相続などで空き家を所有した場合、適切な管理や処分が求められます。
しかし、「解体したいが費用が高額」「放置して近所に迷惑をかけたくない」と悩み、解体費用に使える補助金がないか調べている方も少なくありません。
空き家の解体には、国や自治体の補助金制度が利用できる場合がありますが、申請には条件があり、固定資産税が高くなる可能性があるといった重要な注意点も存在します。
この記事では、空き家解体費用の補助金について、その種類、上限額、具体的な支給条件、申請の流れを解説します。
補助金利用のメリットだけでなく、固定資産税などのデメリットも事前に知ることで、自身の状況に最適な判断を下すための知識が得られます。
空き家の処分や費用負担でお悩みの方は、ぜひご一読ください。
空き家解体費用の補助金はどこから給付される?

空き家の解体には多くの費用がかかりますが、国や自治体が費用の一部を補助してくれる制度が用意されています。
これらの補助金制度は、それぞれの地域や目的によって内容が異なるのが特徴です。
ここでは、補助金の主な給付元と、制度が設けられている理由について解説します。
各自治体から給付される
空き家の解体費用に関する補助金は、多くの場合、市区町村や都道府県などの各自治体によって設けられている制度です。
国土交通省の「空き家対策総合支援事業」など、国の支援事業をもとに、各自治体が基準や予算を決めて運用しています。
そのため、補助金の有無、金額、条件は、空き家が所在する自治体によって大きく異なります。
まずは、空き家がある地域の役所や公式サイトで、制度の有無や内容を確認しておきましょう。
補助金が給付される理由
空き家の解体に補助金が給付される主な理由は、放置された空き家が引き起こすさまざまな社会問題を未然に防ぐためです。
老朽化した空き家は、倒壊の危険や景観の悪化だけでなく、不法投棄や放火といった犯罪につながるリスクがあります。
自治体は、これらの問題が深刻化する前に、所有者による自主的な解体や適正な管理を促す目的で、費用の一部を補助する制度を設けています。
なかでも、危険性が高いと判断された「特定空家」の解消は、全国の自治体が取り組むべき重要な課題のひとつです。
空き家解体費用の補助金の種類

空き家の解体費用に利用できる補助金には、目的や対象によっていくつかの種類があります。
主な補助金の種類として、次の3つが挙げられます。
- 老朽危険家屋解体撤去補助金
- 都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
- 建て替え建設費補助金
ここでは、それぞれの補助金の内容について詳しく解説します。
老朽危険家屋解体撤去補助金
老朽危険家屋解体撤去補助金とは、倒壊の恐れがあるなど、特に危険性が高いと認定された空き家の解体を支援する制度のことです。
近隣住民への被害を防ぐことを目的として、自治体が設けています。
自治体による現地調査の結果、「特定空家」に指定されたり、一定の基準を満たしたりすることが申請の条件となる場合が一般的です。
補助金額は他の制度よりも手厚い傾向がありますが、その分、対象となる条件は厳しく設定されています。
都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金は、歴史的な街並みや観光地など、特定の地域の景観を維持・向上させることを目的とした制度です。
景観を損ねている老朽化した空き家の解体を促進し、地域の魅力や安全性を高める狙いがあります。
対象となるのは「都市景観形成地域」や「歴史的風致維持向上地区」など、条例で定められた特定のエリア内に存在する空き家に限定されます。
該当する地域に空き家を所有している場合は、自治体の都市計画課や景観担当課などに相談してみるとよいでしょう。
建て替え建設費補助金
建て替え建設費補助金は、既存の古い家屋を解体し、その土地に新たに住宅を建設する場合に利用できる制度です。
空き家の解消に加えて、耐震性や省エネ性能の高い住宅を増やすこと、良質な住宅ストックを増加させることを目的としています。
解体費用だけでなく、新築工事の一部を補助対象とする自治体もあります。
ただし、新しく建てる住宅には、耐震基準や省エネ基準を満たすなど、一定の条件が設けられている点に注意が必要です。
空き家を解体した後の土地に、自分や家族が住むための家を新築する予定がある方に適した制度といえるでしょう。
空き家解体費用の補助金の支給条件と上限

補助金を受け取るためには、自治体が定める条件を満たす必要があり、支給される金額にも上限が設定されています。
ここでは、一般的な支給条件と金額の上限目安について解説します。
補助金の支給条件
補助金の支給条件は自治体ごとに異なりますが、一般的には対象となる建物の老朽度や危険性、そして申請者の所得に関する要件が定められています。
誰でも無条件で受けられるわけではなく、公的な支援が妥当と判断されるケースに限られます。
設定されていることが多い条件の一例は、次のとおりです。
【補助金の主な支給条件の例】
- 自治体による耐震診断で「倒壊の危険性あり」と判定されている
- 「特定空家」または「管理不全空家」に認定されている
- 一定の年数以上(例:1年以上)使用されていない
- 申請者の前年の所得が一定額以下である
- 税金(固定資産税など)の滞納がない
これらの条件はあくまで目安であり、詳細や適用範囲は自治体によって異なります。
どの条件が該当するかを確認する際は、必ず自治体の担当窓口で最新情報をチェックしておきましょう。
上限の目安は100万円
補助金の上限額も自治体によりますが、目安としては50万円から100万円程度に設定されているケースが多く見られます。
補助金の額は、「解体費用の実費の〇分の1」といった補助率と、「上限〇〇万円」という上限額の、どちらか低い方の金額が適用されるのが一般的です。
たとえば、補助率が1/2、上限が50万円の制度の場合、解体費用が80万円なら40万円(80万円の1/2)が支給されます。
解体費用が200万円だった場合は、計算上は100万円(200万円の1/2)になりますが、上限額の50万円が適用されます。
全額が補助されるわけではないため、自己負担額がいくらになるかを事前に試算しておくことが大切です。
自治体ごとの空き家解体費用の補助金の例

空き家解体の補助金制度は、お住まいの自治体によって名称や内容が大きく異なります。
自治体による助成金の一例は、次の表を参考にしてください。
| 地域 | 制度名 |
|---|---|
| 東京都世田谷区 | 老朽建築物の除却助成 |
| 神奈川県横浜市 | 住宅除却補助制度 |
ただし、制度の有無や内容は年度によって変わる可能性があるため注意が必要です。
空き家がある市区町村の公式ウェブサイトを確認し、補助金制度のページを探してみましょう。
多くの場合、「空き家対策」「住宅政策」「建築指導課」といった項目の中に情報が掲載されています。
インターネットで調べる際は、「(自治体名) 空き家 解体 補助金」といったキーワードで検索してみましょう。
また、都道府県が市区町村を支援する形の制度を設けている場合もあります。
情報が見つからない場合や内容が分かりにくい場合は、役所の担当窓口に直接問い合わせてみるのがおすすめです。
空き家解体費用の補助金を受け取るまでの流れ

補助金を受け取るためには、定められた手順に従って申請と報告をおこなう必要があります。
特に重要なのは、工事を始める前に申請を済ませることです。
一般的な流れは次の通りです。
- 工事前に交付申請する
- 自治体による審査を受ける
- 解体工事の開始
- 工事後に必要書類を提出する
ここからは、各ステップでの具体的な内容を解説します。
1:工事前に交付申請する
補助金を申請する際は、解体工事の契約や着工前に必ず交付申請をおこなう必要があります。
申請をする前に工事を始めてしまうと、ほとんどの自治体では補助金の対象外となってしまうため注意してください。
申請時には、申請書のほか、解体業者の見積書、建物の現況写真、全部事項証明書(登記簿謄本)など、多くの書類提出を求められます。
書類の不備があると手続きが遅れることもあるため、事前に必要な書類を確認し、余裕を持って準備を始めることが重要です。
手続きの流れが分からない場合は、まず、自治体の窓口で事前相談をしておくと安心です。
2:自治体による審査を受ける
申請書類を提出すると、自治体による審査がおこなわれます。
申請内容が補助金の要件を満たしているか、書類に不備はないか、建物の危険性がどの程度かなどがチェックされます。
審査には、数週間から1ヶ月以上かかるのが一般的です。
審査を通過すると、「交付決定通知書」といった書類が送付されます。
この通知を受け取って初めて、正式に工事の契約・着工が可能となります。
3:解体工事の開始
自治体からの「交付決定通知書」を受け取った後、解体工事を開始します。
通知を受け取る前に着工してしまうと補助金の対象外となるため、必ず許可を確認してから進めましょう。
工事は、申請時に見積書を提出した業者に依頼するのが一般的です。
工事中は、補助金の精算時に必要となる工事中の写真や廃棄物の処理証明などを、業者側で準備してもらうよう伝えてください。
自治体によっては、工事内容に変更がある場合に別途手続きが必要なこともあるため、慎重に進める必要があります。
4:工事後に必要書類を提出する
解体工事が完了したら、自治体に対して「実績報告書」を提出します。
申請通りの工事が正しくおこなわれたことを証明し、補助金額を確定させるための手続きです。
報告書には通常、工事請負契約書のコピー、領収書のコピー、工事中および工事完了後の写真、廃棄物処理の証明書などを添付します。
この実績報告書が受理され、内容が審査されると、最終的な補助金額が確定し、指定した口座に補助金が振り込まれます。
振り込みまでは、報告書提出からさらに1ヶ月程度かかるのが一般的です。
空き家解体費用の補助金を利用する際の注意点

補助金は解体費用の負担を軽減できる有効な手段ですが、利用にあたってはいくつかの重要な注意点があります。
特に申請のタイミングや税金に関する知識は不可欠です。
主な注意点は次の通りです。
- 対象の工事内容は自治体ごとに異なる
- 審査に時間がかかる場合がある
- 自治体ごとに審査基準が異なる
- 予算上限に達すると補助を受けられない
- 減免措置がなくなり税負担が増える
これらの注意点について、一つずつ詳しく解説します。
対象の工事内容は自治体ごとに異なる
補助金の対象となる工事内容は、自治体によって細かく定められています。
たとえば、建物本体の解体費用は対象でも、庭木やブロック塀の撤去、家財道具の処分費用は対象外となるケースも少なくありません。
また、解体業者を市内(あるいは県内)の登録業者に限定している自治体もあるので注意が必要です。
補助金を最大限活用するためにも、どの範囲の工事までが対象となるのか事前に把握しておきましょう。
業者を選ぶ前に、自治体の募集要項や担当課のページを確認し、条件をしっかりとチェックしてください。
審査に時間がかかる場合がある
補助金の申請から交付決定までには、審査のために一定の時間がかかります。
申請が集中する時期や、現地調査が必要な場合など、状況によっては1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
交付決定前に工事を始めることはできないため、解体を急いでいる場合には注意が必要です。
急いで解体したい場合は、補助金の利用による費用削減を取るか、スケジュールを優先して早期に着工するか、どちらを重視するかを検討しましょう。
自治体ごとに審査基準が異なる
補助金の審査基準は全国一律ではなく、各自治体が地域の実情や予算、政策の優先度に応じて独自に設定しています。
たとえば、ある自治体では耐震診断が必須でも、別の自治体では外観からの老朽度判定だけでよい場合もあります。
また、所得制限の有無や金額もさまざまです。
他の地域で補助金が使えたという事例が、自身の空き家にそのまま当てはまるとは限りません。
必ず空き家が所在する自治体の基準を確認してください。
予算上限に達すると補助を受けられない
補助金は、自治体の年度予算に達すると受付が終了し、補助を受けられなくなる場合があります。
多くの自治体では、1年度あたりの予算上限があらかじめ決められており、申請が集中すると早期に締め切られてしまうことも珍しくありません。
人気の高い制度では、募集開始からすぐに枠が埋まるケースもあります。
補助金の利用を検討する場合は、新年度が始まる4月頃に自治体のサイトをチェックし、募集開始のタイミングを逃さないよう早めに準備を進めましょう。
減免措置がなくなり税負担が増える
補助金を利用する際に、最も注意すべきポイントが税負担の増加です。
空き家を解体して更地にすると、土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されなくなります。
住宅が建っている場合は「住宅用地の特例」により、固定資産税が最大で6分の1まで軽減されていますが、建物を取り壊すとこの特例は適用されません。
結果として、土地の評価額に基づいた税金が課され、翌年から固定資産税が数倍(最大6倍)に増えることもあります。
補助金で一時的に数十万円を受け取っても、税負担の増加分で短期間に相殺されてしまうケースも少なくありません。
解体後の土地をすぐに売却する予定がない場合は、税金の増加リスクを十分に考慮した上で判断する必要があります。
空き家解体の判断に迷ったらファンズ不動産
空き家の解体を検討する際は、補助金の条件や給付までの流れだけでなく、将来的な税負担やその後の活用方法も含めて判断する必要があります。
自治体ごとに制度や審査基準が異なるため、想定どおりに進まないケースも少なくありません。こうした点を踏まえ、解体が最善の選択かどうかを整理することが大切です。
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空き家解体費用の補助金に関するよくある質問

最後に、空き家の解体や補助金に関して、お客様からよく寄せられる質問にお答えします。
- 空き家解体費用の相場は?
- 空き家を解体せずに放置するリスクは?
- 解体後の土地の活用法は?
これらの疑問について、不動産の専門家の視点から解説します。
空き家解体費用の相場は?
空き家の解体費用は、木造で1坪あたり3万円〜5万円前後、鉄骨造で4万円〜6万円前後が一般的な相場です。
費用は、建物の構造や立地条件、作業環境によって大きく変わります。
木造は比較的安価ですが、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造は構造が頑丈な分、費用が高くなる傾向にあります。
また、重機が入りにくい狭小地や道路幅の狭い場所では、手作業が増えるためコストが上がることもあります。
空き家を解体せずに放置するリスクは?
空き家を長期間放置すると、倒壊や犯罪の発生、税負担の増加など、さまざまなトラブルを招くおそれがあります。
このような状態を放置し続けると、自治体から「特定空家」に指定され、勧告を受けるケースも少なくありません。
勧告を受けると固定資産税の「住宅用地の特例」が解除され、税負担が大幅に増えることになります。
最終的には行政代執行により強制的に解体され、その費用を全額請求されるリスクもあるため、早めの対策を講じるのが賢明です。
解体後の土地の活用法は?
解体後の土地の活用法としては、主に「売却する」「駐車場などとして活用する」「自身で新たに建物を建てる」といった選択肢が考えられます。
どの方法が最適かは、その土地の立地、広さ、地域の需要、そして所有者の目的によって異なります。
駅近で利便性の高い土地なら、更地として売却しても買い手が見つかりやすいでしょう。
まとめ

この記事では、空き家解体費用に関する補助金制度について、その種類、支給条件、申請の流れ、そして重要な注意点を解説しました。
補助金は費用負担を軽減する有効な手段ですが、自治体ごとの条件を満たす必要があり、申請方法や解体後の固定資産税の増額といったリスクも伴います。
空き家の処分は、補助金の知識だけでなく、不動産売却や税金まで含めた総合的な判断が不可欠です。
補助金利用や解体後の売却戦略については、不動産の専門家である当サイト(ファンズ不動産)の情報も参考にしてみてください。
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