「地主の許可は必要?」「そもそも売れるの?」「手続きが複雑そう」など、借地権付き建物の売却に不安や疑問を抱えている方は少なくありません。
本記事では、借地権付き建物の売却への不安や疑問を解決すべく、売却方法や流れ、注意点をわかりやすく解説します。
地主の承諾や承諾料、相場、トラブル時の対処法、税金面まで幅広く網羅しているため、初めて売却を検討する方でも安心です。
最後まで読むことで、適切な手順を踏んでスムーズに売却を進めるための知識が身につきます。
ぜひ本記事を参考に、自身に最適な売却方法を選び、納得のいく形で契約を進めましょう。
借地権付き建物は売却できる?

借地権付き建物は、条件を満たせば売却できます。
借地権とは、建物の所有を目的に土地を借りたときに発生する権利のことです。
借地権付き建物の場合、建物は自分名義ですが、土地は地主のもののため、売却時に契約内容の確認や、地主との調整が必要となる点に注意しましょう。
また、売却可否は借地権の種類や契約条件、地主との関係性により変わります。
ここでは、借地権付き物件の売却についての以下の基本知識について解説します。
- 地上権と賃借権の違い
- 借地権の種類
- 地主の承諾が必要になる
借地権付き物件の売却を検討中の方は、事前に確認しておきましょう。
地上権と賃借権の違い
借地権は、法律上は大きく「地上権」と「賃借権(賃貸借)」の2つに分けて整理できます。
どちらに該当するかで、売却(権利の移転)の考え方や手続きが変わるため、最初に確認しておくとスムーズです。
賃借権と地上権の違いを以下で簡単にまとめました。
| 地上権 | 賃借権 | |
|---|---|---|
| 権利の種類 | 物権 | 債権 |
| 地代の支払い | あり | あり |
| 譲渡時の地主の許可 | 必要 | 不要 |
| 存続期間 | 永久(無期限)も可能 | 必ず期間の定めがある (原則30年以上) |
仮に「地上権だと思っていたら賃借権だった」などのトラブルを防ぐためには、契約書で権利の種類を確認する必要があります。
借地権の種類
借地権には、次の種類があります。
- 旧借地権
- 普通借地権(新借地権)
- 定期借地権
旧借地権や普通借地権は建物構造による存続期間の違いや、建物の老朽化で消滅する可能性がありますが、借地人の申し出による更新が可能です。
一方、定期借地権は契約期間が満了すれば必ず終了する契約であり、再契約できません。
そのため、定期借地権付き建物の売却は難易度が高く、買い手も限られます。
借地権の種類により売却の可否や条件が変わるため、まずは自身の契約の種類を確認しましょう。
地主の承諾が必要になる
借地権付き建物を売却する場合、借地権の譲渡も必要になるため、地主の承諾が必要です。
また、承諾を得る際には、承諾料が発生するケースもあります。
承諾の可否や条件は契約内容・地主の意向によって変わるため、売却を考え始めた段階で早めに相談を始めることが大切です。
ただし、地主が承諾を拒んだ場合でも、裁判所に借地権譲渡許可の申立てをおこなえば売却が認められるケースもあります。
交渉が難航しそうなときは、借地権に詳しい不動産会社や専門家に相談しながら進めましょう。
借地権付き建物の5つの売却方法

借地権付き建物の売却には、次の5つの方法があります。
- 地主に借地権を売る
- 第三者に売る
- 等価交換をしてから売る
- 底地とセットで売る
- 不動産会社に依頼する
それぞれ、特徴と注意点を解説します。
地主に買取してもらう
地主への借地権を売る方法は、地主との関係性が良好であれば、スムーズに売却できます。
地主は土地と建物の両方を所有できるため、交渉がまとまりやすく、承諾料も必要ありません。
価格交渉では地主が優位に立つことが多いため、市場価格よりも低くなる恐れがある点に注意して交渉しましょう。
第三者に売る
地主の承諾が得られれば、第三者に売却する方法もあります。
一般的に、地主への売却に比べて第三者への売却は難しい傾向です。
そのうえ、売却先が見つかっても地主が承諾しない場合は、裁判所の許可を取得する必要があります。
また、承諾料が発生するケースが多く、費用面の負担も考慮しなければなりません。
借地権付き建物は購入後の建て替えや売却に制限があるため、買主が見つかりにくい点にも注意が必要です。
等価交換をする
等価交換とは、借地権と土地(底地)を等価で交換する方法です。
地主と交渉し、借地権と底地権の一部または全部を交換して土地と建物の所有権を一体化させます。
等価交換をおこなうことで、完全所有権の土地と建物を第三者に売却でき、買主が見つかりやすくなります。
ただし、契約内容の詳細な取り決めや双方の合意、不動産評価や税務処理など複雑な手続きが必要なため、専門知識がない方は専門家に相談しましょう。
底地とセットで売る
地主に底地権を手放してもよいとの意思がある場合、建物と土地をセットで売却する方法もあります。
底地権と借地権をセット売りすれば、買い手は完全所有権の不動産を入手できるため需要は高く、借地権や底地権単体よりも高値での売却が期待できます。
不動産会社に依頼する
不動産会社に買取を依頼する方法もあります。
不動産会社が直接買取する場合は、仲介を依頼したときに比べて大幅に売却までの時間を短縮できます。
また、買取では物件の状態や立地に関係なく売却できるケースが多いこともメリットです。
ただし、買取価格は市場価格より低くなる傾向のため、急ぎの売却が必要な場合に検討しましょう。
自分で交渉する自信がない方や、時間に余裕がない方には安心できる選択肢です。
借地権付き建物の売却価格の相場

借地権付き建物の価格は、一般的に所有権の不動産に比べて低くなる傾向があります。
土地を所有していないため、利用や将来の条件(更新・建替え・譲渡など)に制約が生じやすく、買主側が慎重になりやすいのが主な理由です。
ここでは、売却価格の相場の考え方を紹介します。
不動産価値の約50%が基本
借地権付き建物の売却価格の目安は、更地価格の約5~7割です。
更地価格とは、建物がない更地の状態の土地の評価を指します。
売却相手が地主の場合は、更地価格の5割程度、売却相手が第三者の場合は、更地価格の6~7割程度が相場です。
ただし、この数値は目安であり、地域差や借地契約の内容、建物の築年数、借地期間の短さなどによって価格は上下します。
借地権割合で計算する場合もある
売却価格の目安を考える際に、「借地権割合」を使って概算する方法もあります。
借地権割合とは、土地の所有権に対する借地権の価値の比率を示すもので、税務署が公表する路線価図に基づいて地域ごとに定められています。
たとえば、借地権割合が60%のエリアで、土地の評価額が3,000万円なら、借地権の価格は1,800万円が目安です。
ただし、借地権割合はあくまで税務評価の考え方であり、実際の売買価格は契約条件や買主需要によって異なる点に注意が必要です。
承諾料の交渉でも目安として参照されることはありますが、最終的には地主との協議で決まります。
借地権付き建物を売却する際の流れ

借地権付き建物を売却する流れは、次のとおりです。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 媒介契約を締結する
- 地主と交渉する
- 売買契約を結ぶ
- 地主に承諾料を支払う
- 引き渡し
それぞれ詳しく解説します。
1:不動産会社に査定を依頼する
はじめに、不動産会社へ査定を依頼します。
借地権付き建物は、借地権の種類や残存期間などの契約条件によって評価が大きく変わるため、借地権の売買に詳しい会社を選ぶことが重要です。
査定時は、借地契約書・更新に関する書面・地代の支払い状況など、契約内容が分かる資料をそろえておくとスムーズに進められます。
2:媒介契約を締結する
査定額に納得できたら、不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約とは、売却活動を不動産会社に依頼する正式な契約のことで、次の3種類があります。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
一般媒介は、複数の不動産会社と契約できます。
一方、専属専任媒介契約と専任媒介契約は1社のみと契約し、レインズへの登録や定期報告などのルールがあります。
借地権付き建物は地主との調整が発生しやすいため、窓口を一本化しやすい「専任系」がおすすめです。
ただし、状況により最適解は異なるため、慎重に精査しましょう。
3:地主と交渉する
媒介契約後は、地主との交渉をおこないます。
借地権を第三者に譲渡する場合、原則として地主の承諾が必要です。
交渉では、承諾の可否だけでなく、以下の条件も確認しておくことが大切です。
- 名義書換(譲渡承諾)に関する条件・費用
- 地代や更新条件の取り扱い
- 建替え・増改築の可否や条件
丁寧な説明と合理的な条件提示を心がけ、必要に応じて借地権に強い不動産会社・専門家と連携して進めましょう。
4:売買契約を結ぶ
地主の承諾が得られたら、買主と正式に売買契約を締結します。
売買契約時には、地主の承諾書も必要なため、作成を依頼しましょう。
また、売却後に買主と地主との間でのトラブル発生を防ぐため、次の点の確認も大切です。
- 借地期間
- 買主がローンを組む場合の承諾
- 地代の取り決め
契約内容は法的効力を持つため、事前に専門家への相談がおすすめです。
5:地主に承諾料を支払う
売買契約後、地主に対して譲渡承諾料を支払うケースがあります。
金額は法律で一律に決まっているわけではなく、地域や契約条件、残存期間などを踏まえて当事者の協議で決まります。
一般的には、借地権価格の10%程度が目安です。
支払いタイミングは、売買契約締結後から決済までの間、または決済時とされることが多いので、契約書や地主との合意書で明確にしておきましょう。
6:引き渡し
最終段階は、買主の決済と建物・借地権の引き渡しです。
買主に鍵や権利証などを渡し、借地契約の名義変更手続きも同時に進めます。
引き渡しでは、買主に引き継ぐ書類はすべて渡す必要があります。
売却が完了するまで気を抜かず、最後まで手続きを丁寧に進めましょう。
借地権付き建物を売却する際の注意点

借地権付き建物の売却で失敗しないためには、次の3つに注意しましょう。
- 売却の意思を早めに伝える
- 信頼できる不動産会社を選ぶ
- 過度な価格交渉はしない
それぞれ詳しく解説します。
売却の意思を早めに伝える
売却の意思は、早めに地主に伝えましょう。
借地権付き建物の売却は、地主の承諾や条件調整が必要になることが多く、信頼関係がそのまま交渉の進めやすさにつながります。
売却が具体化してからの事後報告や、条件を固めてからの後出しは、地主の不信感につながり、承諾を得にくくなる原因になりかねません。
あらかじめ丁寧に売却の意思を伝え、地主の理解を得ることが、円滑な売却の近道となるでしょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ
借地権付き建物の売却は、契約条件の読み取りや評価だけでなく、地主との交渉も絡むため、借地権の取扱実績がある不動産会社を選びましょう。
一般的な不動産取引と異なり、借地権の種類や地代など、査定や手続きに影響する要素が多いため、借地権の実績に乏しい会社では対応が難しいケースもあります。
不動産会社選びでは、以下の点を目安にするとスムーズです。
- 借地権付き物件の売却実績がある
- 地主交渉の進め方・想定費用を明確に説明できる
- 契約書や重要事項の説明が丁寧
- リスクも含めて提示してくれる
借地権付きの建物売却の実績がある不動産会社探しは、不動産ポータルサイトでの一括査定を利用するのも手段の1つです。
過度な価格交渉はしない
借地権付きの建物を売却する際、過度な価格交渉は避けるようにしましょう。
相場とかけ離れた価格交渉は、買主が見つかりにくくなるうえ、地主との信頼関係にも影響を及ぼす恐れがあります。
適正な価格を知るためには、借地権の種類や契約期間、地代の金額など、借地権付き建物に関する知識をある程度つけることも必要です。
借地権付き建物の売却は専門的な知識が必要なため、専門的な知識のある不動産会社の担当者への相談は欠かせません。
借地権付きの建物の売却に詳しい不動産会社に相談しながら適正な価格を把握し、相場からかけ離れた交渉はしないようにしましょう。
借地権付き建物の売却で悩んだらファンズ不動産へ相談を
借地権付き建物の売却は、地主の承諾や承諾料の相場、売却価格の設定など、一般的な不動産売却よりも確認すべきポイントが多くあります。
手続きを誤ると、交渉が長引いたり、想定より低い価格での売却につながることもあります。
複雑な事情を抱えるケースでも、状況を整理しながら適切な進め方を提案してもらえる相談先を選ぶことが、納得のいく売却への第一歩です。
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借地権付き建物の売却でよくあるトラブル事例

借地権付き建物の売却では、地主との調整や契約条件の確認が必要になるため、以下のようなトラブルが起こりがちです。
- 地主の許可が得られない
- 建物の解体費用の負担でもめる
- 相続人が複数で意見がまとまらない
ここからは、上記3つのトラブルと回避のポイントを解説します。
地主の許可が得られない
借地権を第三者へ譲渡する場合、地主の承諾が必要になるケースが多く、この段階で手続きが止まってしまうことがあります。
地主が承諾に慎重になる背景には見知らぬ人に土地を貸す不安、滞納リスク、将来の建替え・更新トラブルへの懸念などが挙げられます。
地主の許可が得られない場合には、以下の方法を試してみましょう。
- 早めに相談し、事後報告は避ける
- 買主の属性を丁寧に説明する
- 借地権に詳しい専門家を交渉に同席させる
上記の方法でも許可を得られない場合は、売却以外の方法も検討する必要があります。
建物の解体費用の負担でもめる
借地契約には、契約終了時に建物を取り壊して更地で返還する(いわゆる更地返還)などの条件が定められていることがあります。
そのため、売却時に「解体費用を誰が負担するのか」でトラブルになる場合があります。
特に建物が古い場合や、将来の契約終了が近い場合は論点になりやすい点です。
建物の解体費用についてもめたくない場合は、以下の方法で回避を試みてみましょう。
- 専門業者への相談
- 建物買取請求権の検討
- 契約書の確認
いずれも準備や情報の共有が大切なため、早い段階から対策をするのがポイントです。
相続人が複数で意見がまとまらない
相続で取得した借地権付き建物の場合、相続人が複数いると意見が割れ、手続きが進まないことがあります。
さらに、名義が未整理だと売却自体がストップする原因にもなります。
相続人が複数で交渉が進まない場合は、以下の対策を試してみましょう。
- 連絡系統を一本化する
- 早い段階で合意形成を文書化しておく
- 税金・費用・手取りの見込みを共有する
基本的には交渉のシンプル化や早めの対策が重要なため、いかに早く状況を確認できるかがポイントです。
借地権付き建物の売却を地主が認めない場合の対処法

借地権付き建物の売却について、地主から承諾を得られない場合の主な対処法は次の3つです。
- 金額や条件面を妥協して再交渉する
- 借地非訟手続を検討する
- 地主に借地権の買取を交渉する
それぞれ詳しく解説します。
金額や条件面を妥協して再交渉する
話し合いの余地がある場合は、承諾が得られない理由を確認したうえで、条件を整理して再交渉しましょう。
承諾料だけでなく、次のような条件を調整することで合意に至るケースもあります。
- 承諾料の金額や支払方法・支払時期
- 承諾書(譲渡承諾書)の形式や手続き
- 引渡し時期、地代の精算方法
- 譲受人(買主)の属性・資金力の説明
借地権の交渉は専門性が高いため、借地権に詳しい不動産会社や専門家と連携して進めると安心です。
借地非訟手続を検討する
交渉が難航する場合は、借地非訟手続の検討もひとつの方法です。
借地非訟手続とは、家庭裁判所に申し立てて、第三者への借地権譲渡について裁判所の許可を得る手続きで、地主の承諾に代わる法的手段です。
売却の理由や譲渡先が地主に不利益ではないかなどを調査し、問題がない場合は裁判所が売却許可を出します。
ただし、借地非訟手続きをおこなうと、地主との関係が悪化する恐れがあるため、最終手段として考えましょう。
地主に借地権の買取を交渉する
第三者への売却が不可能な場合は、借地権の買取交渉を地主に持ちかける方法もあります。
地主が借地権を買い取れば、建物と土地を両方所有でき、土地の活用幅が広がるためメリットがあります。
地主が建物や土地の有効活用を考えている場合は、売却よりもスムーズに進むでしょう。
自身での交渉が難しい場合は、借地権に詳しい不動産会社への相談がおすすめです。
借地権付き建物の売却でかかる税金・費用

借地権付き建物の売却では、通常の不動産売却と同じく仲介手数料や税金がかかります。
ここでは、代表的な以下の4項目について解説します。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登録免許税
- 譲渡所得税
事前に必要な税金や費用を確認し、スムーズに売却できる準備を整えておきましょう。
仲介手数料
仲介手数料とは、不動産会社に仲介で売却を依頼した場合にかかる費用です。
売買の仲介手数料には上限があり、次のように売買金額によって異なります。
| 売買金額 | 仲介手数料 |
|---|---|
| 200万円以下 | 売買金額 × 5%+消費税 |
| 200万円超400万円以下 | 売買金額 × 4% + 2万円+消費税 |
| 400万円超 | 売買金額 × 3% + 6万円+消費税 |
また、売買価格が800万円以下の「低廉な空家等」は、原則の上限を超えて30万円(税抜)×1.1(=税込33万円)を上限として請求できます。
ただし「低廉な空家等」の取り扱いには一定の条件があるため、事前に確認しておきましょう。
印紙税
印紙税とは、売買契約書などの「課税文書」を作成する際にかかる税金です。
印紙税は契約書に記載された金額に応じて税額が決まります。
金額ごとの印紙税を以下の表にまとめました。
| 契約金額 | 印紙税額(軽減後) | 印紙税額(本則) |
|---|---|---|
| 100万円超~500万円以下 | 1,000円 | 2,000円 |
| 500万円超~1,000万円以下 | 5,000円 | 10,000円 |
| 1,000万円超~5,000万円以下 | 10,000円 | 20,000円 |
| 5,000万円超~1億円以下 | 30,000円 | 60,000円 |
※税額は一部を抜粋した金額です。
大きな金額ではありませんが、必ず必要となる支出のため覚えておきましょう。
登録免許税
登録免許税とは、登記(名義変更など)をする際にかかる税金です。
借地権付き建物の売却では土地の所有権は移りませんが、一般的に「建物の所有権移転登記」などが発生します。
なお、借地権が登記されているケースでは、地上権・賃借権の設定/移転登記が論点になることがあり、登記の種類により税率が異なります。
登記費用は、司法書士報酬などの実費も別途かかるのが一般的です。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、売却で譲渡所得が出た場合にかかる税金です。
基本的な計算は次のとおりです。
課税譲渡所得=収入金額 −(取得費+譲渡費用)− 特別控除
また、土地・建物の譲渡所得は、原則として所有期間によって短期譲渡所得/長期譲渡所得に区分され、次のように税率が変わります。
| 不動産の所有期間 | 譲渡所得税の税率(所得税+復興特別所得税+住民税) |
|---|---|
| 5年以下 | 39.63% |
| 5年超 | 20.315% |
※国税庁、短期譲渡所得の税額の計算
所有期間は譲渡した年の1月1日時点で5年を超えているかで判断されるため、注意が必要です。
さらに、一定の要件を満たす場合には、居住用財産の3,000万円特別控除などの特例が適用できるケースもあります。
借地権付き建物の売却に関するよくある質問

借地権付き建物の売却は、特殊な要素が多く、不安や疑問を感じる方も少なくありません。
ここでは、よくある3つの質問を紹介します。
借地権付き建物は売れないといわれる理由は?
売れないといわれる理由は、主に買い手が限られるためです。
借地権付き建物は土地を所有していないため、住宅ローンが組みにくく、再建築時の制限もあるなど、買主側にデメリットがあります。
また、売却には地主の承諾が必要な点や、承諾料の発生も買主にとっては懸念点でしょう。
ただし、借地権付き建物のメリットを理解した買主も一定数存在するため、適正な価格設定と不動産会社の選定次第で売却は十分に可能です。
借地権付き建物のメリット・デメリットは?
借地権付き建物の最大のメリットは、土地を買わずに建物を所有できるため、初期費用を抑えられる点です。
一方、土地は自身のものではないため、売却や建替えの際には地主の承諾が必要な点がデメリットです。
さらに、毎月の地代や更新料、承諾料など、所有権の物件にはない費用も発生します。
メリット・デメリットを理解し、将来的な活用や売却を見据えたうえで判断しましょう。
借地権付き建物の売却時に消費税はかかる?
借地権の譲渡は非課税ですが、建物部分は売主が課税事業者で事業用資産として売る場合に課税されることがあります。
個人のマイホーム売却や免税事業者なら、消費税は課されません。
消費税に関して不安な方は、国税庁のサイトや税理士などの専門家に相談するのをおすすめします。
まとめ

借地権付き建物は、売却できないと思われがちですが、実際には複数の方法で売却可能です。
ただし、売却には地主の承諾が必要になるため、承諾料や交渉の進め方は十分に注意しましょう。
売却をスムーズに進めるには、地主との良好な関係を築くことや、信頼できる不動産会社への査定や媒介契約の依頼、法的な手続きや税金に関する知識が必要です。
本記事を参考に、借地権付き建物の売却をスムーズに実現しましょう。


