「マンション購入時の流れが複雑でわからない」と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
購入時には多くの手続きがあるうえに、新築と中古では多少流れが異なるため、複雑と感じるのも仕方がないことかもしれません。
本記事では、マンション購入の流れ、新築と中古との手続きの違いなどについて解説します。
記事を一読すれば、手続きの内容がわからない方の不安や疑問を解消できることでしょう。
マンション購入の流れ | 基本の9ステップ

マンション購入の流れは次のように大きく9ステップに分類されます。
- 物件を探す
- 資金計画を立てる
- モデルルームを見学する
- 購入を申し込む
- 住宅ローンの事前審査を受ける
- 売買契約を締結する
- 住宅ローンの契約を結ぶ
- 入居説明会・内覧会に参加する
- 決済・引き渡し
ここからは、流れの基本として、新築マンション購入の手順について解説します。
1:物件を探す
マンションを購入する際は、まず物件探しからはじめます。
物件探しをする際は予算や立地、間取りなどの希望条件を決めてから、不動産ポータルサイトなどを活用して希望のマンションがないか確認します。
希望条件にあう物件が見つかったら、すぐに内見せずにパンフレットを取り寄せ、検討に必要な情報を収集しましょう。
もし、先にモデルルームを内見する計画であれば、営業の言葉を鵜呑みにせず、情報だけを収集して検討する時間を設けることが大切です。
2:資金計画を立てる
物件探しに必要な情報を収集したら、次に資金計画を立てましょう。
マンション購入時には、売買代金のほかにも諸費用や税金がかかります。
諸費用を含めた購入総額を計算し、住宅ローンをどのくらい借り入れるのかを確認します。
確認した借入金額の返済額まで調査し、返済可能と判断できたら次のステップに進みましょう。
3:モデルルームを見学する
資金計画を立てたら、次にモデルルームを見学します。
資料だけではわからない、設備の仕様や素材の質感などの確認が可能です。
モデルルームには購入判断に必要な情報が詰まっているため、十分な時間を確保し、納得できるまで確認作業を続けましょう。
ただし、モデルルームは販売用にインテリアが置いてあったり、マンション内の最上級の仕様で建築されたりする場合があります。
このような事情から、見た目に惑わされず、冷静に自身が購入する部屋を想像しながら内見することが大切です。
4:購入を申し込む
モデルルームを確認し、購入を決断したら購入申込書(買付証明書)を売主に提出します。
購入申込書には、次の内容を記載します。
- 購入希望金額
- 手付金の額
- 引き渡し希望日
- 住宅ローン利用の有無
- 物件概要
これらの情報を記載して、売主に対して購入の意思を示します。
物件によっては、申込証拠金が必要な場合もあります。
申込証拠金が必要な場合は、売買契約時に充当されるものなのか、返金される条件は何かなどを確認しましょう。
5:住宅ローンの事前審査を受ける
購入申込書を提出する際は、並行して住宅ローンの事前審査を受けます。
事前審査を受ける際には、多くの書類が必要となるため、何を用意しなければならないのか事前に確認しましょう。
書類によっては準備に時間がかかるケースもあり、その間に希望の物件が他の方に取られる可能性もあります。
一般的に事前審査は1〜3営業日で結果が出ますが、金融機関によっては1週間程度かかる場合もあるため注意が必要です。
6:売買契約を締結する
住宅ローンの事前審査に通過したら、重要事項説明を受けてから売買契約を締結します。
売買契約を締結する前には、宅地建物取引士による重要事項説明が義務付けられています。
重要事項説明とは、物件の特性や権利関係、取引条件などが記載された重要事項説明書の内容について説明することです。
売買契約書も重要事項説明書も買主にとって重要な情報が記載されている書類のため、内容が理解できるまで質問し、納得したうえで手続きを進めましょう。
参照元:e-Gov 宅地建物取引業法
7:住宅ローンの契約を結ぶ
売買契約の締結が終わったら、すぐに住宅ローンの本審査を受け、金融機関と金銭消費貸借契約を締結します。
本審査では事前審査で提出した書類に加え、売買契約書や重要事項説明書、印鑑登録証明書などの書類を提出します。
審査に通過したら、金銭消費貸借契約の締結日を決めましょう。
金銭消費貸借契約時にも書類が必要なため、用意すべきものを事前に金融機関に確認することが大切です。
8:入居説明会・内覧会に参加する
契約後に入居説明会や内覧会がある場合は、参加して説明を受けましょう。
入居説明会や内覧会では、設備の動作確認や傷のチェック、マンション内のルール説明などがおこなわれます。
不具合が発見された場合は引き渡し前までに補修してもらい、ルールが不明確なら質問して疑問を解消するのをおすすめします。
なお、修繕を依頼した場合は、きちんと補修されているかどうかを引き渡し時に必ずチェックしましょう。
9:決済・引き渡し
金銭消費貸借契約を締結したら、締結日から1週間前後で決済・引き渡しをおこないましょう。
決済・引き渡し日にローンが実行されるため、残代金と諸費用を支払います。
支払いと同時に所有権移転がおこなわれ、マンションが自身のものとなります。
また、所有権移転とともに、鍵や設備の保証書などを受け取ってマンション購入に関する手続きは完了です。
新築マンションと中古マンション購入で流れは異なる?

新築マンションと中古マンション購入では流れが異なります。
異なる点の代表例は次のとおりです。
- 売主
- 取引形態
- 物件の見学方法
- 申し込み方法
- 住宅ローンの取り扱い
- 手付金
- 建物・設備の保証内容
それでは、これらの異なる点について解説します。
売主
売主は新築と中古で次のような違いがあります。
| 新築マンション | ・デベロッパー ・分譲会社 |
|---|---|
| 中古マンション | ・個人 ・買取再販業者 |
ただし、上記はあくまで一般的な場合です。
例外的に新築マンションを購入した個人が一度も入居せず、未入居のまま1年以内に売却する場合、新築でも個人が売主となるケースもあります。
取引形態
取引形態は、新築と中古で次の違いがあります。
| 新築マンション | ・直接取引 ・販売代理業者との契約 ・仲介 |
|---|---|
| 中古マンション | ・直接取引 ・仲介 |
新築マンションの場合、一般的には売主か販売代理業者と契約しますが、例外的に仲介会社からの紹介によって契約する場合もあります。
一方、中古は多くのケースで仲介を利用しますが、売主が買取再販業者といった不動産会社の場合、直接取引する場合もあります。
物件の見学方法
物件の見学方法は、新築と中古で次の違いがあります。
| 新築マンション | ・モデルルーム ・完成済み現場 |
|---|---|
| 中古マンション | ・完成済み現場 |
新築は完成前ならモデルルーム、完成済みなら現場を直接確認します。
モデルルームの場合、実際の住環境はわからないため、建設現場周辺に立ち寄るなどの工夫が必要です。
一方、中古は室内を確認できるものの、物件によっては傷があったり、設備に不具合があったりします。
新築と中古では、重点的に確認する項目が異なると考えて内見しましょう。
申し込み方法
申し込み方法は、新築と中古で次の違いがあります。
| 新築マンション | ・抽選販売の場合もある ・申込証拠金が必要なケースがある |
|---|---|
| 中古マンション | ・購入申込書の提出のみが多い |
一般的には、先着申し込み順で進めますが、新築は抽選販売をおこなうケースもあります。
また、新築では10万円前後の申込証拠金が必要になるケースもあります。
中古は、売主に対して購入の意思を伝える購入申込書のみの提出で、申し込みをするのが一般的です。
住宅ローンの取り扱い
住宅ローンの取り扱いは、新築と中古で次の違いがあります。
| 新築マンション | ・取り扱い可能 |
|---|---|
| 中古マンション | ・返済期間を制限される場合がある |
定期借地権付きマンション以外であれば、新築の場合、住宅ローンは問題なく申し込めます。
一方、中古の場合、金融機関によっては返済期間に制限を設けているケースがあります。
築年数が経過したマンションを購入する場合、返済期間を短く設定されるケースもあるため注意しましょう。
手付金
手付金は、新築と中古で次の違いがあります。
| 新築マンション | ・完成済の場合は価格の5~10% ・未完成の場合は価格の5%以内 |
|---|---|
| 中古マンション | ・価格の5~10% |
完成済の物件なら新築も中古も、物件価格の5〜10%が手付金の相場です。
ただし、不動産会社が売主かつ未完成の場合、宅地建物取引業法によって、5%または1,000万円を超える手付金を業者が受け取るときには保全措置を講じなければなりません。
保全措置を講じるためには手続きや費用の負担が発生するため、措置が不要な範囲の手付金の授受で済ませるケースが多い傾向があります。
参照元:e-Gov 宅地建物取引業法
建物・設備の保証内容
建物・設備の保証内容は、新築と中古で次の違いがあります。
| 新築マンション | ・建物の重要な部分は引き渡しから10年 ・設備は各設備会社の保証期間 |
|---|---|
| 中古マンション | ・売主が個人の場合は引き渡しから2か月 ・売主が業者の場合は引き渡しから2年 |
新築は品確法により、構造上主要な部分や雨水の侵入を防止するような、建物の重要な部分の不具合は10年間保証されます。
一方、中古の場合、個人は引き渡しから2か月の契約不適合責任の期間、業者は2年間の期間が設定されます。
新築よりも中古のほうが不具合は発見されやすいものの、保証期間が短い点には注意が必要です。
マンション購入から入居までの期間は?

マンション購入から入居までの期間の目安は、新築と中古ともに1〜2か月程度です。
売買契約締結後には住宅ローンの本審査や引っ越し準備などがあり、1〜2か月程度の時間がかかるためです。
ただし、新築マンションが未完成の場合は完成するまで入居できません。
契約から完成まで1年以上かかるマンションもあり、そのような物件を購入した場合は入居までに時間がかかります。
流れ以外に知っておくべきマンション購入時の必要書類

マンションを購入する際は、新築・中古ともに多くの書類を準備する必要があります。
ここからは、次のようにシーン別に分けて、何を用意する必要があるのか解説します。
- 住宅ローンの審査に必要な書類
- 売買契約締結時に必要な書類
- 決済・引き渡し時に必要な書類
準備に時間がかかる書類もあるため、用意すべきものを理解し、手続きが遅れないよう事前に手に入れましょう。
住宅ローンの審査に必要な書類
住宅ローンの審査に必要な書類は次のとおりです。
| 書類名 | 入手先 |
|---|---|
| 本人確認書類 | 警察署や運転免許センター(運転免許証) パスポート(旅券センター) |
| 収入証明書 | 勤務先の会社(源泉徴収票・給与明細書) |
| 住民票・印鑑登録証明書 | 住まいを管轄する自治体 |
| 全部事項証明書(登記簿) | 法務局 |
| 売買契約書・重要事項説明書・物件資料 | 不動産会社 |
| 借入証明書 | 借入先の会社 |
なお、必要な書類は本審査と事前審査によって異なります。
紹介した書類の一覧は、本審査の必要書類です。
ただし、必要な書類は金融機関によっても異なるため、事前に何を用意すればよいのかは不動産会社に確認しましょう。
売買契約締結時に必要な書類
売買契約締結時に必要な書類は次のとおりです。
| 書類名 | 入手先 |
|---|---|
| 本人確認書類 | 警察署や運転免許センター(運転免許証) パスポート(旅券センター) |
| 収入印紙 | 法務局や郵便局 |
| 印鑑登録証明書 | 住まいを管轄する自治体 |
売買契約締結時に必要な書類は、不動産会社によって異なります。
住宅ローンの申し込みと同様に、不動産会社に確認してから書類を準備しましょう。
決済・引き渡し時に必要な書類
決済・引き渡し時に必要な書類は次のとおりです。
| 書類名 | 入手先など |
|---|---|
| 本人確認書類 | 警察署や運転免許センター(運転免許証) パスポート(旅券センター) |
| 住民票・印鑑登録証明書 | 住まいを管轄する自治体 |
| 銀行印 | 住宅ローンの借入先で利用しているもの |
| 登記委任状 | 登記を依頼する司法書士 |
決済・引き渡しに必要な書類は、住宅ローンを借り入れる場合と現金のみで購入する場合で異なります。
紹介した書類は、住宅ローンを借り入れる場合のものです。
決済・引き渡し時に必要な書類も不動産会社の担当に確認し、スムーズに手続きを進めてください。
マンションを購入する際の注意点

マンションを購入する際には、次の点に注意しましょう。
- 多くの物件を比較して検討する
- 現地で利便性・周辺環境を調べる
- モデルルームのオプション仕様を確認する
- 売買契約時に手付金が必要になる
- 疑問点や不安を残さない
理想のマンションを購入するためにも、物件探しをする際は事前に注意点を理解することが大切です。
多くの物件を比較して検討する
マンション購入を成功させるためには、複数の物件を比較して検討することが大切です。
各物件にはそれぞれに特徴があり、住環境のよさや利便性の高さが異なります。
また、同じ価格帯でも設備のグレードや状態が異なっている場合もあるため、1件だけで即決すると、理想の物件を見逃す可能性が高くなります。
とくに中古マンションの場合は、管理状態をよく比較検討しましょう。
長期修繕計画の内容どおりに運営されていれば、定期的な大規模修繕工事の実施が見込め、建物を長期にわたって利用し続けることができます。
現地で利便性・周辺環境を調べる
マンションを内見する際は、現地で利便性・周辺環境を調べましょう。
利便性や周辺環境は内見だけではわからない項目であるものの、生活に大きな影響を与える要素になります。
最寄り駅までの距離や通勤時間帯の混雑状況、生活に必要な施設の充実度などを確認しないまま購入すると、入居後に不便さを感じるかもしれません。
生活の不便さを感じないようにするためにも、時間や日にちを変え、何度も現地に足を運んで利便性・周辺環境を確認しましょう。
モデルルームのオプション仕様を確認する
新築マンション購入を検討する際は、モデルルームのオプション仕様を確認しましょう。
設備には標準仕様とオプションがあり、販売目的で設置されるモデルルームは通常の仕様とは異なる場合があります。
モデルルームの設備が標準だと思い込むと、入居後に「想定していた設備と違う」と後悔する可能性があります。
後悔しないためにも、標準仕様との差やオプションに変更する際の追加費用について、不動産会社に確認しましょう。
売買契約時に手付金が必要になる
マンションの売買契約時には、新築でも中古でも手付金が必要になります。
一般的に、手付金は物件価格の5〜10%に設定され、現金を用意しなければなりません。
購入する物件によっては数百万円以上の手付金が必要となるため、マンション購入を検討する際は、事前に貯蓄するよう心がけてください。
また、両親や祖父母などから住宅資金の贈与を受ける場合は、税制優遇の利用を検討しましょう。
特定の条件を満たせば、最大で1,000万円までの住宅資金の贈与が非課税になるため、手付金としての利用が可能です。
参照元:国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
疑問点や不安を残さない
マンション購入の際は、疑問点や不安を残さないよう、解消してから手続きを進めましょう。
購入の手続きを進める際には、不動産の専門用語や法律用語が多く出てきます。
これらの用語は普段あまり聞かない言葉が多く、理解できない場合もあることでしょう。
理解できないまま手続きを進めると、後々トラブルにつながる恐れがあるため、不明点は遠慮することなく、不動産会社に確認することが大切です。
とくに、重要事項説明書や売買契約書の内容は難しいうえに、重要な項目が多数記載されているため、理解できるまで質問しましょう。
マンション購入時の流れに関するよくある質問

マンション購入時の流れについてよくある質問は次のとおりです。
- マンションを現金一括で購入するときの流れは?
- マンション購入でかかる諸費用・税金は?
- マンションを買うには年収がいくら必要?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
マンションを現金一括で購入するときの流れは?
マンションを現金一括で購入するときの流れは次のとおりです。
- 物件を探す
- 資金計画を立てる
- モデルルームを見学する
- 購入を申し込む
- 売買契約を締結する
- 入居説明会・内覧会に参加する
- 決済・引き渡し
現金一括で購入する場合、金融機関とのやり取りがないため、住宅ローンを利用する時よりもスムーズに購入できます。
マンション購入でかかる諸費用・税金は?
マンション購入でかかる主な諸費用・税金は次のとおりです。
- 仲介手数料
- 登記費用
- ローン保証料・事務手数料
- 火災保険料・地震保険料
- 引っ越し費用
- 印紙税
- 不動産取得税
諸費用と税金の合計金額は、新築と中古で異なります。
一般的に新築は物件価格の3〜5%、中古は6〜9%かかるといわれています。
マンションを買うには年収がいくら必要?
マンション購入に必要な年収は、物件価格や借入額、返済期間などによって異なるため、一概にいくらとはいえません。
一般的には、手取り年収に占めるローン返済額が、25%以内に収まる程度が必要とされています。
たとえば、ローン年間返済額が125万円の借り入れをおこなう場合、手取り年収は500万円以上が望ましいとされています。
割合は購入検討者の貯蓄額や年齢などによって異なるため、どの程度の借り入れが適しているのか金融機関に相談してから手続きを進めましょう。
まとめ

マンション購入時には多くの手続きがあり、新築と中古とでは流れが異なります。
流れを把握しないまま手続きを進めると、書類の準備に時間がかかったり、取り忘れが生じたりといった問題が発生する場合があります。
場合によっては提出期限に間に合わず、大きなトラブルに発展するケースもあるため注意が必要です。
トラブルに巻き込まれないためにも、物件探しをする前にマンション購入の流れを確認しましょう。

