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    土地売却時に消費税はかかる?非課税の理由や不動産売買における課税対象も解説

    土地売却を検討している方の中には、売却の際に消費税はかかるのか疑問を抱く方もいるでしょう。

    土地は非課税のため消費税はかかりません。手続き上必要な税金や、土地の定着物に対しても、消費税は課税されません。

    一方で、建物や売却経費は課税対象となり、消費税がかかります。売却経費には不動産会社への仲介手数料や専門家への報酬、解体費用などが該当します。

    本記事では、土地売却時にかかる消費税について詳しく解説します。

    土地売却の消費税が非課税の理由や不動産売買における課税対象、消費税の計算と納付方法について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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    目次

    土地売却額に消費税はかかる?

    土地の売却は非課税のため、土地売却額に消費税はかかりません。

    また、土地と建物をセットで売却する場合や中古住宅として売却する場合であっても、売主と買主が法人でなければ消費税が課税されることはありません。

    不動産の売却を進める前に、土地売却時の消費税について理解を深めておくとよいでしょう。

    まずは、土地売却の消費税が非課税であることと、その理由について詳しく解説します。

    土地売却の消費税は非課税

    土地の売却は、消費税法第6条で非課税取引に定められているため、消費税はかかりません。

    人為的な付加価値がつく商品やサービスと異なり、自然資材としての性質を持つ土地の譲渡(売却)および貸付けは、消費税法第6条で消費税課税の対象外に定められています。

    消費税法の規定は、土地の大きさや売却価格、地域などにかかわらず、すべての土地に共通して適用されます。

    そのため、どのような土地でも売却価格に消費税が上乗せされることはありません。

    ただし、土地売却時に仲介手数料や解体費用などがかかった場合は、サービス提供への対価として消費税がかかります。

    土地売却の消費税が非課税の理由

    土地売却に消費税がかからない理由は、土地が人為的に作られた商品やサービスにふさわしくないためです。

    そもそも消費税とは、事業者が付加価値をつけた商品や、提供されるサービスに対して支払われる税金です。

    国内で対価を得て資産やサービスを提供する取引の大部分は課税の対象になりますが、消費される商品にはあてはまらない土地の取引は、消費税課税の対象外となります。

    一方、法人が土地と建物を一緒に売却する際、建物には人の手が加わり商品としての価値が付加されているため、建物にのみ消費税がかかります。

    土地売却額以外の消費税の非課税項目

    土地売却額以外にも、印紙税や登録免許税、譲渡所得税なども課税の対象外で、消費税はかかりません。土地の定着物も非課税です。

     土地売却額以外の消費税の非課税項目を4つ紹介します。

    印紙税

    不動産売買契約書に課税額分の収入印紙を貼り、消印を押すことで納付できる印紙税は、消費税の対象にはなりません。

    印紙税の納税額は、売却価格に応じて200円~48万円の範囲内で変動します。

    消費税はあくまで商品やサービスへの対価として課税されるため、国家や自治体へ納付する税金に対しては非課税です。

    登録免許税

    相続登記や売買による所有権移転登記の際にかかる登録免許税も、消費税の非課税項目です。

    登録免許税は、固定資産税評価額に対して0.4%、もしくは2%の額が課税されますが、消費税が加算されることはありません。

    消費税が非課税になる理由は、登録免許税が法的手続き上で必要になる税金であり、商品やサービスの対価には該当しないためです。

    譲渡所得税

    土地売却による利益が出た場合に発生する譲渡所得税も、国に納める税金のため消費税の課税対象にはなりません。

    譲渡所得税は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いて算出されます。条件を満たすことで、特例や控除による節税が可能なケースもあります。

    土地の定着物

    土地の定着物とは、庭木や石垣、庭園など、土地に恒久的に設置されたものを指します。

    定着物は、消費税法が定める「土地」に含まれるため、宅地と一体として売却される場合は非課税取引に該当します。

    消費税法によると、独立して取引の対象になる立木や立竹などは、土地に含まれません。

    したがって、山林などの売買については、立木と土地を一括して売買しても、立木部分の代金については課税されます。

    一方で、土地が宅地である場合に限り、庭木や石垣、庭園などのうち、宅地と一緒に譲渡する定着物は土地の一部とみなされ、消費税がかからないと定められています。

    土地売却で消費税が課税される主な費用

    土地売却の際、提供されるサービスに対して消費税が課税される費用がいくつかあります。

    具体的には、不動産会社への仲介手数料や金融機関へのローン事務手数料、専門家への報酬、解体費用、測量費用などはサービスへの対価となるため課税の対象です。

    また、土地と建物をセットで売却する場合、土地は非課税ですが、建物は課税対象となります。

    土地売却の際に消費税がかかる代表的な費用を6つ、紹介します。

    仲介手数料

    不動産会社に土地売却を依頼する際に発生する仲介手数料は、サービスへの対価であるため消費税がかかります。

    仲介手数料は売買価格により変動しますが、宅地建物取引業法で定められている上限は次のとおりです。

    売買価格仲介手数料の上限
    200万円以下売買価格×5%
    200万~400万円以下売買価格×4%+2万円
    400万円以上売買価格×3%+6万円

    それぞれの仲介手数料に対して、消費税が上乗せされるため、売買価格が高ければ高いほど、消費税の負担は大きくなります。

    ローン事務手数料

    金融機関が提供するサービスに対する事務手数料にも、消費税がかかります。

    土地売却時に、ローンを完済したり残債を一括返済したりすると、手続きの際に事務手数料の支払いが発生します。

    事務手数料は、金融機関が提供するサービスや事務処理などへの対価とみなされるため、消費税の課税対象です。

    一方で、貸付金への利子や信用保証料は、消費税法第6条で非課税と定められています。

    専門家への報酬

    土地売却の際、税理士や司法書士などの専門家にさまざまなサポートを依頼する場合があります。

    依頼を受けた専門家への報酬もサービスへの対価に該当するため、消費税の課税対象です。

    たとえば、登記の変更手続きを司法書士に、確定申告書作成のサポートを税理士に、売買契約のトラブル解決を弁護士に依頼した場合、報酬の支払いが必要になります。

    依頼費用は、専門家の経験やスキルにより差が生じる場合があります。費用が高いほど消費税負担額も増えるため、複数社へ見積もりを依頼し、比較検討したほうがよいでしょう。

    解体費用

    建物を解体してから土地を売却する場合、解体業者に支払う工事費用は消費税の課税対象です。

    解体費用は建物の構造や立地、広さなどにより大きな差が生じます。廃棄する建材が多いことも、費用拡大に影響します。

    たとえば、鉄筋コンクリート造りの建物や、重機が入るスペースのない立地に建設された建物は、解体費用が割高になりやすいです。

    また、建材は分別して廃棄する手間がかかるため、廃棄する建材が多ければ多いほどコストが増加してしまい、消費税も増えてしまいます。

    解体費用も業者により差があるため、複数社で見積もりを取り、比較してから依頼する会社を決めたほうがよいでしょう。

    測量費用

    土地の境界を確定するためにおこなう測量は、専門的な技量によるサービス提供であることから、消費税がかかります。

    測量費用は、土地の大きさや形状、地域などにより異なりますが、売却を目的とする測量の費用相場は80~100万円ほどです。

    市区町村の道路や水路に接している土地は10~20万円ほど、国道に接している土地は20~30万円ほど高くなる可能性があります。

    測量はもちろんのこと、測量前の資料調査や現地調査、境界確定後の図面作成など、すべての作業費用が消費税の課税対象となります。

    建物の売却

    土地と一緒に建物も売却する場合、土地は非課税ですが、建物の売却は資産の譲渡としてみなされるため消費税の課税対象です。

    ただし、売主が個人で(事業としてではなく)マイホームなどを売却する場合は課税されません。一方、不動産会社など課税事業者が売主の場合は建物部分にのみ消費税がかかります。

    たとえば、2,000万円の土地と1,500万円の建物をセットで売却した場合、建物部分の1,500万円にのみ消費税がかかります。

    土地売却時の消費税における法人と個人の違い

    土地の売却は、法人でも個人でも非課税取引です。ただし、法人の場合は非課税売上を売上台帳に記録する必要があります。

    売上台帳に記録する理由は、仕入税額控除額の試算に非課税売上が必要になるためです。

    帳簿を作成する際の基本的な仕訳例とあわせて、土地売却時の消費税における法人と個人の違いを解説します。

    非課税売上を売上台帳に記録する

    法人も個人も土地売却が非課税売上になることは共通していますが、法人は非課税売上を売上台帳に記録しなくてはなりません。

    理由は、課税仕入れ等に係る消費税額の免除が全額になるか否かを判断するための試算に、非課税売上高が必要になるためです。

    個人では非課税売上を記録する義務はありませんが、法人には正しい税務処理をおこなうために不可欠な記録となります。

    とはいえ、個人でも確定申告や特別控除の申請時に正確な売却価格を把握する必要があるため、非課税売上としてメモしておくとのちに必要になる手続きがスムーズに進みます。

    課税売上割合が仕入税額控除に影響を与える

    法人の場合、非課税売上は仕入税額控除額を決める材料となる課税売上割合に影響を与えます。

    課税売上割合とは、総売上高に対する課税売上の比率で、95%以上の場合は仕入れにかかる消費税の全額控除が受けられます。

    課税売上割合を求める計算式は、「課税売上高÷(課税売上高+非課税売上高)×100」です。

    非課税売上高が大きいと、課税売上割合が下がり、仕入れにかかる消費税の控除に制限がかかる可能性があります。

    具体的には、課税売上が8,000万円、非課税売上が2,000万円の場合、課税売上割合は80%となり、控除は課税売上に対応する部分のみに制限されます。

    控除の適用には正確な計算が不可欠になるため、法人の場合、消費税が非課税となる土地売却の売上高をすべて記録して試算することが大切です。

    土地売却時の基本的な仕訳例

    業務上、正確な仕訳が必要な法人の場合、非課税扱いとなる土地売却の特性を正しく反映して仕訳する必要があります。

    土地売却時の基本的な仕訳例は、次のとおりです。

    【土地売却の代金受領時】

    • 借方:現金(または預金)
    • 貸方:土地勘定

    【土地売却による利益の計上】

    • 固定資産売却益

    【土地売却による損失の計上】

    • 固定資産売却損

    【仲介手数料や登記費用などの諸費用】

    • 販売費および一般管理費

    仕訳とあわせて、消費税の課税区分を記録する必要があります。

    正確な仕訳をおこなうことで、課税売上割合を正しく算出でき、仕入税額控除の適用額を把握できるほか、税務処理上のトラブル回避にもつながります。

    個人の場合、帳簿の記載義務はありませんが、土地売却による収支は確定申告や特例の申請に必要になるため、メモしておくとよいでしょう。

    不動産売却時の消費税の計算と納付方法

    不動産を売却した場合、課税対象となる建物への消費税は、「建物価格÷1.1×0.1」で求められます。

    納付する消費税額の計算には、建物への消費税に加えて、仕入や経費にかかった消費税も必要になります。

    消費税の納付には、確定申告が必要です。申告や納付のタイミングは、法人と個人事業主で異なるため、納税額の計算方法と併せてそれぞれ詳しく解説します。

    消費税の計算方法

    納付する消費税額は、次の計算式で求められます。

    売上にかかる消費税 - 仕入にかかる消費税 - 経費にかかる消費税

    たとえば、購入時の価格が4,000万円(土地:1,500万円、建物2,500万円)の不動産を、5,400万円(土地:1,800万円、建物:3,600万円)で売却したとしましょう。

    なお、売却にかかった経費は60万円、消費税率は10%とします。

    まず、売上にかかる消費税を計算しますが、土地の売却は非課税のため消費税はかかりません。3,600万円で売却された建物にかかる消費税は、360万円です。

    仕入にかかる消費税は、建物の購入代金2,500万円の10%となるため250万円です。経費として60万円支払ったため、経費にかかる消費税は6万円となります。

    それぞれを計算式にあてはめると、「360万円(売上にかかる消費税) - 250万円(仕入にかかる消費税) - 6万円(経費にかかる消費税)」で、納付すべき消費税は104万円になります。

    売上や仕入にかかる消費税は売買契約書で確認できますが、経費にかかる消費税を把握するためには、それぞれの領収書が必要になります。

    不動産売却時に、消費税が課税される費用の負担が複数ある場合は、必ずすべての領収書を保管しておきましょう。

    消費税の納付方法

    不動産売却時の消費税は、次のような方法で納付できます。

    • 税務署の窓口で現金払い
    • 指定口座から引き落とし
    • コンビニエンスストアで納付
    • e-Taxによる納付
    • インターネットバンキングから納付
    • クレジットカードで決済

    消費税の納付には確定申告が必要ですが、個人事業主か法人かにより申告のタイミングが異なります。

    個人事業主の場合は不動産を売却した翌年の3月末まで、法人の場合は課税期間末日の翌日から2か月以内に申告と納付を済ませましょう。

    なお、前年、もしくは前事業年度1年間の消費税納付額が48万円を超える場合は、1年の途中で税金の一部を前払いする中間申告と中間納付をおこなう必要があります。

    自身の状況に適した方法で、早めに支払いを済ませるとよいでしょう。

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    土地売却では、土地そのものは非課税である一方、仲介手数料や測量費など一部の費用には消費税がかかる場合があります。

    そのため、どこに税金が発生し、どのタイミングで負担が生じるのかを正しく理解しておくことが大切です。税まわりの疑問が残ったまま進めてしまうと、思わぬ出費や手続きの遅れにつながることもあります。

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    土地売却時の消費税に関するよくある質問

    最後に、土地売却時の消費税に関するよくある3つの質問に回答します。

    非課税と不課税の違いを知りたい方、駐車場用地の売却は非課税になるのか、土地の購入時も消費税はかからないのか気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

    非課税と不課税の違いは?

    非課税は課税対象の中から例外的に課税されないもの、不課税はそもそも課税対象とならないものを指します。

    どちらも取引の際に消費税がかかりませんが、課税売上割合への影響が大きく異なります。

    課税売上割合は、課税仕入れ等に係る消費税額の全額が控除されるか否かの判断材料の一つになる比率です。

    課税期間中の課税売上高が5億円以下、かつ、課税売上割合が95%以上の場合は、仕入にかかる消費税を全額控除できます。

    課税売上割合を求める計算式は、「課税売上高÷(課税売上高+非課税売上高)×100」です。

    非課税売上高は分母にのみ含まれますが、不課税取引はそもそも消費税の課税対象外のため、課税売上割合の計算に含まれません。

    非課税売上が多いと課税売上割合が下がり、仕入にかかる消費税額の控除に制限がかかる可能性が高まります。

    非課税と不課税は、課税売上割合を計算する際に、計算に含まれるか含まれないかが大きな違いです。

    駐車場用地を売却しても非課税?

    駐車場用地の売却は、土地の譲渡にあたるため消費税法に基づき非課税取引となります。

    ただし、駐車場の精算機やフェンスなどの設備付きで売却する場合、土地以外の売却価格には消費税がかかります。

    理由は、各設備は付加価値のある商品、あるいはサービスとしてみなされるためです。

    建物を解体して更地にし、駐車場用の土地として売却する場合ももちろん非課税ですが、解体費用や不動産会社への仲介手数料には消費税がかかります。

    土地の購入時も消費税はかからない?

    土地の購入代金に対する消費税は、発生しません。

    理由は、売却時と同じように消費税法上、土地の譲渡は非課税取引として扱われるためです。

    ただし、土地と建物をセットで購入する場合、土地部分は非課税ですが建物部分は消費税の課税対象です。

    また、登記を依頼した際の報酬や不動産会社への仲介手数料など、購入に付随する費用に消費税がかかる点も共通します。

    まとめ

    土地売却時の消費税は、建物や設備、売却にかかる経費に対しては課税されますが、土地そのものに対しては発生しません。

    土地売却時の非課税項目はほかに、印紙税や登録免許税、譲渡所得税などが該当します。宅地と一緒に売却する定着物も、土地の一部とみなされるため消費税はかかりません。

    一方で、不動産会社への仲介手数料や専門家への報酬、解体費用などは課税対象となり、消費税がかかります。

    納付する消費税額は、売上にかかる消費税から仕入と経費にかかった消費税を差し引いて求めます。必要な領収書は必ず保管しておきましょう。

    土地売却時の消費税の納付には、確定申告が必要です。期日を過ぎるとペナルティを課せられる可能性があるため、余裕のあるスケジュールで準備を進めてください。

    納付の際は、ネットバンキングやクレジットカードの活用、口座引き落としの申請などが便利でおすすめです。

    土地売却前に消費税についての理解を深めておくことで、売却後の確定申告や特例の申請もスムーズに進められます。

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