ってくれる担当者かどうかを見極めることが非常に大切です。
デリケートな問題を打ち明けることになるため、担当者との信頼関係がなければ、最後まで乗り越えることは難しいでしょう。
初回の相談時に、メリットだけでなくデメリットも誠実に説明してくれるか、質問に対して丁寧かつ的確に答えてくれるかなどを注意深く確認しましょう。
流れ作業のように話を進めたり、高圧的な態度を取ったりする担当者であれば、依頼するのは避けるのが無難です。
任意売却後のアフターフォロー
不動産を売却して終わりではなく、その後の生活再建まで見据えたサポート体制が整っているかどうかも、不動産会社選びの重要なポイントです。
任意売却後も、ローンの残債返済や新しい住まいの確保など、解決すべき課題は残ります。
たとえば、任意売却を経験した方は、賃貸住宅を借りる際に入居審査で苦労するケースがあります。
そうした際に、引越し先の相談や家主との交渉をおこなう会社であれば、安心して新しい生活のスタートを切れるでしょう。
売却をゴールと捉えず、依頼者の未来まで考えてくれる、長期的な視点を持った不動産会社を選ぶことが望ましいといえます。
任意売却の相談先に迷ったらファンズ不動産がおすすめ!
任意売却を進めるうえで、不動産会社選びはとても重要です。状況に応じた判断や債権者との調整など、専門的な対応が求められるため、「どこに相談すればいいのか分からない」と悩む方も少なくありません。
そんな時は、まず安心して相談できる会社を選ぶことが大切です。ファンズ不動産は、不動産売却に関するさまざまな悩みを気軽に相談できる存在として多くの方に利用されています。
任意売却の相談先に迷っている方は、早めに相談し、状況に合った進め方を確認してみることをおすすめします。
信頼度の高い買主とマッチングが可能
ファンズ不動産は、キュレーターの価値観に「共感」した、購買意欲の高いユーザーへ物件情報を届けます。
キュレーターは日頃からSNSで専門知識やライフスタイルを発信しており、人柄や実績が公開されています。
そのため単なる物件情報としてではなく、「あのキュレーターが勧める物件」という信頼度の高い情報として不動産情報を届けることが可能です。
情報発信のプロセスを介することで、物件の背景にあるストーリーや価値観を理解してくれる買主と出会う確率も高められるでしょう。
ぜひファンズ不動産で、物件への想いを共有できる「信頼できる買主」とのマッチングを実現してみましょう。
売却査定から引渡しまで、安心のワンストップ対応
ファンズ不動産は、LINEを活用した効率的なプロセスと、幅広い専門知識でスムーズな不動産売却を実現します。
相談は「オンライン面談」から始まり、やり取りもLINEメインでおこなうため、店舗へ足を運ぶ手間も最小限です。
また土地のプロやリノベーションの専門家も在籍しているので、専門知識が必要な相談も窓口一つで完結します。忙しい方でも、スムーズで安心な売却活動が可能です。
日中は仕事で時間が取れない方や、複雑な手続きをまとめて任せたい方でも、ストレスなく売却活動を進められます。
任意売却に強い不動産会社・相談先のおすすめ17選

任意売却を相談できる窓口は数多く存在し、それぞれに特徴や強みがあります。
ここでは、任意売却の相談先として考えられる主な企業や団体を17カ所紹介します。
各社の情報を比較し、ご自身の状況に合った相談先を見つけるための参考にしてください。
任意売却Dr.
任意売却Dr.は、株式会社クラフトレジデンスが運営する相談窓口です。
相談を担当するスタッフは全員金融機関の出身者であり、各自が持つ知識やネットワークを通じて、相談者を最大限支援してくれるため、安心して身を任せることができます。
ウェブサイトでは具体的な解決事例も数多く紹介されており、その専門性の高さがうかがえます。
任意売却119番
任意売却119番は、任意売却支援機構株式会社が運営するサービスです。
親子間売買やリースバックにも対応しており、売却後も住み続けたいと考える方にもおすすめできる相談先です。
相談から最短24時間で査定結果を提示するスピード対応を強みとしています。
住宅ローン滞納問題相談室
一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室は、住宅ローンの支払いに困っている方の支援をおこなっており、任意売却やリースバックの相談を受け付けています。
中立的な立場から、相談者の状況に合わせたアドバイスを提供しています。
不動産会社だけでなく、弁護士やファイナンシャルプランナーとも連携している点が特徴です。
全日本任意売却支援協会
全日本任意売却支援協会は、一般社団法人として運営されている全国規模の組織です。
公式サイトでは、最短2日ですべてを解決するとアピールしているため、現状をどう打破すればいいのか見当もつかず悩んでいる方におすすめです。
年間で1,500件を超える相談に対応しているほか、成功率は78.8%と実績も豊富です。
任意売却支援センター
任意売却支援センターは、株式会社セルバ・プランニングが運営する相談窓口です。
創業30年の歴史と豊富な相談実績を持っているため、任意売却で不安を感じる方でも安心できます。
引越し代金の確保や、売却後の残債務に関する交渉サポートなど、生活再建に向けた手厚いフォロー体制を特徴としています。
任意売却エージェント.com
任意売却エージェント.comは、RER Agency株式会社が運営しています。
営業方法をインターネットに絞っており、少数精鋭のメンバーによるサービスの提供を心がけています。
他社よりも諸費用を下げられる可能性があるため、なるべく安く手続きを進めたい方におすすめです。
東京都任意売却支援協会
一般社団法人東京都任意売却支援協会は、東京都港区に事務所を構えており、東京都で住宅ローンに悩む方を対象にしています。
地域性を熟知したスタッフが、都内の金融機関との交渉や売却活動を円滑に進めるため、地元に根差したサポートを求める方に向いています。
リトライ
リトライは、株式会社ネクサスプロパティマネジメントが運営する任意売却の専門サービスです。
公式サイトのトップページには、ローン残額、借入残期間、現在の状況の3つを入力するだけで自身に最適な解決策を簡易診断してくれる機能があるため、ひとつの参考になるでしょう。
これまでの任意売却の対応実績、よくある質問などを通じてさまざまな情報を提供しているため、気になる方は公式サイトを覗いてみてください。
エイミックス
株式会社エイミックスは、任意売却専門の不動産会社です。
関西と関東を中心に全国からの相談に対応しており、各地に設置されている相談室で直接相談に応じてくれるだけでなく、自身の住んでいる地域に訪問してもらって話を聞いてもらうことも可能です。
土日祝日でも相談に応じてもらえるため、週末しか時間がとれないという方にもおすすめです。
ラクいえ売却
ラクいえ売却は、一建設株式会社が運営する不動産売却サービスです。
東京や横浜、大阪や名古屋に営業所を構え、買取や引越し代サポート制度を提供しており、任意売却の相談もできます。
売却後も今の家に1年間無料で住み続けられるフリーレント制度もあるため、じっくりと新居を探したいと考えている方に向いています。
任意売却相談ナビ
任意売却相談ナビは、名前のとおり任意売却を専門にしている相談先です。
事務所は東京にありますが、メールや電話での相談を全国から受け付けており、住宅ローンの滞納で悩んでいる方が幅広く利用できます。
任意売却だけではなく、売却後も家に住み続けられるリースバック、借金問題なども相談できるため、まずは無料相談してみるのもよいでしょう。
住みつづける任意売却
住みつづける任意売却は、株式会社ミライエが提供するサービスです。
名前のとおりリースバックを活用して、売却後も現在の家に住み続ける方へ向けたサービスを提供しています。
任意売却後も環境は変えたくない、子どものために引越ししたくないと考える方は、住み続ける任意売却がおすすめです。
三井のリハウス
三井のリハウスは、三井不動産リアルティ株式会社が運営する業界大手の不動産ブランドです。
任意売却を専門とする部門はありませんが、全国的なネットワークと高いブランド力を活かした売却活動が期待できます。
ただし、任意売却に関する専門知識や交渉力は、担当者によって差が出る可能性があるため、相談する際に確認してください。
東急リバブル
東急リバブル株式会社も、全国に店舗網を持つ大手不動産仲介会社です。
三井のリハウスと同様に、任意売却を専門にはしていませんが相談自体は可能で、知名度や全国的なネットワークを活用して売却できる可能性があります。
幅広い買主候補へアプローチできる販売力が強みですが、任意売却特有の手続きへの対応力は事前に確認が必要です。
インテリックス
株式会社インテリックスは、中古マンション再生流通事業を主力とする会社です。
マンションの買取やリースバックで住み続けられるサービスを提供しており、経済的な負担を軽減できる可能性があります。
任意売却の相談も可能なため、住宅ローンの支払いが苦しく、月々のお金の負担を軽くしたいと考えている方はインテリックスに無料で相談しましょう。
お住い買取隊
お住い買取隊は、株式会社ランドメイトが運営する不動産買取サービスです。
会社自体は兵庫県にありますが、電話やメールで全国の問い合わせに対応しており、任意売却の相談もできます。
なかなか売れないような訳あり物件でも買取しているため、他社で断られた場合の相談先としてもおすすめです。
ライフテラス株式会社
ライフテラス株式会社は、主に任意売却やリースバックの実績が豊富な会社です。
住宅ローンや税金に困っている方を対象に無料相談を受け付けており、専門の相談員が親身に対応しています。
対応エリアは関西や関東、九州ですが都道府県が限られているため、自身が相談できるかまずは確認してください。
任意売却の流れや手続き方法

任意売却は、通常の不動産売却とは異なる手順を踏む必要があります。事前に全体像を把握しておけば、落ち着いて手続きを進められるでしょう。
ここでは、任意売却の一般的な流れを5つのステップに分けて解説します。
- 金融機関に相談する
- 不動産会社に依頼する
- 売却活動をおこなう
- 売買契約を結ぶ
- 決済・引き渡し
各ステップで何をおこなうのか、具体的に見ていきましょう。
1:金融機関に相談する
住宅ローンの返済が困難になったら、最初におこなうべきことは、ローンを借り入れている金融機関への相談です。
返済を滞納したまま放置してしまうと、自動的に競売の手続きに進んでしまいます。
任意売却を検討している旨を正直に伝え、今後の返済計画について相談することが第一歩です。
この段階で金融機関から任意売却の内諾を得ることが、次のステップに進むための前提条件となります。
早めに相談することで、金融機関との信頼関係を維持し、交渉を円滑に進めやすくなります。
2:不動産会社に依頼する
債権者の同意が得られたら、次は任意売却を任せる不動産会社を選び、媒介契約を結びます。
媒介契約とは、不動産の売却活動を正式に依頼するための契約です。
この契約を締結することで、不動産会社は売主の代理人として、物件の査定や販売活動、金融機関との交渉を開始できます。
前述した「不動産会社の選び方」を参考に、複数の会社から話を聞き、最も信頼できると感じた会社と契約を結びましょう。
このパートナー選びが、任意売却の成功を大きく左右します。
3:売却活動をおこなう
媒介契約を結んだ不動産会社が、物件の売却活動を開始します。
まず、周辺の相場や物件の状態を基に査定をおこない、債権者と協議の上で売出価格を決定します。
その後、不動産情報サイトへの掲載や広告活動を通じて購入希望者を探し、内覧の希望があれば、日程を調整して対応しましょう。
売却活動期間は、通常の不動産売却とほぼ同じ流れで進むため、業者と密に連携を取りながら、早期契約を目指します。
4:売買契約を結ぶ
購入希望者が見つかり各種条件交渉がまとまったら、売買契約の締結に進みます。
しかし、売買契約前に売却価格や代金の配分案などについて、債権者の同意を得なければなりません。
不動産会社が中心となって交渉を進め、債権者から諸条件や「抵当権を抹消する」という合意を取り付けます。
すべての関係者の合意が得られて初めて、購入希望者と正式な売買契約を結ぶことができます。
この債権者との交渉が、任意売却における最大のポイントです。
5:決済・引き渡し
売買契約で定められた日に、買主から売主へ売却代金が支払われる「決済」がおこなわれます。
決済は通常、金融機関の応接室などに関係者全員が集まっておこなわれます。
決済されたあと同席している司法書士が、抵当権の抹消や所有権移転登記の手続きをおこなう流れが一般的です。
すべての手続きが完了したら、買主に鍵を渡して物件の「引き渡し」をおこないます。
任意売却を不動産会社に依頼するときによくある質問

任意売却は複雑な手続きを伴うため、多くの方がさまざまな疑問や不安を抱えています。
最後に、任意売却を不動産会社に依頼する際によく寄せられる質問について回答します。
契約期間中でも不動産会社を変更できる?
媒介契約の期間中であっても、不動産会社の変更は可能です。
販売活動に熱心でない、報告が遅いなど、不動産会社の対応に不満がある場合は、変更を検討するのも一つの選択肢です。
ただし、契約期間中に解約する場合は不動産会社の業務怠慢や虚偽報告など、正当な事由がなければ媒介契約は解除できません。
正当な事由がない場合に中途解約すると、広告費用や活動費などを請求されるケースもあります。
悪質な業者の見分け方は?
悪質な業者の主な見分け方は、次のとおりです。
- 仲介手数料以外のお金を請求する
- 専属、専属専任での契約を強要する
- デメリットや注意点の説明がない
少しでも「おかしい」と感じたら、その場での契約は絶対に避け、複数の会社の話を聞いて慎重に判断してください。
任意売却後の残債はどうなる?
任意売却で不動産を売却しても、売却価格が住宅ローン残高を下回り、債務が残ります。
住宅ローンの残債は、売却後に不動産会社が債権者と交渉し、無理のない範囲での分割返済計画を立てていきます。
収入や生活状況に応じて、月々5,000円から30,000円程度の範囲で返済していくのが一般的です。
まとめ

任意売却のメリットやデメリット、依頼する不動産会社の選び方や手続きの流れなどを解説しました。
マイホームを任意売却する際、次の点を意識して不動産会社を選ぶと、成功する可能性を上げられます。
- 任意売却の実績
- 明朗な料金体系
- 専門家との連携体制
- 担当者の対応・態度
- 任意売却後のアフターフォロー
一般的に任意売却の成功率は50〜60%とされており、信頼できる不動産会社・相談先を見つけられるかが大切です。
任意売却を検討している方は、はじめに金融機関に相談してから、依頼する不動産会社を慎重に選んでください。


