土地の売却を検討中に「何から始めればいいの?」「費用や税金はどのくらいかかる?」と、不安になる方は多いでしょう。
土地は建物と違い、境界や接道条件、古家の有無などによって売り方が変わりやすく、手順を知らないまま進めると損をする可能性もあります。
本記事では、土地売却の基本の流れを7ステップでわかりやすく整理し、売却にかかる費用・税金、必要書類、状況別の進め方までまとめて解説します。
あわせて、できるだけ高く・スムーズに売却するためのコツや注意点も紹介するので、はじめて土地を売る方でも全体像をつかめるでしょう。
納得できる土地売却を実現したい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
土地売却の流れ | 基本の7ステップ

土地を売却するときの大まかな流れは、次の7ステップです。
- 土地の査定依頼をする
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 売却活動を開始する
- 購入希望者による現地確認
- 買主と売買契約を結ぶ
- 土地を引き渡す
- 確定申告をおこなう
信頼できる不動産会社を見つけることができれば、上記のステップは担当者が適切にリードしてくれるでしょう。
自身でも土地の売却の流れを把握しておき、今どのステップなのか、次に何をするのかを意識してください。
1:土地の査定依頼をする
土地を売るなら、まず複数の不動産会社に査定依頼を出しましょう。
査定の種類は、次の表を参考にしてください。
| 査定の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 簡易査定 | 相場をもとにした簡易的な査定 |
| 訪問査定 | 現地調査をおこなう精度の高い査定 |
まずは、複数社に簡易査定を依頼するか、一括査定を利用して土地の相場を確認します。
不動産会社に簡易査定を依頼した際は、土地の売却実績や担当者の対応力、相性のよさなども確認し、安心して任せられそうな業者を選びましょう。
次に現地調査が必要な訪問査定を依頼して、担当者から質問があれば、正確な情報を伝えてください。
査定を依頼する際は、事前に以下の情報をまとめておくとスムーズに進みます。
- 地番
- 面積
- 用途地域
- 接道
- 境界資料
訪問査定から1週間程度で土地の査定額が提示されるため、査定の根拠を聞いて、納得できる不動産会社を選ぶことをおすすめします。
2:不動産会社と媒介契約を結ぶ
査定結果をもとに信頼できる会社を選んだら、次は媒介契約を締結します。
媒介契約の種類や簡単な違いは次のとおりです。
| 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
|---|---|---|---|
| 2社以上の契約 | 〇 | × | × |
| 自身で買主を見つける | 〇 | 〇 | × |
後ほど「自身に適した媒介契約の種類を選ぶ」の章で媒介契約の種類を詳しく解説するため、どの契約にするかを選ぶ際、参考にしてください。
自身の状況や目的と合った媒介契約を選べれば、よい条件で土地を売却できる可能性を上げることができます。
3:売却活動を開始する
媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動のスタートです。
不動産会社がポータルサイトや自社ネットワークを使って物件を広告に出し、購入希望者を探します。
売れやすくするためには、周辺の環境や施設など、売却する土地の魅力が伝わるような広告にする必要があります。
売り出し価格は売主が決定するため、近隣の土地の相場や同じような条件の土地の価格を確認しながら、担当者と相談して決めるとよいでしょう。
4:購入希望者による現地確認
購入希望者が現れたら、不動産会社の案内で内見・現地見学をおこないます。
土地の売却では建物の内見と異なり、売主が立ち会わなくても進むケースも多いです。
ただし、現地の印象が購入判断や価格交渉に直結するため、事前準備が重要です。
現地確認で主に確認される項目を以下にまとめました。
- 道路付け(幅員・接道状況)
- 高低差や擁壁の有無
- 日当たり・風通し
- 隣地との境界
- 周辺環境(騒音・臭い・交通量)など
とくに境界が曖昧な土地は不安要素になりやすいため、測量図や境界標の有無、越境物の可能性などは、事前に不動産会社へ共有しておくとスムーズです。
また、雑草やゴミ、放置物があると印象が悪くなるため、事前準備として最低限の草刈り・清掃はしておく必要があります。
5:買主と売買契約を結ぶ
購入希望者が現れたら、条件のすり合わせと価格交渉を経て売買契約の締結へと進みます。
契約時には手付金を受け取り、契約内容を明記した契約書を取り交わします。
売買契約前には、宅地建物取引士が重要事項説明書に記載されている内容を確認しながら進めるため、疑問点があれば都度確認しましょう。
土地売却に必要な書類は、不動産会社の担当者の指示にしたがって用意してください。
6:土地を引き渡す
契約後、買主から残金の支払いと同時に、土地の引渡しをおこないます。
残金を受領したら、不動産会社と司法書士に報酬を支払いましょう。
報酬を受け取った司法書士は当日中に法務局で、抵当権抹消登記や売主から買主への所有権移転登記をおこないます。
登記上の所有者が買主に移転することで引渡しは成立となり、土地の売却取引は完了します。
7:確定申告をおこなう
土地の売却後、譲渡所得が発生した場合は、譲渡所得として税金がかかります。
これを申告するのが確定申告で、翌年の2月16日〜3月15日までにおこなう必要があります。
特別控除や軽減税率などの制度を活用すれば、税負担を抑えられる可能性があるため、自身が利用できるか確認しましょう。
取得費や譲渡費用を証明する書類は、売却前から保管しておくとスムーズです。
確定申告書類を作成する際は、税務署や税理士に相談しながら、適正な税申告を忘れずにおこないましょう。
スムーズな土地売却の相談はファンズ不動産へ
土地売却は、手順を正しく踏むことでスムーズに進められますが、初めての方にとっては不安や疑問が多いでしょう。
たとえば、価格設定や売却時期、必要書類の準備などは専門的な知識が求められ、個人で正しい判断ができない場合もあります。
そんなときは、一度プロへ相談してみることで、迷いが解消されやすくなります。
土地の状況や目的に合わせて適切な進め方を知りたい方は、ファンズ不動産へ相談してみてはいかがでしょうか。
ここからは、ファンズ不動産がおすすめな理由について詳しく解説します。
信頼度の高い買主とマッチングが可能
ファンズ不動産には、SNSで暮らしや不動産情報を発信するキュレーターを通じて、物件情報を届ける仕組みがあります。
単に条件だけで比較される不動産情報に加えて「どんな暮らしをしたいか」「どんな価値観に合うか」といった視点でも魅力を伝えられる点が特徴です。
そのため、物件の背景まで理解したうえで検討してくれる買主と出会いやすくなります。
土地の良さや特性を丁寧に伝えて売却したい方は、こうした発信スタイルが合うケースもあるでしょう。
ぜひファンズ不動産で、物件への想いを共有できる「信頼性の高い買主」とのマッチングを実現してみましょう。
1万人超の「買いたい」層へLINEで直接アプローチ
ファンズ不動産の公式LINEには、1万人を超える購買意欲の高いユーザーが登録しています。
従来のポータルサイトで不特定多数の閲覧を待つのとは異なり、関心の高い層へ直接物件情報を届けることが可能です。
物件の魅力を理解してくれる可能性が高いユーザーへ絞ってアプローチできるため、スピーディーな反響が期待できます。
早期売却を目指す方にとって、この「届ける」力は大きな強みとなるでしょう。
相続した土地を売却する流れ

相続した土地を売却する際は、主に以下の5ステップで進めます。
- 遺言書を確認する
- 遺産分割協議をおこなう
- 相続登記する
- 土地を売却する
- 売却益を分割する
ここからは、それぞれのステップの進め方やポイントを詳しく解説します。
スムーズに売却するためにも、手順を理解して1つずつ対応しましょう。
1:遺言書を確認する
相続が発生したら、まず遺言書が残されていないか確認します。
遺言書がある場合は、原則として内容に沿って遺産を分けることになるため、土地の所有者や分割方法が決まりやすくなります。
また、遺言書の種類によっては「検認」が必要なケースもあるため、勝手に開封せず、家庭裁判所や専門家へ相談しながら進めるのがおすすめです。
遺言の有無によって手続きの流れが変わるため、最初に必ず確認しましょう。
2:遺産分割協議をおこなう
遺言書がない場合や、遺言で分け方が明確に決まっていない場合は、相続人全員で遺産分割協議をおこないます。
具体的には「土地を誰が相続するか」「売却するなら売却後のお金をどう分けるか」などを話し合って決める手続きが必要です。
相続人が複数いる場合、誰か1人でも合意できなければ土地の売却は進められないため、早めに連絡を取り、方針をすり合わせましょう。
協議でまとまった内容は、のちの相続登記で必要になるため、遺産分割協議書として書面に残しておいてください。
3:相続登記する
相続した土地を売却するには、登記上の名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ変更する「相続登記」が必要です。
名義が変わっていない状態では、買主へ所有権を移転できません。
遺産分割協議書や戸籍などの書類が必要になるため、準備に時間がかかる場合もあります。
手続きをスムーズに進めたい場合は、司法書士に相談するとよいでしょう。
4:土地を売却する
相続登記が完了し、相続人名義になったら通常の土地売却と同じ流れで進めます。
まずは不動産会社に査定を依頼し、媒介契約を結んだうえで売却活動を開始しましょう。
相続した土地は、境界が不明確だったり、古家が残っていたりするケースも多いため、売却前に現地の状況を整理しておいてください。
取得費がわかる資料が残っている場合は、売却後の税負担に影響するため、売却前からまとめて保管しておきましょう。
5:売却益を分割する
土地を売却できたら、売却代金から諸費用を差し引いて残った金額を相続人で分割します。
分割の割合は、遺産分割協議で決めた内容に沿って分けるのが一般的です。
また、売却で譲渡所得が発生した場合は、確定申告が必要になるケースもあります。
古家付き土地を売却する流れ

古家付き土地を売却する際は、主に以下の2ステップで進めます。
- 古家を解体するか検討する
- 不動産会社に依頼する
ここからは、それぞれのステップの進め方やポイントを詳しく解説します。
スムーズに売却するためにも、手順を理解して1つずつ対応しましょう。
1:古家を解体するか検討する
古家付き土地の売却では、まず「古家付きのまま売るか」「解体して更地で売るか」を判断します。
どちらが有利かは、立地や建物の状態、購入希望者のニーズによって変わるため、先に方向性を決めておくことが重要です。
古家付きのまま売る場合は解体費用がかからず、早めに売却活動を始められる点がメリットです。
一方、建物の老朽化が進んでいると買主が不安を感じやすく、価格交渉につながるケースもあります。
更地にして売る場合は、購入後に建物を建てたい買主にとって検討しやすく、反響が増える可能性があります。
ただし、解体費用の発生や、解体期間の分だけ売り出しが遅れる点には注意が必要です。
判断に迷う場合は不動産会社に相談し、両者のメリット・デメリットを比較したうえで検討しましょう。
2:不動産会社に依頼する
売却方針が固まったら、不動産会社に査定を依頼し、媒介契約を結んで売却活動を進めます。
古家付き土地は、土地としての価値に加えて建物の状態や解体の要否が検討に影響するため、古家付きの売却実績がある会社を選ぶのがおすすめです。
古家付きで売る場合は、雨漏りやシロアリ被害、設備の不具合など、把握している情報は事前に担当者へ共有しましょう。
売却後のトラブルを防ぐためにも、状況を隠さず整理しておくことが大切です。
解体して更地で売る場合も、解体のタイミングや測量の要否によって費用とスケジュールが変わります。
見積もりの取得や売り出し時期を担当者とすり合わせ、無理のない計画で進めましょう。
【その他状況別】土地売却までの流れ

土地の売却と一言でいっても、状況によって流れや注意点などは大きく異なります。
解説した以外の状況での土地売却までの流れや、事前に把握しておくべきポイントを解説します。
複雑になりがちな手続きをスムーズに進めるための参考にしてください。
農地・山林の場合
農地の場合はそのまま売るか、造成して売却するかを決める必要があります。
不動産の所在地を管轄する農業委員会に連絡し、土地を売却できるか、農地以外に利用できるかを確認してください。
仮に農地以外の利用ができない場合は、近隣の農家に購入してもらえないか相談するケースが一般的です。
山林は購入希望者が少なく、通常の不動産業者では買い手を見つけるのは難しいでしょう。
そのため、山林の売買に特化したサイトを利用するか、全国にある森林組合に相談して購入希望者を見つける方法がおすすめです。
個人間で売買する場合
自身の土地や不動産であれば、個人間で売買しても問題はありません。
個人間で土地を売却する流れは、次のとおりです。
- 土地の相場価格を調べる
- 個人売買サイトや空き家バンクに掲載
- 買主と交渉して売却
まずは国土交通省の不動産ライブラリやREINS Market Information(古家付きのみ)、不動産ポータルサイトで土地の相場価格を調べます。
適正価格を把握したら個人売買サイトで販売するか、空き家バンクに掲載して、買主候補と交渉後、決まった条件で土地を売却します。
個人間の土地の売買は、仲介手数料を節約できる点が魅力ですが、自身で書類を用意する手間がかかり、トラブルが起こりやすい点がデメリットです。
賃貸中の場合
賃貸中の土地を売却する場合、売り出し価格は低くなりやすい傾向にあります。
貸し出している土地はさまざまな制限があり、買っても自身で自由に利用できないためです。
ただし、定期借地権契約で賃貸期間が決められている場合は、契約満了後に借地権がなくなるため、相場の価格で売却できます。
賃貸中の土地の売却は相場よりも低い価格になりやすいため、将来的な売却を見据えている場合、貸し出す前にどのような契約にするかよく検討しましょう。
土地売却に必要な諸費用

土地を売却する際には、売却益だけでなくいくら費用がかかるのか、どんな税金が発生するのかを正確に把握しておくことが大切です。
とくに、初めて売却を検討している方にとっては、思わぬ出費や納税のタイミングに戸惑うことも少なくありません。
この章では、土地売却にかかる主な費用や税金についてわかりやすく解説します。
売却後に「こんな費用がかかるなんて知らなかった」と後悔しないためにも、事前に把握しておきましょう。
土地売却に必要な諸費用
土地を売却する際には、次のような諸費用がかかります。
ただし、すべての費用が必ずかかるわけではなく、土地の状況(境界の有無・古家の有無・埋設物の有無など)によって必要な項目が変わります。
| 費用の種類 | 相場 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 売却価格400万円超:売買価格×3%+6万円+消費税 |
| 土地の測量費 | 35〜45万円 |
| 古家の解体費 | 木造:2〜4万円/坪 |
| 地下埋設物撤去費用 | 浄化槽(家庭用):5〜10万円 |
不動産会社に仲介を依頼する場合、必ず仲介手数料が発生して、売買価格によっては多額になる可能性があります。
測量費や解体費、地下埋設物撤去費用などは必要に応じてかかるコストで、依頼しない場合は支払いが発生しません。
まずは売却しようとしている土地にかかる諸費用の見積もり依頼をして、全部でどの程度かかるのかを確認しましょう。
仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社に売却活動を依頼し、売買契約が成立した際に支払う成功報酬です。
売却価格が400万円を超える場合は、以下の計算式に当てはめて計算します。
売買価格×3%+ 6万円+消費税
支払いタイミングは、契約時と引渡し時に分けるケースもあれば、引渡し時にまとめて支払うケースもあります。
精算方法は不動産会社によって異なるため、媒介契約の段階で確認しておくと安心です。
土地の測量費
測量費は、隣地との境界を明確にするための測量時に発生します。
境界が曖昧な土地は買主が不安を感じやすく、成約までに時間がかかったり、価格交渉の要因になったりすることがあります。
隣地との境界確認が未実施の場合などは、売却前に測量が必要になる可能性があるため、早めに不動産会社へ相談しましょう。
古家の解体費
古家付き土地を更地として売り出す場合、解体費が発生します。
更地にすることで購入後の利用イメージが湧きやすくなり、買主の検討ハードルが下がる場合があります。
ただし、解体費用が先に必要になる点はデメリットです。
解体するか迷う場合は、古家付きのまま売った場合と、更地で売った場合の想定価格を比較し、解体費を差し引いた手取りベースで判断するとよいでしょう。
地下埋設物撤去費用
地下埋設物撤去費用は、土地の地下に浄化槽や古い配管、コンクリートガラなどが残っていた場合に、それらを撤去する際に発生する費用です。
埋設物は見えないため、売買契約後に発覚するとトラブルになりやすい点に注意が必要です。
古家の解体をおこなう場合は、解体工事の際に埋設物が見つかるケースもあります。
可能であれば事前に状況を確認し、見つかった場合の対応を不動産会社と共有しておくと交渉がスムーズです。
土地売却にかかる税金
土地の売却でかかる税金は、次の表を参考にしてください。
| 税金の種類 | 税額 |
|---|---|
| 登録免許税 (抵当権抹消登記) | 不動産1件あたり1,000円 |
| 印紙税 | 1,000万円超〜5,000万円以下:2万円 ※軽減税率あり |
| 譲渡所得税 (譲渡所得が発生した場合) | 所有期間5年超:譲渡所得×20.315%(※) |
※税率は所得税・住民税・復興特別所得税の合計値です。
土地の売却でかかる税金を把握しておき、必要に応じて税務署や税理士などに相談しながら進めてください。
土地売却にかかる費用をそれぞれ解説します。
登録免許税
登録免許税は登記手続きの際にかかる税金です。
土地売却では、住宅ローンなどで土地に抵当権が設定されている場合、引渡し前に抵当権抹消登記をおこなう必要があり、登録免許税が発生します。
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1件あたり1,000円が目安です。
なお、司法書士に依頼する場合は、登録免許税とは別に司法書士報酬(手数料)が1.5〜2万円程度かかります。
印紙税
印紙税は、売買契約書などの課税文書を作成する際にかかる税金です。
契約金額ごとの印紙税を以下の表にまとめました。
| 契約書に記載された契約金額 | 印紙税(軽減措置なし) | 印紙税(軽減措置あり) |
|---|---|---|
| 100万円超~500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円超~1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
| 1,000万円超~5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
| 5,000万円超~1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
引用:国税庁
契約書を複数通作成する場合は、原則として各通に必要になるため、作成部数も含めて確認しておきましょう。
譲渡所得税
譲渡所得税は、土地を売却して譲渡所得が出た場合にかかる税金で、確定申告で申告・納税します。
税率は所有期間によって変わり、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合(長期譲渡所得)は、原則として20.315%が適用されます。
一方、所有期間が5年以下の場合(短期譲渡所得)は税率が高くなるため、売却のタイミングによって税負担が大きく変わる点に注意が必要です。
売却後に慌てないためにも、購入時の契約書や仲介手数料の領収書などの取得費や譲渡費用の資料は、売却前から整理して保管しておきましょう。
特別控除の種類・適用条件
土地売却に伴う税金を軽減できる制度として、次のような特別控除があります。
| 特別控除の種類・控除額 | 主な適用条件 |
|---|---|
| マイホームを売ったときの特例 控除額最大3,000万円 | ・居住用として利用していた不動産の売却・所有期間の要件なし ・親族や同族会社への売却でないこと |
| マイホームを売ったときの 軽減税率の特例 | ・居住用に利用していた不動産の売却・所有期間が10年を超えていること ・譲渡所得に対する税率が優遇される (6,000万円以下部分:14.21%、超過分:20.315%) ・3,000万円特別控除との併用が可能 |
| 空き家を売ったときの特例 控除額最大3,000万円 | ・1981年5月31日以前に建築されている家屋付き不動産(取り壊し済み含む) ・相続後に誰も居住していない状態で売却 ・売却価格が1億円以下 ・相続開始から売却までに耐震リフォームまたは取壊し済み |
適用条件に当てはまればマイホームが建っていた、または相続した土地や建物を売却するときの税負担を軽減できます。
特別控除を利用できる可能性がある方は、国税庁の公式サイトで詳しい適用条件を確認してください。
土地の売却前に知っておくべきこと

取引価格が多額になりやすい土地の売却は、相場の調べ方や売れるまでの平均期間、必要書類などを事前に把握しておいたほうがスムーズに進みます。
土地の売却前に知っておくべきことを解説するため、不動産売買を成功させたい方は参考にしてください。
土地価格の相場の調べ方
土地価格の相場を自身で調べる主な方法は、次のとおりです。
上記の方法で土地の相場を把握すれば、不動産会社の査定額が適正かを自身で判断できるようになります。
はじめから不動産会社に査定を依頼するのではなく、まずは自身で土地の相場を調べてみましょう。
土地が売れるまでの平均期間
土地が売れるまでの期間は、平均で3〜6か月が目安です。
東日本不動産流通機構(レインズ)によると、土地や古家付きの不動産を売却できるまでの平均期間は次のとおりです。
<登録から成約に至る日数>
| 年 | 土地 | 中古戸建て |
|---|---|---|
| 2021 | 106.3 | 101.2 |
| 2022 | 83.6 | 81.2 |
| 2023 | 79.0 | 83.3 |
| 2024 | 89.4 | 97.3 |
多くの土地や古家付きの不動産が3〜4か月程度で売却できていることがわかります。
立地条件や設定した価格によって時間がかかるケースはありますが、長くても6か月と考えておけばよいでしょう。
必要な書類と取得場所
土地の売却では多くの書類が必要になります。
必要になる書類の種類と取得場所は、次のとおりです。
| 不動産会社へ依頼する際に必要な書類 | |
|---|---|
| 書類の種類 | 取得場所 |
| 登記事項証明書(旧:登記簿謄本) | 法務局 |
| 土地測量図・境界確認書 | 法務局 |
| 固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書 | 市区町村役場 |
| 登記済権利証、登記識別情報 | 購入時に発行 |
| 建築設計図書、工事記録書 | 建築時に発行 |
| 売買契約書 | 取引時に作成 |
| 重要事項説明書 | 取引時に作成 |
| 買主へ引き渡す際に司法書士へ渡す必要書類 | |
| 書類の種類 | 取得場所 |
| 本人確認書類 | 各種書類による |
| 印鑑登録証明書 | 市区町村役場 |
必要になる書類は土地の状態や依頼する不動産会社によって異なる可能性があるため、随時確認しながら進める必要があります。
書類の不備や取得の遅れが引渡し時期に影響するケースもあるため、売却を決めたら早めに必要書類をリストアップし、準備していきましょう。
土地をなるべく高く売却するコツ

土地を売るならできるだけ高く、納得のいく価格で手放したいと考えるのは当然のことです。
しかし、価格はただ運に任せるものではなく、いくつかの工夫や事前準備によって左右されます。
この章では、はじめて土地売却をおこなう方でも実践できる高く売るための5つのコツを紹介します。
適切な価格設定をおこなう
土地をできる限り高く売りたいと考える場合、相場を把握して適切な価格設定を見極めましょう。
売却価格の設定が高すぎると買い手がつかず、安すぎると損をしたり何か事情があるのではないかと疑われたりします。
適正価格を見極めるためには「土地価格の相場の調べ方」の章で解説したとおり、まず周辺の土地価格や相場を調査する必要があります。
相場を把握したうえで不動産会社の査定額をベースにし、適正な価格に設定すれば、希望する金額で土地が売れやすいでしょう。
複数の不動産会社に依頼する
不動産売買で自身の土地を高く売りたい場合は、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
1社だけに頼らず、複数の不動産会社に査定や媒介契約の相談をすると、土地の相場や販売力を比較でき、相性のよい担当者を見つけやすくなります。
また、信頼できる不動産会社や担当者を見つけると、不安なことや疑問点などを気軽に相談できて、土地売却を成功させられる可能性を上げられます。
土地の売却を成功させる重要なポイントは不動産会社選びです。複数の不動産会社に査定を依頼して、信頼できるパートナーを見つけましょう。
隣地との境界を明確にする
できる限り所有している土地を高く売却したいのであれば、隣地との境界を明確にしておく必要があります。
境界が不明確な土地はトラブルのもとになりやすく、避けられる傾向があったり売却価格が下がったりする可能性があるためです。
事前に境界確定測量を実施すれば買主の不安を解消でき、売却価格の維持にもつながります。
現況測量図や筆界確認書などで境界が明確にされているかを確認し、不明な場合は不動産会社の担当者に相談してみましょう。
土地をきれいな状態にしておく
不動産会社の訪問査定や買主候補の見学の際は、土地がきれいな状態で見せられるように手入れをしておきましょう。
古家が老朽化している、または雑草が生い茂っていたり、ゴミが放置されていたりする土地は、見た目の印象で大きく損をする可能性があります。
不動産会社や買主候補からの印象が悪くなると、査定額を低くされる、値下げ交渉をされるなどのおそれがあり、放置しておくのはおすすめできません。
できる限りの範囲で定期的な見回りや清掃、草刈りなどをしておき、見た目の印象がよくなるようにしておきましょう。
自身に適した媒介契約の種類を選ぶ
自身の状況や目的に適した媒介契約を選ぶのも、不動産売買を成功させる大切なポイントです。
不動産会社と結ぶ媒介契約には、次の3種類があります。
| 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
|---|---|---|---|
| 複数社との契約 | 〇 | × | × |
| レインズへの登録 | 任意 | 義務(7営業日内) | 義務(5営業日内) |
| 売主への業務報告 | 任意 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 自己取引 | 〇 | 〇 | × |
| 契約有効期間 | 法律上の制限なし | 3か月以内 | 3か月以内 |
人気のエリアの土地売却をする場合は一般媒介契約、親戚や知人が土地を購入する可能性がある場合は専任媒介契約がおすすめです。
信頼できる不動産会社1社を選定し、親戚や知人が土地を購入する可能性がない場合は専属専任媒介契約を選んで買主を探してもらいましょう。
土地の売却で気をつけるべき注意点

土地の売却は価格や手続きの流れだけでなく、あとでトラブルにならないか、損をしないかなどを意識する必要があります。
気をつけるべき注意点を4つ紹介するため、後悔しないためにも事前に把握しておきましょう。
契約不適合責任を理解しておく
土地売却の契約では「契約不適合責任」と呼ばれる売主の義務があります。
そのため、売却した土地に隠れた瑕疵(欠陥)があった場合、買主から補修や損害賠償を請求される可能性があります。
たとえば、土壌汚染があったり、地下に埋設物があったりする場合などが該当する瑕疵です。
売却時点で知っていた問題を隠していた場合も責任を問われます。
また、隣地からの騒音や振動、事故物件や近くに墓地があるなども瑕疵に含まれるため、できる限りの情報は整理して不動産会社に説明しましょう。
共有名義の土地は全員の同意が必要
土地が共有名義になっている場合、1人の判断だけでは売却できません。
共有者全員の合意と、契約書への署名・押印が必須となります。
たとえば、相続で兄弟姉妹と共有名義になっているケースでは、誰か1人でも反対すれば売却は進められません。
合意を得るには時間や労力がかかるため、事前に連絡を取り、方針をすり合わせておく必要があります。
共有者の同意が得られない場合は、自身の持分のみを買取業者や他の共有者に売却するのを検討してください。
ローンの完済有無を確認しておく
売却する土地に住宅ローンの抵当権が残っている場合、売買前にローンを完済する必要があります。
抵当権が付いたままでは、購入リスクが高すぎて買い手がつかないためです。
そのため、売却代金でローンを完済できるかどうか、完済できない場合は手持ちの資金で足りるかどうかを事前に確認しておく必要があります。
住宅ローンを完済できないうえに新居の購入を検討している方は、住み替えローンを利用すれば土地の売却が可能です。
抵当権が設定されている場合、住宅ローンの残債や土地がどの程度の価格で売却できるかを確認して、ローンを完済できるかを調べましょう。
取得費がわからない場合は税金が高くなりやすい
不動産の取得費がわからない場合は、税金が高くなりやすいため注意が必要です。
土地の売却による譲渡所得の計算で取得費がわからない場合、次のように概算取得費として5%が適用されます。
| 譲渡所得=不動産の売却額−(不動産の売却額×5%+譲渡費用) |
取得費がわかるときとわからない場合で比較したシミュレーションは、次の表を参考にしてください。
| 売却価格1,000万円の場合 | 譲渡費用 | 課税譲渡所得金額 |
|---|---|---|
| 取得費(800万円) | 50万円 | 150万円(1,000万円‐800万円‐50万円) |
| 取得費不明(5%) | 50万円 | 900万円(1,000万円‐50万円‐50万円) |
取得費がわからないケースのほうが、課税譲渡所得金額が多額になる可能性が高いため、発生する税金が高くなります。
とくに自身が購入した不動産ではなく、親から相続した土地は取得費がわかる書類を探して納付額を抑えましょう。
土地の売却が進まないときはどこに相談すべき?

売却活動をはじめたものの、なかなか買い手が現れず「このまま売れないのではないか」と不安になる方も少なくありません。
とくに立地や土地の状態に課題がある場合、通常の販売手法だけでは成約につながらないケースもあります。
土地の売却がスムーズに進まないときの相談先を紹介するため、不動産売買が不安な方はぜひ参考にしてください。
隣家・周辺住民
まず検討したいのが、隣地の所有者や周辺住民への打診です。
隣接する土地を取得することはメリットが大きく、購入の可能性が高い場合があります。
境界トラブルのリスクも少なく、利用価値が高まるため、通常よりスムーズに話が進むケースもあるでしょう。
直接声をかけるのが難しい場合は、不動産会社を通じて確認してもらう方法もあります。
また、隣地以外にも店舗や診療所などを経営している方は、駐車場の土地を求めている場合もあるため、打診してみるとよいでしょう。
買取業者
すぐに現金化したい場合や、売却活動が長期化している場合は、不動産買取業者への相談が有効です。
仲介とは異なり、業者が直接土地を買い取るため、スピーディに取引が完了します。
一般市場より価格は下がる傾向がありますが、測量や整地、解体などの手間をかけなくてよいケースもあり、手続きの負担を軽減できる可能性があります。
再販目的で土地を探している業者は、立地や状態を問わず買取してくれるケースがあるため「どうしても売れない」ときは検討する価値があるでしょう。
自治体
全国の自治体が用意している空き家バンクに登録して、買主を探す方法も検討するとよいでしょう。
空き家バンクは無料で利用できるうえに、更地でも登録できるケースもあるため、積極的に活用してみてください。
ただし、空き家バンクは建物がないと取り扱ってくれない自治体もあるため注意が必要です。
土地の売却に関するよくある質問

土地の売却に関してよくある質問に回答しています。
契約に司法書士が必要なのかや古家の解体費用などが気になる方は、ぜひ参考にしてください。
査定依頼したら必ず売却しなければいけない?
不動産会社に査定を依頼しても、必ずその会社に売却を依頼する義務はありません。
査定はあくまで「今の土地がいくらで売れそうか」を把握するためのもので、売却するかどうかは自身で決められます。
ただし、現地調査までおこなった場合や、詳細な説明を受けた場合には、営業を受ける可能性はあります。
断りづらいと感じる方は、まずは一括査定サイトなどを使って簡易査定からはじめると安心です。
土地の売買契約に司法書士は必要?
売買契約自体には司法書士が必須ではありませんが、抵当権抹消登記と所有権移転登記は司法書士に依頼するケースが一般的です。
抵当権抹消登記は売主側、所有権移転登記は買主側が費用を負担するケースが多いでしょう。
手続き自体は自身でもできますが、売主と買主が安心して取引をしたいのであれば、司法書士に依頼するのが無難です。
古家の解体にかかる費用はどのくらい?
古家の解体にかかる費用は、木造であれば坪単価2〜4万円程度とされています。
たとえば、木造2階建で延床面積が30坪の古家の場合は、60〜120万円程度の費用が必要です。
古家を解体すると売れやすくなる一方、売却タイミングによっては固定資産税が上がるといったデメリットもあるため注意しましょう。
まとめ

土地売却の基本的な流れや状況別のケース、必要な税金や高く売るコツなどを解説しました。
所有している、または相続した土地を売却する際の大まかな流れは次のとおりです。
- 土地の査定依頼をする
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 売却活動を開始する
- 購入希望者による現地確認
- 買主と売買契約を結ぶ
- 土地を引き渡す
- 確定申告をおこなう
また、土地の売却に必要な費用や税金、相場の調べ方や必要な書類などを把握しておけば、スムーズに各種手続きが進みます。
土地の売却を検討している方は事前に流れを確認しておき、信頼できる不動産会社と一緒に不動産売買を成功させましょう。


