相続などで空き家を所有した際、活用したいと考える方は多いでしょう。
しかし、いざ空き家を活用するとなると、「リフォーム費用で損をしたくない」「活用が本当に最善策か」など、不安を持つ方も少なくありません。
結論として、空き家活用は綿密な計画なしに進めると失敗する可能性があり、資金計画と地域の需要調査が重要です。
本記事では、具体的な空き家活用の失敗事例とあわせて、更地化のリスク、失敗回避のための注意点を解説します。
空き家の活用を検討中の方も、放置に悩む方も、今後の判断材料として、ぜひ参考にしてください。
空き家活用でよくある失敗事例5選

空き家活用を検討する上で、多くの方が直面しやすい失敗パターンは、次の5つです。
- リノベーション費用の回収難
- シェアハウス運営の稼働率低迷
- 近隣住民とのトラブル発生
- 賃貸運営での修繕費・維持費の増大
- 補助金・助成金の受給失敗
ここからは、それぞれの失敗事例について、具体的な内容と背景を詳しく解説します。
リノベーション費用を回収できない
空き家活用で多い失敗の一つが、リノベーションに高額な費用をかけたものの、予定していた賃料や売却益では回収できないケースです。
古い空き家は、見た目以上に構造部や水回りなどの劣化が進んでいることが多く、当初の見積もりを大幅に上回る追加費用が発生しやすい傾向にあります。
一方で、予算を抑えようと中途半端なリフォームに留めた結果、物件の魅力が乏しくなり、借り手や買い手が見つからない事態も起こりえます。
リノベーション費用が回収できない事態に陥らないためには、事前に専門家による詳細な建物診断を受けましょう。
そのうえで、地域の賃貸・売買ニーズに基づいた、現実的なリノベーション計画を立てることが不可欠です。
シェアハウスの稼働率が低い
空き家をシェアハウスとして活用するアイデアもありますが、入居者が集まらずに稼働率が低迷する失敗も報告されています。
シェアハウスの需要は、一般的に学生や単身者が多い都市部や大学の近辺など、特定の立地に集中する傾向です。
また、入居者募集のノウハウや、入居者間のルール作り、トラブル対応といった運営管理の負担も大きいのが実情です。
立地の需要を見誤り、ターゲット層がいない地域でシェアハウスを始めても、空室が続けば収益は見込めません。
その地域にシェアハウスのニーズが本当にある地域なのかを、厳密に事前調査する必要があります。
近隣住民とトラブルが起こる
空き家の活用方法により、騒音やゴミ出しのルール違反など、近隣住民の苦情が発生し、トラブルを引き起こすケースもあります。
特に、不特定多数の人が出入りする民泊や、生活時間の異なる人々が共同生活するシェアハウス、飲食店などの店舗として活用する場合に注意が必要です。
トラブルを避けるためには、活用を始める前に、地域のルールや慣習を十分に確認し、必要に応じて近隣住民への事前説明をおこなうことが大切です。
賃貸で修繕費・維持費がかさむ
空き家を賃貸物件として貸し出しても、想定外の修繕費や維持管理費が収益を圧迫するケースも起こりがちな失敗パターンです。
特に築年数が経過した物件は、給湯器やエアコンなどの設備の故障が頻繁に発生する可能性があります。
こうした突発的な修繕費用が、数ヶ月分の家賃収入を一気に失わせるほどの負担になることもあります。
また、入居者がいない空室期間中であっても、固定資産税や管理費、火災保険料などの維持費は継続的に発生します。
賃貸物件として活用する場合は、表面的な家賃収入だけでなく、さまざまな支出もすべて考慮に入れた、長期的な収支計画を立てることが大切です。
補助金・助成金が受け取れない
空き家活用に関するリフォーム費用などの負担を軽減するため、自治体の補助金や助成金を期待する方もいるでしょう。
しかし、補助金や助成金の条件を満たせずに受け取れなかった失敗例も少なくありません。
補助金や助成金の制度は、対象となる工事内容や地域、申請の時期が決まっているなど、自治体ごとに要件が厳格に定められており、非常に複雑です。
たとえば、契約前の申請であるにもかかわらず、リフォーム工事の契約を結んだ後に制度の存在を知った場合は対象外になります。
制度の利用を検討する場合は、必ず契約や着工の前に、自治体の窓口や専門家に詳細を確認しましょう。
空き家を更地化した場合の失敗事例

空き家の活用が難しい場合、解体して更地にする選択肢もありますが、更地化にも税金と解体費用による2つの大きな失敗リスクが潜んでいます。
ここでは、空き家を更地化した場合の2つの失敗事例を具体的に解説します。
固定資産税・都市計画税が増える
一つ目は、空き家を解体して更地にすると、多くの場合、固定資産税や都市計画税の負担が大幅に増加します。
空き家の解体による税金の増加は、土地の上に住宅が建っていることで適用されていた住宅用地の特例が、適用されなくなるためです。
住宅用地の特例は税負担を大きく軽減するものであるため、解体した翌年から、税額が大幅に跳ね上がる可能性があります。
失敗を防ぐためには、古家付き土地にして価格を下げて売却する、買主が見つかってから取り壊すなどの対策が有効です。
解体費用が高額になる
二つ目は、空き家の条件により、解体費用が想像以上にかかり高額になる失敗です。
たとえば建物にアスベストが利用されていた場合、除去費用として別途数十万〜数百万の費用が発生するおそれがあります。
また、物件が狭い路地奥にあり重機が入れない立地では、手作業での解体となり、工期が延びて人件費がかさむことも考えられます。
解体を検討する際は、複数社に見積もりを依頼して価格を比較したり、追加費用の有無を確認したりしましょう。
失敗事例から学ぶ!空き家活用の注意点

これまでに見てきたような失敗事例を回避し、空き家活用を成功に導くためには、次の3つのポイントを押さえておくことが大切です。
- 情報収集・ノウハウの習得
- 事前の資金計画
- 補助金・助成金制度の理解
それぞれなぜ重要なのかを解説します。
情報収集・ノウハウを身につける
空き家の活用で失敗したくない方は、十分な情報収集や関連ノウハウを身につけることをおすすめします。
地域の賃貸ニーズや家賃相場や関連法規、市場全体の動向などを理解しないまま活用を始めてしまうと、失敗に直結する恐れがあります。
まずは自身で近隣の類似物件の状況を調べたり、ハザードマップで災害リスクの高さを確認したりするなど、基本的な情報収集を徹底しましょう。
事前に資金計画を立てる
空き家活用を成功させるポイントは、精度の高い資金計画を立てることにあります。
リフォーム費用などの初期投資がいくらかかるかだけでなく、固定資産税や管理委託費などの運営中にかかるコストもすべて洗い出す必要があります。
その上で、見込まれる収益と比較して、長期的な収支シミュレーションをおこない、資金計画を立てることが重要です。
一人で詳細な資金計画を立てるのが不安な方は、不動産会社の担当者に相談しながら進めるのをおすすめします。
補助金・助成金制度を理解する
失敗事例でも触れた通り、制度には厳格な要件や申請期限が定められているため、補助金や助成金制度を事前に正しく理解する必要があります。
自治体によっては、耐震性や省エネ性能の向上など、特定の工事内容に限定されている場合もあるため、自治体で利用可能な制度がないかを調査しましょう。
対象となりそうな制度が見つかった場合は、申請の手順や条件、期限などを詳細に確認し、不明点は必ず担当窓口に問い合わせることが重要です。
空き家活用の成功事例3選

失敗事例や注意点を見てきましたが、地域の特性やアイデアを活かして空き家活用に成功している事例も存在します。
ここでは、一般的な成功事例として、次の異なる3つのパターンを紹介します。
- 会員制農家民宿
- 空き家の紹介事業
- ミュージアム
それぞれの事例から、成功のヒントを探っていきましょう。
会員制農家民宿
成功事例として、地方の空き家を会員制の農家民宿として再生させたケースがあります。
この事例のポイントは、不特定多数の観光客をターゲットにするのではなく、会員(ファン)と地域住民との継続的な交流を重視している点です。
都市部の住民が週末に農業体験や地元の人々との交流を楽しむ第二の故郷のような場所として機能し、安定したリピーターの確保につながっています。
地域の自然や文化といった魅力を最大限に活かし、独自のコンセプトを打ち出すことが成功のコツといえます。
空き家の紹介事業
所有者が自ら活用するのではなく、空き家を必要とする人へ紹介するマッチング事業で成功する例もあります。
マッチング事業は、空き家を活用したい人(移住希望者、起業希望者など)と活用してほしい人(所有者、地域)のニーズを結びつける取り組みです。
NPO法人が主体となり、都市部からの移住希望者や二地域居住希望者に空き家を紹介し、実際に成約もしています。
また、利用希望者に対して入念な面接をおこない、地域の住民との摩擦の少ない方を厳選して、地元の理解を得ています。
ミュージアム
地域の歴史や文化を伝える小規模なミュージアムとして空き家が活用されるケースも、成功事例の一つです。
特に、元々酒蔵であったり、歴史的な建築様式であったりなど、建物自体に価値がある場合に有効な方法です。
私設資料館や、地域の工芸品を展示・販売するギャラリー兼カフェとして再生させ、新たな観光資源や地域住民の交流の場を生み出しています。
建物の持つ特性や、所有者の趣味・知見を活かした活用方法といえます。
空き家を活用せず放置するリスク

ここまで空き家活用の失敗事例や注意点を紹介してきましたが、何もしない(放置する)選択にも大きなリスクが伴います。
活用が難しいからといって空き家を放置し続けると、次の3つの重大な問題に直面する恐れがあります。
- 損害賠償請求のリスク
- 継続的な税金の支払い
- 「特定空き家」への指定
それぞれ詳しく解説します。
損害賠償を請求される場合がある
空き家を放置し、適切な管理を怠ったことが原因で他者に損害を与えてしまった場合、その空き家の所有者が損害賠償責任を問われるリスクがあります。
たとえば、老朽化したブロック塀が地震や台風で倒壊し、通行人が怪我をしたケースがあげられます。
また、強風で屋根材が飛散し、隣家の車や窓ガラスを傷つけてしまうケースも考えられるでしょう。
空き家であっても、不動産の所有者には、その物件を安全に管理する法的な責任があり、誰も住んでいないことは責任を逃れる理由にはなりません。
税金を支払い続ける必要がある
空き家は、たとえ誰も住んでおらず、何の収益も生み出していなくても、所有しているだけで固定資産税や都市計画税を支払い続ける必要があります。
これは、不動産を所有している限り発生する義務です。
活用も売却もせず放置するということは、収益を一切生まない負の資産のために、毎年確実に金銭的な負担が続くことを意味します。
放置は、現状維持のように見えて、実際には資産を減らし続ける行為と認識しましょう。
特定空き家に指定される
管理不全な状態(倒壊の危険性が高い、衛生上有害であるなど)で空き家を放置し続けると、行政から特定空き家に指定される可能性があります。
これは、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づく措置です。
特定空き家に指定されたまま管理を怠ると、固定資産税などの軽減措置である住宅用地の特例が適用されなくなり、税額が大幅に増える場合があります。
さらに、行政からの改善の助言、命令に従わない場合、最終的には行政代執行により強制的に解体され、高額な解体費用が所有者に請求されます。
特定空き家への指定は、経済的負担が急激に増大するため、放置における大きなリスクです。
空き家活用に不安を感じたらファンズ不動産へ
空き家の活用を検討する際は、初期費用や維持管理の負担、想定どおりに活用できるかなど、不安を感じる点も多くあります。
活用を始めたものの、結果的に手間やコストがかさみ、後悔につながるケースも少なくありません。こうした失敗を避けるためには、活用が本当に適しているのか、他の選択肢も含めて冷静に整理することが大切です。
空き家活用に不安を感じた場合は、判断材料を整理する相談先として、ファンズ不動産も選択肢の一つとして検討してみるとよいでしょう。
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他社では取り扱いが難しいと言われた物件でも、まずは一度相談してみる価値があるでしょう。
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空き家活用の失敗事例に関するよくある質問

最後に、空き家活用の失敗事例に関してよくある次の3つの質問にお答えします。
- 自治体からどのような補助金・助成金が受け取れる?
- 田舎でも空き家を活用できる?
- 海外での空き家活用アイデアは?
同じ疑問を持つ方は、ぜひ参考にしてください。
自治体からどのような補助金・助成金が受け取れる?
受け取れる補助金・助成金の種類や内容は、空き家が所在する自治体により大きく異なります。
補助金や助成金の一例は、次のとおりです。
| 地域 | 制度名 |
|---|---|
| 東京都世田谷区 | 老朽建築物の除却助成 |
| 神奈川県横浜市 | 住宅除却補助制度 |
制度の有無や詳細な要件は、空き家が所在する市区町村のウェブサイトや、担当窓口に直接問い合わせて確認しましょう。
田舎でも空き家を活用できる?
田舎であっても、その地域の特性やニーズに合わせた活用方法であれば、可能性は十分にあります。
都市部と同じような賃貸需要は期待しにくいですが、田舎には都市部にはない豊かな自然環境や静かな生活、広いスペースなどの価値があります。
都市部とは異なる価値観やニーズを的確に捉えられれば、田舎でも十分に空き家を活用できるでしょう。
海外での空き家活用アイデアは?
海外での空き家活用事例は、次のとおりです。
- 1ユーロ住宅
- アート・文化施設
- コワーキングスペース
- 書店・雑貨屋
1ユーロ住宅とは空き家を1ユーロで買える代わりに、修繕工事・居住義務がある活用方法で、さまざまな国で採用されています。
法制度や文化は異なりますが、地域全体で古い建物の価値を再評価し、観光資源や移住促進につなげる視点は、日本でも参考になるでしょう。
まとめ

本記事では、空き家活用の代表的な失敗事例や更地化のリスク、失敗を回避するための注意点について解説しました。
空き家活用の失敗は、リフォーム費用の回収難や想定外の維持費、需要の見誤りなど、事前の計画不足が主な原因です。
空き家の活用を成功させるためには、専門家と相談の上で現実的な資金計画を立て、物件のリスクと可能性を正確に把握する必要があります。
空き家の扱いに迷った際は、ぜひ不動産仲介と資金計画の知見を持つファンズ不動産株式会社の情報を参考にしてください。
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